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ガムゼッタ教編 10
部屋のドアは、一人でに閉まった。
「誰かおらぬのか!」
声は、かぁ、かぁ、かぁ……と響いていく。
だが、それに変死をする人は、全く現れなかった。
一方で、部屋は不自然なほどに影がない。
どこからでも光が入ってきて、それどころか壁や床自体が光っているかのような感覚だ。
もはや、そうとしか考えられなかった。
部屋を一歩歩くと、突如、床の一部がせり上がってきた。
そして、声が聞こえてくる。
「神は一人。至高の神。
人は弱い、虚弱の民。
天使は人と神の中間に位置する。強体の使い。
死をくくる人は一人に在らず。ならば何人?」
なぞなぞのようなものだろうと、ガムゼッタ候は理解した。
だが、意味は全く持って分からない。




