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神父と悪魔編 17
北緯41.9度は、北海道と呼ばれる土地の緯度である。
我々は、まず、現地に飛ぶこととした。
理由は、休息のため、及び観光である。
そのため、正式な歓迎式典などを行わないようにと、日本側へ通知を行った。
手野航空に乗り、関西国際空港を経由して、十数時間かけて函館空港へやってきた。
「寒いとは聞いていたのだが、今のところ、そこまで寒くはないな」
私が言うと、悪魔はいつもの姿形で、立っていた。
つまり、少年の姿である。
「まだ7月だからな。これから夏へ向かうんだろうさ」
「ふむ、北半球だからな」
私が言いつつ、必要なものを詰めたバッグを持ち、外へと出る。
すると、誰かが待っていてくれていた。
「枢機卿猊下、お待ち申しておりました」
流暢なラテン語が聞こえる。
「神の恩寵を……」
私は十字を切り、その人へと挨拶をする。
「貴方は……」
「申し遅れました。日本で猊下のご案内をいたします、手野観光の者であります」
名を、水島ヨハネ敬太郎と言うそうだ。




