久しぶりの学校編 1話 初登校
ピピピピ、ピピピピ…
けたたましく目覚まし時計の音が部屋に響く。
「…ん、うるさい…」
眠たい目をこすりながらベッドから体を起こし、目覚ましを止める。
目覚ましを止めた後、だるい体を起こしながらカーテンを開けて一緒に窓を開ける。
眩しい光と少し肌寒い小さな風が体に触れる。そしてそれらは俺に、朝なのだということを教えてくれた。窓を閉じて部屋から出て、一階に降りる。コツコツと、階段を降りる音が家中に木霊する。
高校に入るときに一人暮らしを始めて約二年になった。最初の頃は色々と困難が生じることもあったが、今となっては苦労なく一人スローライフを満喫している。
ただ今日に限ってはスローになってはいられない。
ーーー今日は二年ぶりの学校なのだから。
~◇~◇~◇~
着なれない制服に袖を通し、学校に向けて歩き始める。
高校自体は県内屈指の進学校に入ったのだが、結局学校に行くことはなかった。理由は…いや、考えるだけでも吐き気がする。
それでも両親は、俺に対して特に何も言わなかった。俺の過去をすべて知っているから。
正直今、全くと言っていいほど学校に行きたくない。
二年という期間は長いのだ。今更学校に行ったからって皆と馴染めるわけがない。
じゃあなぜ学校に行こうと思ったのか。それはーーー
「よっ、司。ちゃんと来てくれたんだな」
急に肩を叩かれ振り返れば、よく見た数少ない親友の顔が目に入った。
穏やかな雰囲気を纏っていながら顔はなかなかイケているこの男。彼こそが、俺を学校に行くように説得した張本人、坂口 彰だ。
そして司と呼ばれた俺(赤澤 司)は、さりげなく肩を組んできた彰の手をどかす。正直親友であれど、ボディタッチは慣れない。
「お前が来いってうるさいからな。・・・前に行った通り、俺が気に食わなかったらすぐ学校行くのをやめるからな。」
先にきっぱりと改めて彰に伝えておく。
「はーぁ、ほんとはもっと学校に来てほしんだけどな。お前は昔からそこら辺頑固だよなー」
溜息をつきながらも肩を組む手をやめない。絶対悪気なくやってるだろお前。
「うるせえ。・・・あと肩組もうとすんなし。」
「親友だったら肩組むのがふつうじゃないのか?」
「どんな普通を持ってんだよ・・・」
そんな世間話をしながら歩いていると、大きな校門と共に、どこかでいろいろな圧を感じるような校舎が見えてきた。
「何気に学生になってから初めて来たなここ」
「そっか、司にとっては受験ぶりか。」
彰の言葉に首を縦に振りながら、校門をくぐる。
なぜだろう、校門をくぐっただけなのに緊張してきた。足は小さくぷるぷると震え、手はかじかんでいるかのように震えている。周りの人からは、まるで俺の所だけ地震が起きているかのように見えるだろう。
その不安を微かながら感じ取ったのか、彰は俺の肩に手を置く。
「大丈夫だ。俺がついてるから。」
「・・・うん。わかって、る。」
なぜだろう、昔はこんなことならなかったのに。
この二年が俺を変えてしまったのか。いつの間にか、人が怖いと感じてしまっている。
今はただ、彰の優しさに身を委ねて学校に入るのだった。
むずかしい。
ただただむずかしい。
もしプロセカを知ってる方いればその小説も作っている最中なのでぜひ!!




