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第2話 邪教レベル50

 現在俺の邪教レベルは50になっている訳で。

 後3歳になりました。

 なんとか喋られるようになってきたが、どうやらこの世界では日本語として話すと翻訳されているようで、あちらの言葉も異世界語だけど、こちらが聞くと日本語に翻訳されるらしい。


【申告 【翻訳】スキルを習得していますので全てを翻訳してしまいます】


「それは便利なスキルだよなー」


 もちろん誰もいない所で話をしている。

 さすがに母親の眼の前で独り言を言うと、日本でもそうだったが心配されてしまうだろう。


【申告 【邪教】レベル50ですが色々と機能がありますが説明を受けますか?】


「ああ頼むよ」


 3歳児とは思えない口調ぶりに、俺ながらに笑ってしまう。

 見た目は3歳、だけど中身は40歳のおっさんです。


【申告 【邪教】スキルでは相手の属性を見破る事が出来ます。その人が何に向いているかです。現在レベル50では職業属性を見破る事が可能となっております、レベルが上がり続けると、エレメンタル属性つまり炎などを見破ったりする事が出来ます】


「へぇ、どうりで父親が魔剣士属性と表記されている訳だな、母親は確かエンチャンター属性だった気がするな」


「おい、セネレス、いるかー」


「あ、父さんどうしましたか」


「母さんはいるか?」


「母さんなら先程、村に買い物に行きましたよー」


「そうか、ルボロスよ、魔剣士として力を極めてみないか」


「今は無理ですよー」


「それにしても3歳にしては流暢にしゃべるよなお前」


「普通ですよー」


「確か1歳半でしゃべってた気がするが、まぁお前賢いんだろうな俺と違って」


「そうですかねー」


 ルボロス・フィールドは黒髪の3歳児であり、父親は金髪の長髪でいかしたイケメンボイスのお兄さんという姿だ。いつも整った黒と茶色の衣服を愛用している。

 

 母親は黒髪ロングヘアーの女性で、魔法使いという女性にふさわしく少しなよっとしている。

 まぁエンチャンター属性なのだが。

 本人はエンチャンターだとは気づいておらず一生懸命攻撃魔法を使っているのは謎だが。


「じゃあ、飯まで俺の武勇伝でも聞いてるか?」


「はい、聞いておきます」


 そうして俺は夜まで父親の武勇伝を聞く羽目になったのであった。


★ 母帰宅


 母親のセネレスが帰宅すると、父親のゼフダスは気まずそうに立ち上がる。

 毎回セネレスと会う度にキスをしているので子供としては恥ずかしくなるのだろうが。

 俺はがん見していたわけだ。


「さてと、今日は牛乳のシチューにしますからねー」


「母さん、今日父さんの浮気の武勇伝を聞いていました」


「後で殺すからねー」


「や、やめてくれえええ、それ以前に浮気の話はしてないでしょうが、ルボロス」


「そうでもありませんよ? 話の節々に感じる女性の出現には驚かされたものです」


「まず一言も女性の名前ではなくすべて男性だからああああああ」


「へぇ、父さんは男性趣味で」


「違うううううう」


 ゼフダスの悲鳴が上がる中、母さんは笑っていた。


「あ、そういえば、俺、光が見えるんです」


 なんとなく、実験してみたかったんだ。

 転生する前にそれを発言して父親と母親は狂った。

 そして俺の人生も狂った。


「それは素晴らしい事よルボロス、その光は力となってくれるわ」


「へぇ、光が見えるのか、それはきっと属性だな、100万人に1人くらいだってさ、俺達の息子はとんでもないなぁ」


「なんで」


 言葉に詰まってしまった。

 なんでそんなに喜んでくれるんだ。

 可笑しい。皆俺を変な目で見て病院に幽閉して実験材料にしたじゃないか。

 なんでそんなに喜んでくれるんだ。

 俺は最高に。


「はい!」


 と叫んでいた。

 俺はこの家に生まれてよかったのかもしれない。

 実験材料に使われて死んだ。

 死後もまた同じことの繰り返しなのだと思っていた。

 だけど今回の人生では別な人生を歩めそうで嬉しかった。

 


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