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書物編 14
カランカランとカウベルを改良した玄関ベルが、ドアを開けると同時になった。
古めかしいを通り過ぎ、不気味な雰囲気すら漂っている古書店だ。
「こんにちは、誰かいませんか」
俺が店内に話しかけると、奥のほうからがさがさと音がして、誰かが出てきた。
見た目は青年だ、20歳かもう少し下に感じる。
「いらっしゃい、今日はどういったご用件ですか」
「ちょっと調べものを」
「どのような」
にこやかに青年は俺の言葉にこたえてくれる。
「イヴァノコフとスヴァラータについてを」
その言葉とともに、青年は固まった。




