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第11話 属性占い稼業開始

 村と言っても、魔王ボスボスが暴れに暴れて、チャカルールの両親を殺害した村だったのだが。

 人々は滅びた村を再興させる為に一生懸命身を粉にして働いていた。


「大丈夫か?」


 チャカルールが少しだけ怯えていたが、俺はその両肩を軽くぽんと叩いてあげると、チャカルールは赤く赤面させながら、ぶるっと背筋を伸ばしてくれた。


「私も頑張る」


 そう意気込んでいた。

 俺とチャカルールはチャカルールが住んでいた朽ち果てた家に辿り着いていた。

 そこにある木製の板やら何やらを集めて、看板を自作で製作した。

 看板には属性当てますと表記してある訳だ。


 問題は皆が俺の言う事を信用してくれるか、信用してくれないかの違いだが。

 ゼフダスとセネレスは信頼のおける冒険者なので、その息子ならと信用してくれる事を願う事にした。


 この村と2人の冒険者は仲が良かったはずだ。


「よってらっしゃいきてらっしゃい、あなたの属性を当ててあげましょう、職業属性とエレメンタル属性を当てるよー1回100ポッチだよー」


 100ポッチとは現代通貨で言う所の100円に値する。


「お、お前ゼフダスの所のせがれだな、良いだろう、当てて見ろ、俺は何に向いている? 一応大工仕事をしてるんだがなーなんか向いてないんだよな」


 俺は即座に邪教スキルを発動させていた。

 ちゃんと100ポッチ頂くことを忘れない。

 光は人間から発するイメージみたいなもので、その感情は俺に降りかかり俺もその感情そのものになってしまう。


 それは生前の話だ。

 今では邪教スキルのおかげで、コントロールして感情を制御する事が出来る。

 後は純粋に見たまんま告げればいい。


「おっちゃんは農家属性だよ、エレメンタルは土。だから土に触れると良いから、農家でも始めたらどう」


「そうかい、やってみるかな、昔から作物が好きだったしな」


「お、興味あるな、私も占ってくれよ」


「お姉さんは今、専業主婦で料理とか作ってるだろうけど、最近子供が生まれたんだけど、その子供は足が悪いでしょ、薬草士属性だから、薬草を作って飲ませてあげたら回復するよその足」


 俺はしれっと鑑定も発動させていた。

 鑑定を発動すると、その人の生きざま等が表示される。


「昨日生まれたばかりなのよ、まだ体が疲れてたんだけどね、そうかー薬草士なんだ。やってみるかー」


「エレメンタル属性は風だよ、風系を使って薬草作るといいよ」


「ありがとう」


「次はぼくだ」

「次はわたしよ」

「うちも頼む」


 長蛇の列となった。

 チャカルールが手をぱんぱんと叩いて。


「ちゃんと並んでねー1回100ポッチだよ、ちゃんと払ってねー」


 チャカルールはさすがドワーフ族の娘という所で、商売上手であった。

 お客さんの顔つきはどれも険しい顔だったり、疲れ果てている表情を浮かべていた。

 それもそうだろう、この村は一度滅びている。

 それも魔王ボスボスという意味の分からない魔王にだ。


 そこから再起する為に頑張っているのだから。

 俺も応援してやりたい。


 光を見る事には苦ではないが、少しだけ疲れてくると、過去の事をフラッシュパックするようになる。


 精神病院生活。

 この目の力で実験材料にされ、幽閉された苦しみ。

 人々を鑑定しながらそんな事を思い出していた。


「ふぅ」


 太陽が地平線の向こうに沈んでいこうとしていた。

 仄かに赤茶色の夕焼けが山の向こうから照らし出している。

 丸い白くて仄かに寂しさを煽るお月様が空を支配し始めてくる。


「いくら稼げた、チャカルール」


「ざっと10000ポッチ稼げたよ」


「よし、種を買うぞ」


 俺とチャカルールは近くの古ぼけた雑貨屋に向かった。

 そこは夜中まで営業し続けているので、非常に助かった。

 とはいえボスボスが破壊したので、今は露営営業しているようだが。


「お、ルボロスじゃねーか」


 若い男性。

 名前をダブロー。

 雑貨屋の主人にて、商売の達人の人間族だ。


「おっちゃん、ジャガイモ、トウモロコシ、エダマメの種を10000ポッチで買えるだけ買わせてくれ」


「お、気前がいいな、村でも興す気かよ、てか、俺はおっちゃんじゃねーし、まだわけーし、さらに、てか、こんな夜まで女の子を連れ歩いて、いやらしい事でもするつもりかい」


「ち、違いますよ」


 慌てて否定するが、なぜかチャカルールの顔はゆでだこ状態になっていたわけだ。

 そういえばチャカルールの方が年上だから、そう言った事は知っているのかもしれない。

 こちらは知らないと思っているんだろうけど、見た目は子供でも中身はおっさんなので、何とも言えない。


「ほれ、これだけだ。今この村を再興させるのに種が必用だからな、5000ポッチ分しか渡せねーな、残りの5000ポッチは他で探してくれ」


「そうかーありがとうね、ダブロー」


「良いって事よ、チャカルールを守ってやれよ、ルボロス」


「もちろんさ」


 さらにチャカルールの顔が深紅に染まり続けている。

 これ以上ゆでだこ状態になったら、燃え尽きてしまうのではないだろうかと心配になりかねない。


 なので、このまま自宅に帰る事にした。

 自宅に戻ると、父親のゼフダスと母親のセネレスが腕組みしてこちらを睨んでいた。


「こんな遅い時間まで、どこほっつき歩いていた」


 ゼフダスが剣呑とした顔と声で告げた。


「いやーちょっと占い稼業を」


「まぁいいけど、あまり遅くなるな、最近、盗賊が消えたからいいけど、危険な魔獣が歩いているという情報が流れてな、漆黒の旅団では討伐依頼が来ている」


「そんな恐ろしい魔獣がいるんですか」


「魔獣はモンスターとは違う。モンスターが進化すると魔獣となる。魔獣は魔王系等が使役するとされるレベルだ」


「そうですか」


「ボスボスと関連があるかもしれんが、漆黒の旅団としては危険な任務だ。しばらく遠出は控えろよルボロス、チャカルールも守るんだぞ」


「もちろんです」


 それからゼフダスとセネレスと俺とチャカルールで夕食を食べる事になった。

 古ぼけたテーブルの上でに並べられる。肉料理の数々。

 野菜料理の中にはキノコがあって、気持ち悪くなりそうだった。

 現実世界にいた時からもキノコは苦手だったりする。

 だけどこの世界のキノコは見た目に反して劇的に美味しい。

 気持ち悪さと戦いながら味覚が感動的に素晴らしい。


 食事を終えると、皆それぞれ眠る事になった。

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