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2001年組編 7
「組長」
「どうした」
地下室から組長が上がってくると、電話を握った幹部の一人が話しかけてきた。
「『彼ら』が第十一支部を襲撃したようです」
「……彼らが動いたか」
「そのようです」
目撃者からの電話は、全世界に広がっている彼らのネットワークを教えてくれる。
数が少ない彼らだからこそ、効率的に物事を動かす術を身につけたのだ。
「警告を、その周辺の支部に」
「すでに」
「よろしい」
組長の指示がなくても、すでに幹部で連絡を行なったようだ。
それに満足げにうなづいて、再びテーブルを囲むように坐り直す。
「どうだ、神の啓示は来たか」
壁際で座禅を組んで瞑想に入っている幹部の一人へと、組長は話を聞く。
「ええ。高次元の存在と話すことができました」
目がトロンとしている。
まるで眠いままでずっと起きているかのようだ。
「それで、神はなんと」
「預言は成就すると。良き日が間も無く訪れる、と」
それが何なのかは彼らにしかわからなかった。




