神父と悪魔編 16
さらに1か月が過ぎた。
厳密に言えば、1か月と3日だ。
すなわち、33日が過ぎたということになろう。
「ふう」
私は、小さく息を吐く。
それは悪魔にも聞こえていたようだ。
「お茶でも入れるか」
「ああ、そうだな」
よっこいせ、と見た目の少年らしからぬ声を出して、悪魔が立ち上がった。
何かしらの成果が得られてもいいのだろうが、それは私の手には何も残っていない。
ようやく、詩編が解読できた、あの時の状況と全く変わりがない。
「そもそも、日が昇る土地とはどこのことだ……」
考えている私であったが、ティーカップを差し出され、考えを止める。
「ほら、熱いから気を付けろよ」
「ああ」
緑茶だった。
「あー……」
もしかして、と思い、私は悪魔に地図を持ってくるように言う。
何か気づいたのかと思ったのか、何も言わずに部屋の隅にあった地図を持ってきてくれる。
「見てみろ。ここだ」
私が今見ているのは、欧州を中心とした地図だ。
今いるのがバチカンなので、当然自国地域を中心に据える。
「日が昇る土地というのは、自国から見て東。ここだ」
私が指差したのは、北緯41.9度をそのまま真東へと持って行ったところにある地点だ。
「我々は、どうやら日本に行かなければならないらしい」
「日本か、あそこは行ったことがねぇからよく分からんな」
そういいながらも、悪魔は海外旅行を楽しみにしているようだ。




