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絶望の果て  作者: 馨
96/103

96話 ディスペア流を極めし者


─── 龍の巣 22層 ───


か、かいふく・・・しなければ。

!?な、なんで・・・


「すまんなあ。オフィーリアちゃんの魔法は封じさせてもろたで。モロクええ仕事するやんけ。」


「敵兵が突然消えたので上がって来たのですが・・・あなたの仕業でしたか。ククク。」

!!?

遠くからフルットとモロクの声。モロク、魔王様の魔力を封じたとか言うあいつの仕業か。

アルル・・・様。目の前が暗くなる。こんな形で死ぬなんて。アルル様、ミコとニケの事お願いします。ああ、もう一度あなたの顔が見たかった。死ぬ前にひと目・・・だけでも



パァァ・・・



この、魔力は


アルル様・・・



「おいおい!ヤバいで!魔力通ってるやんけ!これは・・・」


「なぜだ!?私のフォーリング・ダウンは問題なく発動しているぞ!」


私の体が再生される。!!魔力が湧き上がってくる!凄い!こんな熱くて滾った魔力を受けるのは初めて・・・え、アルル様もう大丈夫です!もう全開しているので!やっ、ちょっと、もう、ダメだからああ!やあああああ!


「くっひいいいいいいいいいいいん!!」

!?

マリーの嬌声で我に返る。彼女もアルル様の魔力を受けたようだ。


「んほおおおおおおおおおおおお!これ、しゅきいいいいいいい!この魔力しゅきなのおおおお!」

ヨダレ垂らしちゃってだらしない・・・。ん、はぁはぁ!あ、あっ!ん、アルル様もうお止め下さい!これ以上は!念話を送ってみる。


「あ、ごめん。送りすぎちゃったかな。てへぺろ」

通じた!?アルル様の声!でも念話は繋がらないはずじゃ。


「モロク、あんたシトリーちゃんに頭弄られたようね。」

モロクへの念話。私にも聞こえる。


「誰だ!このエリアは念話を含め魔力を通す事も不可能なはずだ!」


「知らないわよ。アタシの魔力は特別なんでしょ。それより飼い主向かってその口の聞き方・・・お仕置が必要なようね。」


「飼い主!?さっきから何を言って・・・ふぁ!?」

モロクの服が切り裂かれ下着(ブリーフ)一枚となる。


「か、体が動かない!?ふ、フルフル様!て、敵襲です!フルフル様あ!」


「あいつならとっくに逃げたみたいだよ?相変わらず逃げ足早いなあ。」

いつの間にか気配が無い。ここにいるのはだらしない顔で痙攣している魔人と下着一枚の軍人だけだ・・・何この状況?


「貴様!何者だ!私をどうするつもりだ!?」


「んー、そうねえ・・・頭は後で弄るとして・・・。」

頭を弄る?


「さっき裸にした奴がもう一人いるからそいつと並べて皆に見て貰おっか!うん!そうしよう!」

変態がもう一人いるの!?


「くっ!殺せ!いっそ殺してくれええええ」

死を懇願してる。哀れ。そして消えた。転移されたのだろう。


「もう、勝手に動いたらダメだよ!待機って言ったのに。」

そうなの!?マリーのやつ!


「申し訳ございませんアルル様ぁ。罰ならぁ、あとでいくらでも受けますので・・・いっぱいイジメてくれて構いません!」


「ゴクリ。いやいや、オフィーリアには何も言ってなかったから。マリーにはキツい罰が必要だなあ。」


!!?

「アルル様あ!私にも彼女を止められなかった責任があると思うのです!私にもキツいHなお仕置お願いします!!」


「ふぁ!?いやHなお仕置なんて言ってないけど・・・ああ、うん分かったよ。」

よしっ!


「はい!楽しみですぅ!」


「はは・・・じゃあ取り敢えずそこで待っててね。こっちはまだかかりそうだから。」


「はい!あっ、アルル様。」


「ん?」


「やっぱりアルル様は私の王子様ですぅ。絶対離しませんからね?」


「う、うん。まあ王子って言うか姫騎士ね。じゃあマリーの事頼むね!」

念話が切れる。


「ふふ、あわてるアルル様も可愛い。」

ディメンションには戦う二人の姿。この戦闘中に魔力を送っていたの!?

近くにキースもいるが動けないようだ。八柱でも介入出来ないレベルの戦闘・・・。


「ありゅしゃまああ・・・えへ、えへへ。」

はぁ・・・まずは痴態を晒すこの女を覚醒させなくては・・・アルル様ご武運を。



─── 龍の巣 10層 ───


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


side カイネ


キィィィィィィィィィィン


神速の打ち合いが続く。剣戟の音は一つに重なり澄んだ音となる。


初めてだ。私と対等に打ち合える者がいるとはのう。挨拶代わりの流星はほぼ互角。兎から聞いていた通り極伝まで上げているようだ。


「やるね。アタシ以外にここまでの使い手がいるとはね。」

アルから念話が飛んでくる。


「殺し合いの最中にお喋りとは余裕じゃないか。底が知れんの。」

フッ、気持ちは分かる。同じ趣味を持った者同士語り合いたいのだろう。では、存分に


「 奈落 」


語り合おうぞ。


ズオッ

「わっ!?重っ!」

アルが地面に叩きつけられる。

磔になったアルを流星で追撃しつつ距離を詰め・・・


「 流星爆砕 」

ドオオオオオオオオオオン

爆炎で周辺の岩壁がドロドロに焼け爛れる。


「わお、アタシの障壁抜くとかヤバっ。てか今の爆発メテオ・バーストか。」

!?

早い。爆発する瞬間に奈落から脱出したのか。


「主程の使い手ならもう分かっているだろう?ディスペア流は魔法を使えない者が創りし流派だと言う事を。魔力を制御する事で魔法の模倣が可能となる。」


「あーやっぱ、そーなんだ。剣術で炎とか時間操る意味分かんなかったんだよね。創始者は魔法使いに嫉妬でもしてたのかなあ。ダサいね。」

ダサい・・・か。フフ。ん?時間?


「スーパー・ノヴァだって太陽再現しただけだしさ・・・剣術じゃないよ。あんなの。」

ディスペア流を否定した?


「主は魔法を使いたいとは思わないのか?」


「えー、まぁ使えるなら?使ってみたいけど・・・それとこれとは話が別よ。」

剣術に魔法は無用か。分からなくは無い、が。


「だからさー、作ったんだ。」

作った?

ゾクッ


「アタシの剣術をね!」



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