表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/20

第3話 邪眼修行

 この前5歳になった。

 家族は誕生日会を開いてくれて、とても暖かい空間にいられた気がした。

 5歳になってから、邪教スキルレベルが100になった。


 父さんと母さんのエレメンタル属性まで見られるようになった。

 父さんの色は燃えるような炎で炎属性だ。

 母さんの色は冷たい水のような水属性だ。


 きっと炎と水で対局だから巡り合ったのかもしれないと思った。

 2人はいつまでもいつまでも笑ってくれる。

 そんな温かい家族でいられるのはいつまでだろうかと思ったものだ。


【申告 邪教スキルが派生し【邪眼】スキルを習得しました】

【申告 【邪眼】スキルレベル1は物を操作する事が出来ます】


「へぇすごいな」


 5歳から俺は剣術も魔法も学びたかった。

 だけど7歳まで勉強も修行も禁止されてしまったわけだ。

 理由は体が作られる前にやってしまうと体がぼろぼろになってしまうそうで。

 それはこの世界のルールらしきものらしい。


 取り合えず毎日邪眼スキルレベルを上げる事にしたのだが。

 これが凄く面白かった。


 誰もいない部屋の中で、玩具の置物を浮遊させようとするのだが。

 微動する事しかしない。


 ひたすら動かそうと必死こいてやるのだが。

 全然微動だにしない。


【申告 邪眼レベルが2になりました】


「お、1センチメートル動くようになった」


 毎日やった。 

 雨の日も雷が降っている日も、父さんが冒険者の仕事でいなくなっていても。

 この世界では冒険者稼業というものが存在する。

 それもそうだろう、ここは異世界ファンタジーなのだから。


 父さんは最高な魔剣士であり。

 パーティーリーダーをしている訳だ。

 名前を【漆黒の旅団】という名前らしい。

 中二病臭くて反応に困ってしまったが。


 まぁ自分が光が見えますって発言も中二病に近いと言えば近いのかもしれない。


【申告 邪眼レベルが3になりました】

【申告 邪眼レベルが4になりました】


「お、1メートル動かせるようになってきたな」


【申告 邪眼レベルが10になりました】

【申告 邪眼レベルが15になりました】

【申告 邪眼レベルが20になりました】


「ぜいぜい、もう上がらんぞ」


 そんなこんなしていると7歳になった訳なのだが。

 ちなみに7歳になるまで庭から出た事がない。

 街も外も危険だと言われていて、子供は外で遊べと言われた記憶が懐かしい。

 それも日本にいた時の記憶なのだが。


「さてと」


 父さんであるゼフダスが腕組みして立っている。

 隣には母さんのセネレスがにこりと微笑んでいる。


「お前は剣術と魔法を学ぶ事が出来る、魔法は母さんが得意で、俺は魔剣術を学ばせる事が出来る。が、お前は剣と魔法両方を学びたいだろ? な、なな、なななな」


「まぁ、剣と魔法を学びたいですが、母さんのエンチャンターのスキルも学びたいですが」


「エンチャンター?」


「あれ、母さんエンチャンター属性ですよ」


「は、はええええええ」


 母さんは素っ頓狂な声を上げていた。


「じゃあ、母さんはエンチャンター属性なのに魔法使いの攻撃魔法を頑張っていたと」


「そうなのですか? 母さん」


「い、いや、それは違うんだけど、まず魔法が得意だったのと、でも攻撃魔法は下手だけどがんばってたんだけどね」


「それなら母さんは今からエンチャンターになるべきですよ」


「出来るかな」


「もちろんです、母さんは凄いんですから」


「そうかなー」


「って本末転倒じゃないか、今はルボロスの話をしている訳でだな」


 父さんが狼狽していると。


「母さんのエンチャントスキル、俺も学びたいです。ですから一緒に学びましょう。そして父さんから魔剣術を学びたいです」


 かくして俺は父さんのゼフダスから魔剣術を学ぶ事になり、母さんと一緒にエンチャンターを学ぶ事になった。

 

 修行はとても激しいものとなるはずであったのだが。

 意外とすんなりと10歳まで修行が続いた。


★ 修行


 10歳になってくると、エンチャントスキルを網羅していた。

 ちなみに母親はエンチャントスキルをマスターしてしまい。

 今では父さんと一緒に冒険者稼業に戻っている。


 一人ぼっちでいる期間が増えたせいで、俺は森に遊びに行く機会が増えている。


「お前ならゴブリンの1体やそこらくらいなら倒せるだろうから大丈夫だろう」


 意外と父さんのゼフダスは放任主義というかなんというか。


 魔剣士の修行は果てしなく道が長い。

 まず体の基礎作りをしないといけない訳だが。

 腕立て伏せ、腹筋、走り込み、スクワットと言ったことを繰り返し。

 さらにジョギングを繰り返し。

 ジョギングをする時は村の通り道を通るようにしている。


 すると色々な景色が見れて楽しいし。

 最近ではチャカルールというドワーフ少女と仲良くなったりしている。

 彼女は生粋の鍛冶師属性だった訳で。

 それを教えてあげるととても喜んでくれた。


 村長のデセフも村長属性な訳で。

 この世界の人々は自分の属性と合った職業についている事が多い。

 母さんのようにエンチャンター属性なのに攻撃魔法特化の魔法使いを頑張っている人もいる。


 そういう人達に道を示してあげたら何か良い事があるかもしれない。

 

 体も逞しくなってきた。

 とはいえまだ10歳の体なのだが。

 友達はチャカルールだけだ。


 いつも通り森の中をジョギングしていると。

 1人の女性が歩いていた。

 それも巨大すぎるマントを優雅には着用しながら。

 足は巨大すぎる長靴を着用して。

 頭には巨大すぎる帽子を被って。

 深紅に染まっている赤い髪の毛。

 

 彼女の属性は魔王属性。


 ありえるのだろうか?

 彼女はこちらを見て、精神に異常をきたしてしまったような眼でぎょろりと見て。


「ふん、ただのガキか」


 そう言ってすれ違っていった。


 なんだったのだろうか、魔王属性?

 魔王そのものがいたのだろうか?

 不思議に感じながら、ただひたすらジョギングを繰り返していたら。


 家に帰宅した。

 すると父さんと母さんが蒼白になっており、チャカルールが怯えた眼差しでこちらを見ていた。

 俺はちょっと遠回りしながら家に帰宅した訳だが、なぜチャカルールがいるのか謎であった。

 

「先程近くの村が滅びた」


「はい?」


「魔王が襲撃したそうで、その魔王の名前はボスボスという名前でな、腹立ったから滅ぼしたそうだ。住民は全員生きている。ボスボスは村を破壊するのが趣味だ」


「それでなんでチャカルールがいるんですか?」


「ボスボスはチャカルールの両親を殺した」


「なぜですか? 先程、住民は無事だと」


「住民は無事だ。チャカルールの両親は元魔王軍の鍛冶屋で魔王から逃げてきただから殺された」


「意味が分からないんですがあの人達はいつも笑ってお菓子をくれましたよ?」


「だが魔王は許さない、裏切った者を心から許さない、俺達は冒険者で勇者一行ではないが、魔王には逆らえない」


「どういう事ですか? それでチャカルールの両親が殺されたのはただ黙っていればいいんですか?」


「そうは言っていない」


「なら俺がその魔王をぶち殺してやる」


「それが出来ないからこうして悩んでいるのだ。ボスボスはいつも気まぐれに暴れている。そうして国を何度も滅ぼしている。勇者一行はまだ現れない」


「ですか、そうですか、そうですよね」


「どうした。お前はまだ10歳だ何かが出来る年齢ではないだろう」


「でもチャカルールは初めて出来た友達なんです」


 チャカルール。

 日本で生きてきたとき誰一人友達にならなかった。

 皆、俺を面白おかしく笑ったものだ。

 確かに彼女はいたが、退院してしまえば、はい、さよならだったし。


 本当に彼女と言えたのだろうか?


 不思議だ。

 

 きっと病院にいる時だけ寂しいからと、恋愛ごっこをしていたのだろう。


 チャカルールは怯え切っており涙を流している。

 こんな可愛らしいドワーフ幼女を苦しませるとは許すまじ。


「まて、ルボロス!」


 俺は扉を蹴破って外に出た。

 暗闇に包まれながら走った。

 村に向かって走った。

 そうして廃墟となり、村人が一生懸命復興作業をしている姿にぶち当たったわけだ。


 それを見ていると何も言えなくて、そのまま森に入って村の離れにある家に帰ろうとして。


 ゴブリンと出会った。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ