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書物編 1
世界には5つの封印された書物、「封書」がある。
俺は、それを探している。
ライダーズ、公暁書、ガラッシェ、キラーパラル、図柄標本の5つだ。
それぞれの頭文字を取って、落書き図ともいわれている。
これが知られているのは、ごくごくわずかの人だけだ。
秘密結社も、これを探している。
なにせ、これら5つの書物が一つに揃い、必要な時、必要な場所に、必要な人員が集まった時、神を招喚することができるという話だ。
俺がその話を聞いた時には、本当かどうか分からなかった。
ただ、そのうちの一冊、ライダーズを手に取ることができたことから、俺はそれが真実だと知ることができた。
馬の話しが延々と記されているだけの本だ。
だが、一定の法則で単語をつなげると、それは一つの別の物語となる。
その全てを知らなければ、神を呼ぶことはできないのだろう。
俺はそのことを悟ってから、残りの封書を探す旅を始めた。
いつ終わるか分からない、長い旅の始まりだ。