第1章−第一幕 僕と後輩と知らない姉
ーまずい
体育館倉庫の鍵を無くした。どうしよう、どうしよう。絶対、先生に殺される。幸いまだこれを知ってるのは自分だけだ。なんとなければ…
あぁ。自己紹介を忘れていたね。
僕の名前は椎名紬みんなからはツムギやツムツム、椎名くんなどと呼ばれている。
身長175センチ、体重70キロの中学3年生の受験生だ。部活は柔道部で、、、って、そんなことよりもまずいことになった。早く鍵を見つけなければ、、、、
せんぱーい!
「わぁ!」後ろから勢いよくどつかれた。
「げ、」「めんどくさいのがきた」
「めんどくさいとはなんだよ」
心の声が漏れていたようだ。
あぁそうそう、こいつは同じ柔道部の後輩、比屋定至。中二にしてうちの柔道部のエースだ。って、そんなこと言ってる場合じゃない。
「どうしたんですか先輩?」
「それが、、、」
〜説明後〜
「えぇ!!鍵無くしたんですか?」
「残念ながら」
「ほんっっっといつもドジりますね。先輩は」
「ポッケは探したんですか?」
「そんな初歩的なところ最初に確認した、あ、、」 「まさか、、、!!」
「ポッケに、入ってた」
「流石に殺しますよー?セ・ン・パ・イ??」
「ごめんて!帰りアイス奢ってやっからその釣り手を離してもらえないでしょうか笑?」
「、、、ハーネン・ナッツですよ?」
「ほんっと可愛い奴だな」
「黙っといてください。」
〜帰り道〜
「ほらー買ってきたぞー」
「なんでストロベリーなんですか!!」
「えぇ?!」
「ハーネン・ナッツはクッキー&クリームでしょう!!」
「そうなの?!」
「そうです!!常識でしょ」
はじめて知った。覚えておこう。
「まぁ、いいです。」
「そうか」
クラッ
「あれ?」
なんか、、、頭が、
バタン
「−んぱい!ーぱい!!ーい!!」
やばい、意識が、、、
ん?眩しい。
ぱっと目を開くとそこには人のような動物、、、?や普通の人間もいる。とにかくたくさん、人がいる。それに、中世的な街並み。まさか、、、異世界召喚ってやつか?とりあえず街を散策してみよう。歩き出した途端、違和感が全身を駆け巡った。いつもなら擦れるところに’’ブツ’’がない、その代わりに胸に違和感、、、ふと横を向くとガラスに反射した自分の姿が目に入った。これは異世界召喚じゃぁない。
「異世界転生じゃあーーーーー」
なんとそこにはアニメに出てくるのではないかと思うほどの絶世の美女がいた。
僕は咄嗟に股間に手を当てた。
まさか、、、そんなこと、、
ジュニアよ、、、15年間ありがとう。君のことは忘れないよ、、、(泣)
ないものは仕方ない。仕方ない。仕方ないのだ。
とりあえず状況を整理しよう。今僕は異世界に転生した。信じがたいがそういうことになる。異世界転生モノを見ていた影響で一応状況を受け入れられた。
何より、僕の平凡すぎる人生からこんな美女の人生にシフトチェンジできたことは不幸中の幸いと言えるのだろう。
年齢は、、19〜20歳といったところか。あ、耳が尖ってる。エルフか。
ガラスに反射した自分を見ながらぶつぶつ呟いた。
持ち物は?お金、っぽいやつ、、だけかよ!!
まぁいいさ。なぜなら、、、異世界転生でのお約束。チート能力があるはずだぁ!大抵の場合、ヒロインが逃げてきて、、、って今僕は女の子だからGLになってしまう、、、。悩ましいなぁ。
僕は純愛モノがいいなぁ。
「ねぇ?」
「ねぇってば!」
ん?僕に言ってるのか?
「どうしたの?ツムギ?大丈夫?」
「あぁ、いや、別に、、、、」
「ん?」
おかしい。何故こいつは僕の名前を知ってるのだ。
「な、なんで僕の名前知ってるの?」
「知ってるに決まってるじゃん。」
「お前はツムギ・ヴァル・アルカディア。
アルカディア家の三女。かくいう私の妹。」
「えっと、、あなたは?」
咄嗟に言葉が出てしまった。僕の悪い癖だ。
「はぁ?ほんと大丈夫?私はヘブンズ。ヘブンズ・ヴァル・アルカディア。あなたの姉よ?」
「それより、早く行くよ!」
「はへぇ?!」
「今から合コンだって言ったわよね?」
ん?合コン?
「はぁ?!!!」
天高く僕の、いや、この人、ツムギ・ヴァル・アルカディアの声が響いた。




