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第14話 チャカルールの鍛冶場②

 俺とチャカルールはドワーフ族のリガストが、最後の仕上げとばかりに金槌を振り上げている姿を見ていた。

 灰色の煙が巻き起こり、鉄と合金やら何やらを叩きつけて融合させていき、高熱でも溶けない鍛冶場を製作している。


 リガストの目は真剣に逝ってしまっていたが正しい。

 芸術家とかのレベルではなく、もはや何かの快楽に目覚めてしまっている。

 眼が大きく開き、瞳孔も開き、鼻息荒く。

 興奮しているのか狂っているのか訳わからず。

 というか何も食ってないから可笑しくなっているのではないかと疑わざる負えず。


 最後に渾身の一撃を鍛冶場に叩きつけると、地震のように建物が揺れていた気がした。


 そしてリガストは仰向けにぶっ倒れた。

 汗が顔中を覆い、髭のあちこちには汗の水滴が散りばめられている。


「み、みずううううう」


 リガストがそう叫んだのであった。

 チャカルールは事前に分厚い陶器のコップに水を注ぎこんでいた。

 リガストは無我夢中に水を飲み込むと、逝ってしまっていた目が現実に巻き戻されていった。

 立ち上がった彼はこちらとチャカルールを交互に見て、今現在自分が置かれている状況を察したらしく。


「チャカルールよ完成したぞ、ここがお前の鍛冶場だ。なんでも作れるぞ、お前の両親のように魔道具だって作れる。お前には魔道具を作る才能がある。アイテムボックスだって、作れちまう。わしには無理じゃがな、あの手のはお前の一族しか作れんからなぁ」


「はい、そうです」


「だからとは言わんが、魔王ボスボスには気を付ける事だ。あいつは欲しい者は何でも手に入れようとする、手に入らない物は殺す、それがあいつだ」


「はい」


「間違っても殺そうとは思うな、あいつは伝説に匹敵する。神ファーストと匹敵すると言ってもいい、最近出来た伝説が魔王ボスボスだとしたら、弱いのはファーストかもしれん」


「はい」


「だから、ルボロスよお前はチャカルールを守るんだな」


「いきなり俺にふるのかよ」


「まぁ、わしは疲れたから少し休憩させてもらおうかね、じゃあな」


 そう言って、リガストのドワーフ爺はその場から立ち去った。

 というよりかは、数日ぶりの食事にありつけたみたいだ。

 予定より早い完成は、それだけリガストが本気で働いたという事を意味しているのだろう。


「私、ルーロスの為にアイテムボックスをまず作ってみるよ」


「良いのか?」


「もちろんよ、邪教の村発展の為にも必用でしょ」


「そうだな」


 その日、チャカルールは邪教の村には来なかった。

 アイテムボックスを作る為に製造を開始した。

 素材はどうやって集めるのかは知らないけど、何かしら方法があるのだろう。

 彼女はいつもバッグを持っている。

 今思えばあれはアイテムボックス系等だったのではと思ったりもした。



 邪教の村の門が見えてきた。

 そこには門番のように魔獣ゴルフォードが座っていた。


「やぁ」


「ルボロス教祖よ、今日はチャカルールは来ないのか?」

「彼女は少し真剣にモノづくりを始めたんだよ」


「そうか、それはいい事だ」

「所で、怪我の方は良いのか」


「デルファルドのおかげで大分よくなった。先程デルファルドが目を覚ましたぞ」

「それはいいな、ちと会って来るかな」


 向かった先は村長宅のような所。

 中ではブラックスライムのデルファルドがダンジョンコアをのぞき込んでいた。


「よく来たな、少し気になる事があってな」


「なんだ?」


「森の様子が少しおかしい、とは言っても隣の森なのだがな」


「どういう事?」


「モンスターの数が異常だ。ダンジョンコアのマップで見られないかと思ったが、どうやらお前にしか見れないみたいだ。それに見れたとしてもここら辺の森限定だろうしな、スタンピートが起きてるかもしれない。それかダンジョンから溢れかえっているのだろう」


「それって不味いのか?」


「ああ、不味い、近くの村やら国が大変な事になる。ダンジョンレベルにもよるが、問題は普通のスタンピートの場合でも不味い事になる」


「ダンジョンが溢れかえってるのと普通のスタンピートの違いは?」


「ダンジョンから出現するか、繁殖して増え続けるかの違いだ」


「なるほどな」


「場所的に、魔王ボスボスが滅ぼした村は確実に襲われるぞ」


「それは困るな」


「そしてお前の実家もだ」


「そうか」


「何か手を打った方がいいだろう、だがおいらが見た限り、残り1週間と言ったところだな」


「こちらの準備を揃えて迎え撃つか」


「まずは、今日の分のモンスターガチャをしようと思うんだが、集めた石材を材料として使ってみようと思う」


「となるとゴーレム系が出そうだな」


「それは言えてるな」


 面白い事が判明した。

 石材収集場の堆積場に入れて置いた石材はダンジョンコアに転送する事が出来る。

 なのでいちいち持ってくる必用がないという最高な結論に達した。


 全ての石材を投下すると。


 90%の確率でレアなモンスターがガチャとして排出される事に。


 いつも通り光り輝いて、後から輪郭がはっきりしてくる。 

 現れたモンスターを見て鑑定を発動させる。


【ギガントゴーレム族 クラッシャーズ1号】


 丸かった。

 球体のゴーレムであり、浮遊していた。

 さらに形を変形させて人型となった。

 さらには飛行機のような形になって飛ぶ事も出来るみたいだ。


「クラッシャーズ1号着任しました。主様に従わせていただきます。戦闘命令を下してください」


「今は戦闘する必要がない、なので、石材収集や木材収取を手伝ってくれ」


「御意でございます」


 次に、建造物を1軒建造した。

 もちろん集めた木々を材料として使用して木材収集場を設置した。

 俺とデルファルドさんで木材収集場を見た。

 やはり木々が設置されており、伐採しても伐採しても次から次へと生えてくるようだ。


 堆積場もどうやらダンジョンコアと繋がっているのでいちいちダンジョンコアの方に持って行かなくても良さそう。


 その時骸骨剣士のライジュウさんがやってきた。


「ちと、面倒な事になった」


「どうしました」


「少し散歩がてらバルファルド王国を見に行っていた。魔法で人間に変装していてんだがな」


「そんな事も出来るんですね」


「セカンドという神を舐めんで欲しいな」


「それは失礼しました」


「戦争が始まりそうだ。バルファルド王国とクルセルス帝国が戦争を始める。その狭間には森があって、デルファルドが調べた結果そこでスタンピートが起ころうとしている。だが両国ともそれを知らん、戦争が始まって大変な事になるやもしれんのう」


 ライジュウさんは少し困り顔になっていた。

 困り顔と言っても骸骨の顔だからよく分からないのだが、そんな雰囲気だった。


「期限はどのくらいです?」


「ざっと1週間じゃな」


「そうですか、どうやら待っている暇はなさそうですね」


 俺はまだ10歳、まだまだ魔剣士としての力もなくエンチャンターとしての力も微妙、そもそも自分自身が何属性タイプの職業なのか、何エレメンタル属性なのかも知らない。


 自分の光を見るという力は自分には適応されないのだ。

 何か方法を見つけ出す必要があるだろう、自分の適任の力とやらを、鍵は邪教系だろうけど。


 邪神の力も関係していそうだし。

 頭が痛くなりそうだけど、取り合えず邪眼スキルを利用して後、神目スキルも利用して、後仲間達を使って戦争とスタンピートを止める必要がある。


 10歳くらいのガキがどこまで通用するか分からないけど、やれる事はやろうと決意する。


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