第13話 トレント族のドレファン
現在、ゴブリン族のブブリンは持ってきたジャガイモ、トウモロコシ、エダマメの種を畑に植え付けている。
面積的に、まだまだ種を植える事が出来る。
5000ポッチで購入した種は畑5つ分くらいの広さに植え付ける事が出来ると思われる。
問題があるとしたら、1日1軒しか建造物を建造できないので、5つの畑を設置するのは5日必要だ。
現在、元神で骸骨剣士のライジュウさんの両手には魔力を使いすぎて、眠り続けているブラックスライムのデルファルドさんがいる。
魔獣ゴルフォードは体の大きさ的に村長みたいな家には入る事が出来ないので、窓の隙間からこちらをのぞき込んでいる。
ちなみに何もしないのは暇だと、ドラゴンヒューマン族のデラゴンはブブリンと共に畑仕事をしている。
その他にもゴブリン達やらオーク達が協力してくれている。
チャカルールと俺はモンスターガチャを引くべく、その素材となるものを集めて吸収させている所だった。
それは枝であった。
大量に鬱蒼と茂る森から枝と葉っぱを集めて、ダンジョンコアに吸収させていた。
出来るだけ多くを与え続けていた。
一度モンスターガチャを引いたおかげなのか、%が表示されるようになった。
「それはレアなのが出る確率ですな。レアなのは名前が存在しているのです。名前がなく名前を付けないといけないのはノーマルという事ですな」
レア度は20%だったが。
もう枝葉を集める気力がないので、これで挑戦する事にした。
2度目もシチュエーションは同じで、違うとしたらまるで木そのものが出現した事だった。
さっそく鑑定を発動させる。
【トレント族 ドレファン】
という名前が表示されていたので、どうやらレアを引き当てたようだ。
「これはぁーご主人様に違いないですなぁ、何をなさいますかぁ? 森結界などは手軽にできますよぉー」
「聞いていいか? その森結界を張ったら外からばれないとかできる? それか限定した人達やモンスターしか入れないように出来る?」
「もちろんでさぁ、勇者や魔王クラスじゃないとこの結界は破壊する事はできないよぉー、まぁ神話級の奴等が出てきたらどうなるかわかりやしないんだねぇー」
「なら、ドレファン」
ドレファンはトレント族。
大樹のようでありながら足は二足歩行。
枝葉は無尽蔵に張り巡らされており。
顔は皺皺だらけだった。
ドレファンは地面を張り巡らした根っこを利用する、一応二足歩行だがそこから根っこが無尽蔵に生え伸びている。
外に出ると。森結界を発動させていた。
空に伸び上がる1本の大樹。
それは四方にまるでドーム型のように張り巡らされる。
枝と葉っぱが空を覆う。
次にはそれらは透明な姿となり、多様の光を遮る事はなかった。
トレント族のドレファンは一本の大樹のように立ち尽くし、それがこの村を守ってくれる結界となるはずだろう。
俺はそう思った。
「次は建造物だけど、畑をまた設置したいんだが」
「ちょっと待ってくれ」
そう発言したのは骸骨剣士のライジュウさんだった。
「まず、畑ばかりを作って食事を確保するのは良いかもしれないが、今後の事を考えると、鉄や石や木材などを集められる施設が必用だ。そういった施設を建てるには確か素材はただの石か木材でいいはずだ。しかも初期施設はさほど量を必要としないはずだ見てくれ」
言われた通りにダンジョンコアに表示される素材の数を見た。
そこには確かに微量の石と微量の木があればよさそうだった。
そのくらいなら1時間くらいで集められるだろうし。
「よし、チャカルール行くぞ」
かくして俺とチャカルールは一心不乱になって、森を子供のように、いや子供なんだが、冒険した。
石を集めて木々を集めては一度邪教の村に戻り、また邪教の村から出て素材を集めて。
そんな事を1時間繰り返していると、あっという間に建設出来る素材が集まった。
「石材系等、木材系等の収集施設を建造した方が良いだろう、今日と明日で設置出来るだろうしな」
「じゃあ、先に石材系等の施設から作るよ」
ちなみにダンジョンコアから建造物を設置する時、ダンジョンコアが周囲のマップを表示させてくれる。どこに設置したいかをタッチするだけで、そこに設置する事が出来る。
ダンジョンコアは小さいので、マップが小さく見えるが拡大出来るのでそこは助かる。
スマートフォンが合ったらこんな感じだったのだろうけど。
俺は精神病棟生活でスマートフォンなんて買ってもらう事も持つ許可ももらえなかった。
そんな過去を思い出してしまったが、今はスマートフォン替わりのダンジョンコアがあると思えば良いのだろうと、自分を慰めたりした。
けど、なんか空しかった。
【石材採石場レベル1】を設置する事に成功した。
どうやらレベルを上げるにはある一定以上使用する必要があるみたいだ。
きっと規模が大きくなったりするのだろうけど、まったく予想がつかない。
「ふぅ、種植えが終わりましたぞルボロス教祖様」
「お疲れ様、ブブリン」
ブブリンは一仕事終えた感じでタオルで汗をぬぐっていた。
他のゴブリンとオーク達もタオルで顔を拭っている。
ちなみにこのタオルは盗賊の遺品だったりする。
「ブブリン、石材採石場を設置したんだけどさ、誰か手配しておいてくれよ」
「おお、それはいいな、そうすれば、石材を大量に集める事が出来るしな」
「明日には木材伐採場でも設置するよ」
「ほほう、そうすると人手が必要だな」
「今の所はゴブリン5人とオーク5人はブブリンが指揮ってよ、もちろんドラゴンヒューマンのデラゴンもね、トレント族のドレファンは結界に集中してもらいたいし、デルファルドさんとライジュウさんは守り神みたいなもんだしね、魔獣ゴルフォードはどうしようか今考えてるんだ」
「ふふん、ここも邪教の村らしくなってきましたなーさてと、働きますかな」
その日、俺とブブリンとチャカルールはひたすら石材採石場で働く事になった。
太陽が沈むまで、堆積場に石を積み上げ続けた。
採石場には巨岩石が無限に出現して。
そこから鉄やら宝石やら石やらありとあらゆるものが出現した。
宝石を売り飛ばせば結構稼げるのだろうけど、こういったものを素材にすれば、よりよいモンスターを製造出来るので売るよりかは素材にしようと、決意するのであった。
地平線の向こうに太陽が沈み始めていく、あまり遅くなると、ゼフダスとセネレスに怒られかねないので、皆に挨拶して、俺とチャカルールは家に帰宅する事にした。
自宅では仁王立ちしてゼフダスが待つ事もなく、一家団欒で椅子に座ってテーブルに並べられる肉と野菜料理を口の中に押し詰めるのであった。
「それにしてもな、魔獣の痕跡が一切なくなったんだよ、一体どうなっちまってんだが、報酬がなくなっちまってさ」
「それは残念だけど、魔獣は危険だから、ゼフダスは命拾いしたのよきっと、私もあまり魔獣とは関わりたくないのよ」
「父さんはきっと魔獣を追い込んだんですね」
「ああ、そうさ、あともう少しで仕留めれそうだったんだぞ」
ゼフダスは不適に笑っていたが、仕留めそこなってくれてありがとうと、心の中で呟いた。
そのおかげで頼もしい信者を手に入れる事が出来たのだから。
「さてと、今日はもう寝ます」
「珍しいな、もう寝るのか?」
「私も寝ます」
「お、2人ともつかれたのね」
俺もチャカルールも石材収集で結構疲れ果てている。
石材収集場では石やらなにやら無限に出現する。
という事は木材採集場では木材が無限に出現するのだろう。
森の資源を枯渇させてしまう事がないのは大助かりではあるにはあるのだが。
「そうだ。リガストが思ったより早く鍛冶場が完成しそうだってんだ。明日見に行ってやってくれ、家の裏口に作ったからよ」
ゼフダスが口から食べ物を飛ばしながらしゃべったが、チャカルールは感動したように感情を爆発させてしまうようだった。
「本当ですか、ゼフダスさん」
「ああ、完成したらチャカルールの好きなように使えよ、あれはお前の物だからな」
「はい!」
そうして俺達はそれぞれの寝室に入る事になった。




