ガムゼッタ教編 14
気が付いたガムゼッタ候は、いつものベッドに眠っていた。
「おはようございます、本日は、いつもよりも遅いお目覚めですね」
侍女の一人が、ガムゼッタ候の世話をしている。
ちょうどカーテンを開け、花瓶の花を入れ替えたところのようだ。
「む、これは何だ」
その時、今まではなかったはずの天使像が目に入る。
「ガムゼッタ候様が、持ってこられたのですよ?」
侍女は、ガムゼッタ候の記憶がない話をし始める。
「昨晩遅く、ガムゼッタ候様がお帰りになられた際、その天使像が光り輝いておりました。ガムゼッタ候様は、『他の者に譲るなかれ』とおっしゃられたきり、意識を失われてしまい……」
「そうだったのか」
ガムゼッタ候は、そういってぼんやりとした記憶の霧を歩いた。
「……そうか、黄泉の天使か」
「何か、おっしゃられましたか」
侍女がゆっくりとターンを描いてガムゼッタ候がいるベッドへと向きを変える。
「いや、なんでもない」
黄泉の天使は、今は眠りについている。
次、目が覚めるのがいつになるのか、それがガムゼッタ候にはわからない。
だが、それはいつの日にか訪れる。
それがはっきりわかっているだけでも、まだましだ。
ガムゼッタ候は、日が高く昇っていく空をベッドから見つつ、そう考えていた。




