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ガムゼッタ教編 7
黄泉の天使は、全部で300ページある文庫本だ。
この本によれば、この世界は3つの場所、天上世界、地上世界、黄泉世界に分かれているらしい。
それぞれに統括するための大天使がおり、彼らは天上世界におられる神に従っている。
特に、なにも暗号らしいものはないが、それがわかってしまえば、暗号ではない。
そうガムゼッタ侯は考えた。
ゆえに、自らの手によって、また神の手によって、それらを解き明かしていくことに決めたのだ。
それから数ヶ月。
年もはや変わろうとしているころ、ようやくガムゼッタ候は答えにたどり着いた。
「……なるほど、そういうことであったか」
「おや、いかがなさいましたか」
ちょうどそのときに部屋へと入ってきた信徒代表の一人が、ガムゼッタ候に尋ねた。




