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神父と悪魔編 12
「俺は、ここに長くいるんでな」
アスタロスはそう言って私を見ていた。
特段驚いている様子もない私は、アスタロスにとって興味の中心ではないようで、すぐに目線は逸らされる。
「それで、お前はどうしてこんな奴と一緒に?」
サタナキアにアスタロスは尋ねている。
「まあ、いろいろあって。な」
「ふーん……」
そう言いながら、私をアスタロスを見直している。
「大変だな」
「おい、どういうことだよ」
笑いつつも、再び私に話しかける。
「そうだ紅いの」
「なんだ」
帰ろうとした私にアスタロスが言う。
「前来たやつに伝えてくれないか。暇で暇で仕方ないって」
「……分かった。伝えておこう」
いくぞ、とサタナキアに伝え、不承不承ながらについてきた悪魔とともに、私はこの部屋から出た。




