表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
reboot;again  作者: 咲月
第1部-ヒトビト
3/3

第1部-第二幕 僕とメロンと窓の外

待て待て待て!!

彼女もできたことのないこの僕が?!で、でーと?ないないないない。

「ほら、行くよ!」

姉を自称するそいつは僕の手を引っ張った。

「ひぇぇぇやめてぇ」

情けなく叫んだ。声は可愛い女の子なのでそこまで耳障りではなかった。というか誰と?状況的には…姉と!?まじかよ…とりあえず素数でも数えて落ち着こう。2,3,5,7,11,13,...なんちゃって。

うわこの姉、案外力つよ!!抵抗しても引きずられる。僕に与えられた選択肢は行くか、行かされるかのどちらかしかないようだ。仕方ない。抵抗しても疲れるだけだ。ついて行こう。

行く間に状況を整理しよう。

僕は7月14日(金)学校の帰り道、異世界転生して美少女でエルフ(?)のツムギ・ヴァル・アルカディアっていう自分と名前が同じ人になってしまった。そしてあとわかってることはこの異世界では日本語が使えて、異世界でよくある人以外の生物も生きてるらしい。とりあえずよかった。公用語が英語とかだったら詰んでた。っていうか転生するって言ったら普通赤ちゃんとかからじゃないの?途中から参戦って聞いたことないぞ。

そしてこの後デート、、、どうしよう。無理矢理にでもやめるべきか?いや、これはある意味自分が成長できるチャンスでは?こんなけいけこんな経験滅多にない。ここは男らしく自分から行こうかな…

「タユン」その時胸にある豊満なメロンが地震を起こした。

そうだ、今僕女なんだ。

そう思うと心は飴細工のように一瞬にして砕け散った。

「や、やっぱ無理ー」

思わずそう叫んでしまった。

「どうしたの?ツムギ?」

「本当大丈夫?」

「具合でも悪いの?」

すげえ心配してくれる。そりゃそうか。たった一人の家族だもんね。…ん?なんだ?何かがおかしい。そうだ。知るはずがないのになぜこの人の家族が一人しかいないことがわかった?頭を抱えながら考えた。

「一回帰る?」

「それともお医者様?」

と姉が慌てているが彼、ツムギにはそれよりも何故そのような事を知っている、いや、’’記憶’’しているのかの方がよっぽど大事なことだった。

そう思考した上、結論に辿り着いた。

まさか、’’ツムギ’’の記憶か?

途中から転生したせいでこの人の''記憶"が混じり込んでいるとしたら?全ての辻褄はあう…

ツムギは恐怖した。流れ込んでくる"記憶"によって心が飲み込まれそうになる。自分が自分でなくなるみたいでとても怖かった。このツムギ・ヴァル・アルカディアの約20年間が一気に流れ込んできた。食欲、睡眠欲、性欲などの欲から、喜び、悲しみ、憤怒、怠惰、ありとあらゆるものが流れ込んできた。

気持ち…悪い

彼女はその場で倒れてしまった。


目が覚めると知らない天井があった。真っ白で綺麗な大理石のような質感だ。周りを見渡すとベットが一つあるだけなのにすごく広い部屋。その広いベットに寝ているのは自分自身だ。さっきまであった胸の違和感も、いつのまにか消えていた。

「起きたの?」

聞き覚えのある声。姉だ。

「せっかくのデートが台無しじゃない?」

「ごめんね?お姉ちゃん。」

「今日は一日、ゆっくりしていなさい。」

無鉄砲だが愛のある言葉だと理解した。

僕は腕を頭の後ろで組みながら窓の外を見た。


ーはぁ?!

あれは…まさか!

教科書で見たことがある。あれは紛れもない…

ノートルダム大聖堂!?

何故だ?ここは異世界のはずじゃ?

ふと隣にあるカレンダーが目に入る。

1367…

まさからここが「過去」であるなんていうのか?

信じがたいことだ。何故なら現在に獣人などの亜人族はいない、というよりもそんなのがいたなんていう記録もないからだ。

しかしここまで状況証拠が揃っていては認めざるおえまい。僕は異世界ではなく、1367年のヨーロッパに転生してしまったらしい。日が傾き出していることに気づいて少し焦った。何故焦ったのかはよくわからない。

どうするべきか…姉に全て話すか?転生モノとしてNGな気がするが、やってみる価値はありそうだな。

そう思い、ベットを出て姉の部屋に向かった。こいつの記憶のお陰で姉の部屋の場所は余裕で分かった。

バン!

勢いよくドアを開けた。

「ここって1367年のヨーロッパだよね?」

といきなり言った。

姉は状況を理解できてないのかポカンとしている。

「そうだよね?」

追い討ちをかけた。

「そうだけど…」

「ならよかった。助けてほしい。」

「僕は、未来から…」

そう言おうとした途端、

「それは…ダメだよ」

そう何者かに囁かれると、視界が真っ暗になった。

その後、空気が一瞬で消えたみたいに息ができなくなった。

は?なんでっ?

ー苦しい、苦しい助けてだずげでなんで‼︎ぐるじぃ

そんな声が届くはずもなく彼、いや彼女は酸欠で死んでしまった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ