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神父と悪魔編 7
突然のことに、私は言葉を発することはおろか、呼吸をすることさえ忘れてしまった。
「……わたくしを、ですか」
「ええ、あなたを。です」
熾天使は、私に話を続ける。
「神の計画に従うため、法皇も、すぐに勅許を出すでしょう」
「俺はどうするんだ」
悪魔が熾天使に聞く。
「まさか、俺も枢機卿にするってことはないだろ」
「ええ、貴方は悪魔です。故に、神は貴方を気にはしない。そういうことです」
それが、最後の言葉だ。
熾天使は、それで私の前からいなくなった。
翌日、私は法皇庁より、枢機卿にする内容の書簡が届いた。




