一話 神様は存在したようだ
おいで、おいで。そう、こっちへおいで、そうそう良い子だ。いらっしゃい。ようこそ、メッジワールへ。
何をやっているか?私は誰か?
まず私が誰かというし質問に対して
私は、"九十九 神子"。
メッジワールという世界の創造神をやっている。
そして、今何をやっていたか。
どうも、あちらの世界の神は残酷なようでな。まさか、自分が人間に紛れて生んだ子の子、孫が気に入らないからと、早々に死ぬよう運命を定める等と、到底神の風上にもおけない。
だからその被害者、氷華をこちらの世界に招いて、あちらの神様の思い通りには、させないようにすることにする。契約で「1年に数人、好きな魂を呼び込んで、そちらの世界の物にして良い」と言われてるからね。契約には違反していない。
~~~~~
凄く眠たい、それに体が重い?いや体は無いから、ただ単に疲れているだけだろう。そうにちがいない。というか夢の世界に違いない。そうだろう。そうじゃないとおかしい。
いやこの理論もおかしいな…
とちうか回りは黒いのに明るい。なんで?
神子「うわっ、結構内心で考えるタイプだったんだね…、無表情でなかなか喋らないから、てっきり大人しい子だと思ってたのに。」
誰?
神「なんというか、刺々しい。えーと私は貴方の住んでた世界とは別の世界の神。九十九神子って言うよ。流石にあっちの世界の神の凶行に見かねて、貴方の魂をこちらに誘致したよ。」
あれか?神が私のこと気に入らないからって、早々に死ぬ運命を定めたとか?そんなやつ?、ていうか今誘致って、拐ってきたってことだよね?!
神「死因については、その通り。拐って?そこは気にしない。あちらの神との契約で年に数人までなら拐って良いって、そういう契約結んでるから!」
本人の意思はどこ?
神「一応、異世界転生が嫌なら、元の世界が再スタートさせてあげることもできるんだけど…」
あ、良いです。あんなくそ神のせいで死ぬ世界とか理不尽すぎる。何が悲しくて戻らなくちゃいけない。第一私の何が気に入らないのさ!やりたいこととか一杯あったのにさ!全部滅茶苦茶にしてくれやがって!
神「うわー荒れてる。まぁ、落ち着いて。一応こっちの世界は魔法あるよ。まだ発展途上なんだけど、そこは"転生者に何回か転生してもらって研究してもらってるから"、そのうち魔法も完成するとは思うけど。」
へ?魔法?天国?転生する。
神「とんでもない即落ちを見た。魂の状態だと、何かと不便だろうし、体を作るね。ちょっと待ってね~」
貴方が神でしたか。
神「神様に何てこと言ってんのさ」
~~~~~
「体があるって、体が元気って、最高!」
神「前世が酷すぎたもんね…あの病弱体質も、気に入らないからって途中改変された結果だし。」
「は?????」
神「あと、そうそう。あちらの世界の神様、君のおじいさんだよ?」
「…くそジジイかよ。よくあんなので世界が保ってますねぇ!私の何が気にくわないってんだよ!あ?出世だとか身分だと気にする必要ねぇだろうが!老害ですか?くそ野郎。」
神「いや、ほんと荒れてるね。まぁ、それはさておいて、そこまで時間を取れるわけじゃないから、転生の話にしよう。性別とか姿とか自由にカスタマイズできるけど、どうする?」
「あ、そういう、カスタマイズはしないんで良いです。能力はなんかこう、記憶を完璧に記録したり、演算能力がついてきたり、大抵の知識が手に入る、とかそんな能力が1つに詰まったやつ無いですか?」
神「あのさ、神様相手に先読みするって相当だよね。まぁ能力について聞くのは通常通りなんだけどさ。それじゃあほい、演算領域拡張、内包能力は、高速思考、高速演算、完全記憶、全天検索。これでよしっと。」
「え?今作っちゃうの?」
神「神様はなんでもありなんだよ。未来を視ることもできるよ。つまらないから視ることはしないけど。」
「流石神様」
神「まぁ、あとは魔力量とかそういうステータスくらいだね。これは転生中に決めることができるから、ここでやることは無いし、これで終りだね。じゃあ転生開始しちゃうよ~」
「え?もう転生しちゃうの?って、え?早くない
?」
神「私も忙しい身だからね、これ以上はちょっと時間取れなさそうにないよ。それじゃあね。運命の境目はもう過ぎた後だから、後戻りはできないよ!じゃあ行ってみよう!」
「え?運命の境目?え?ちょっとまっ」
~~~~~
神「まさか、自分の書いた絵そのまま、運命の境目になるなんてね…。ラフで終わらせてたら死なないで済んだなんて、とんだ災難だよ。」
??「ぐぬぬ」
神子「しっかり契約に則ってやっている。文句はあるかい?地球の神。」
??「あるわけなかろうが!契約は契約だ!好きにせい!」
神子「ほんとくそジジイってのは賛同しますよ…」