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2001年組編 3
「しかし、そろそろ事を起こさなければならない時期が来ている」
組長が話す。
「必要なのは、神の依代である」
「処女懐胎は望まずとも、彼らは神の親となるべき者。人類の歴史、いや宇宙の歴史が始まりし時より決められていた運命」
「我らは、それをただ手伝うだけ。我らは、神の下僕。神の真意を測り、神の真意に従うもの……」
机の上には、ワイングラスが置かれている。
中には赤色の液体が入っているが、これは5人の血を混ぜ、そこに抗凝固薬を入れ、水で薄めたものだ。
彼らは、それを飲みかわし、互いの結束を強めている。
そして、これが、2001年組の秘儀中の秘儀となっていた。




