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書物編 8
電車が何号線に入ってきたかと言うのを放送で聞き、俺は立ち上がった。
そして、待っていた電車が入線してくるのを確認して、乗車位置に向かう。
すでに何人かは、電車を待っているようで、大きな荷物や子供を連れて立っていた。
そして、俺は放送に聞き耳立てた。
「ただいま入線した電車は、ログダンド、イヴァノコフ、エテルランド経由、シグノスフチャ行き、A号寝台列車です。乗車には予約券が必要です」
俺は買っておいた予約券を手に持ち、完全に止まった電車から降りてきた車掌に見せる。
「どうぞ。2-01号室です」
安い部屋だったせいだろうか、機動車のすぐそばの部屋に案内された。
荷物をその部屋において、ぐるりと見回してみる。
椅子とベッドを兼ねている壁に据え置きのが1つ、机が1つ、トイレも一応ついている。
六号車が食堂車としてけん引されているため、食事については問題はない。
風呂はないが、あまり入らないからそれについても問題はない。




