あきかぜ
掲載日:2025/11/30
秋風が吹く散歩道に
お似合いの二人
彼は少し恥ずかしそうに
両手をポケットに突っ込みながら
少し早歩きだ
そんな彼に歩幅を合わせて
曲がる事のない直線を描いていく
そんな何気ないシーンが
僕は微笑ましく思った
黒い服を着て悲しむ人達もいる
青空が涙色に染まってゆく
吹いてきた秋風に誘われて
街路樹の銀杏の葉が美しくも残酷に去ってゆく
咄嗟に彼はポッケから右手を出して
簡単に拐われないように
いつか来る別れを惜しむように
大切な冷えた手を強く握った
秋風が吹く帰り道に




