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ガムゼッタ教編 9
黄泉の天使と呼ばれる存在は、世界に3体いることがわかった。
そのうちの1つはすぐそばにあるようなので、まずはそこから行くことにした。
「ふむ……」
ガムゼッタ候は、黄泉の天使があると書かれている場所に来たが、そこは、何の変哲もない倉庫だった。
「何もないではないか。どういうことなのだろうか。解読に失敗したか……」
あるいは、とガムゼッタ候は独り言を続ける。
誰にも聞こえていないはずだったが、誰かが聞いていたのかもしれない。
倉庫の壁の一部がガタガタと喧しい音を立てながら開いた。
「……ほう」
招かれたガムゼッタ候は、その開いた扉のところにためらいなく入っていった。




