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書物編 2
旅を始めてから、いくつかの手掛かりを得られた。
ライダーズに書かれている馬の話は、実際にいた馬で、それは今から300年前の話だそうだ。
話の流れとしては、とある国の領主が飼っていた馬が、産まれてからレースに出場してそして、優勝するまでを、馬の調教師の目線から描かれている。
それだけの話なのだが、一定のリズムで単語を抜き出していくと、緯度、経度、時間、さらにある名前が現れる。
その名前は、パララクーディオンといい、その家系は、今でも存在しているらしい。
中世の頃からあるという城に、現ラクーディオン家当主、パラ・モノラート・イベンジャワン・ラクーディオンがいた。
「どうも、パラ・M・I・ラクーディオンです。お待ちしておりました」
握手を交わし、俺は彼の城の中に入った。