95話 愉楽を極めし者
「Frozen cage」
バキンッ
魔力を込めた冷気でフルットが一瞬で氷漬けにされる。
「エグいなあ。身動き取れんやんけ!」
余裕ね。拘束した時点で普通は死ぬのだけれど・・・やはり魔装でガードしているのか。それなら。
「Dimension spirit」
ズババババババババッ
空間を切り裂き氷ごと切断。バラバラになり光になって消えていく。
「ちょっ!バラバラやんけ!何してんねん!」
!!? 上!
見上げると
「怖いなあ。○○○無事で良かったわあ。」
ニヤニヤ笑いながら見下ろすフルット。
「あなたのモノなんて魔法でも触りたくありませんから。」
「そんなん言うて本当は見たいんやろ?不毛なド突き合いなんて止めてベッドでド突き合いしようやあ。」
こいつと話していると頭が痛くなってくる。しかし、奴に殺意が無いのは本当のようだ。
「いつから奴らの軍門に下ったのです?」
「割と最近やで。フロアボスのベルゼビュートとすり変わったんわ。」
「あなたたちの目的は?」
「この世界に絶望を与えたのち・・・消し去る。」
!!?
「・・・ってベリアル、ああワイらの大将な。ベリアルはんはそう言ってたで。」
「恨みでもあるのかしら。」
「恨みっちゅうか、神の使いやからな。悪魔と対立するのはむしろ正常やろ。」
やはり・・・。
「あなたがみたいな下衆が使徒なんて冗談でしょ?」
「酷い言い草やなあ。傷付くわあ。ワイかてなりなくてなったわけやない、無理矢理転生させられた被害者みたいなもんやぞ。」
嘘くさい。
「自分の意思では無いと・・・アルル様にそんな言い訳が通じるかしら?」
「あのエロサキュバスじゃ聞いてくれんやろな。アルきゅんやないと。ニヤニヤ」
こいつ・・・。
「アルル様と話す機会なんてもう無いわよ。」
「オフィーリアちゃんにワイを倒すのはムリやで。やめとき。なあ、こんなとこ抜けてワイの部屋行って楽しもうや。ニヤニヤ」
・・・ああ、本当に腹が立つ。
練っていた魔力を全開放。
「ABSOLUTE ZERO limited burst 」
ブンッ
手応え有り。
範囲限定のアブソリュート・ゼロ。フルット周辺の空間にある物全てが消失する。
「油断してるからよ。おバカさん。」
さて、マリーの治療を・・・
ドッ
えっ?
「せやでー。油断したらアカンよなあ。」
ボトッ
地面が目の前に?
「大技出した後は警戒せんとなあ。って聞いとらんか。」
アルル・・・さ・・・ま・・・。
─── ディスペア圏外 神殿 ───
side シトリー
ズガガガガガガガガガッ
重っ!フェリドの不可視の攻撃を魔剣でいなす。魔力密度高っ!
この!
バチバチッ
「Lightning!」
ズドオオオオン
雷系魔法を食らわすも、
パアアアアアン!
弾かれた。チッ耐性持ちかよ。
フェリドに魔力の高まり。
「イクリプス・ロア!」
ドドドドドドドドドドドドドドドッ
あはっ!もーらい。
「テイク・イン!」
尻尾をかざす。魔力弾が当たると、
ギュンキュンギュン!
どんどん吸収していく。
はああああん!魔力漲るー!からのー
「返すわ!イクリプス・ロア!」
私の魔力を上乗せした魔力砲を放つ。
ドドドドドドドドドドドドドドッ
「あらあら、大丈夫?体半分無くなってますけどー?www」
右半身が消し飛んでるぞ。あは!ウケるー。
「ああ、問題ない。」
一瞬で服まで元通りになる。チッ、神ならこの程度何て事無いか。
「面倒な奴だなー。てかさー、あんた神様ならこっちサイドじゃないの?何敵側行ってんのよ。イミフなんですけど?」
「龍神と言っても天界に居たわけでは無いからな。それに、神か・・・私にとっては姫様のみが信仰の対象と言えよう。」
どんだけ心酔してるのよ。
「君は使徒なのか?」
「はあ?この角と尻尾見えないの?私は悪魔よ。」
ちょっと前まで魔王やってたっつーの。
「魔族なのに神に味方する君と、神なのに人間に付く私か・・・面白いな。」
「別に好きでこんな事してるわけじゃ・・・あー、もうそんな事どうだっていいわ。殺し合いを続けましょう。」
魔剣を消し両の手に魔力を集める。左手に爆炎術式、右手に暴風術式。
【 混成接続 】
ゴオオオオオオオオオオ
直径1メートル程の球体の炎の嵐が生まれる。
ここに闇魔法をひとつまみw黒炎となった暴風は渦を巻き神殿の天井にまで届く。いくつもの国を堕とした私の最強の魔法だ。
「消えなさい!エクスプローシブ・ストーム!」
ドゴオオオオオオオオオオオオン
神殿内を獄炎が埋め尽くす。
「獲物が絶命するまで終わらない地獄の黒炎よ。いつまで耐えられるかしら。」
「温いな。」
!!? 奴の魔装を剥がしきれていない?私の魔力量の半分注ぎ込んでんのよ!?
「姫様の技に少し似ているが威力は遠く及ばない。」
また、姫様かクソ!・・・
「お互い決め手が無いんじゃ決着つかないわね。」
「そうでも無いさ。」
「はぁ?あんたの魔力は私に取り込まれるだけじゃない。どうやって勝つつもり?」
「その魔力タンクをパンクさせるまで。」
は?
「あんたに出来ると思う?笑わせないで。」
「やってみなければ分からんぞ?」
何なのコイツの自信。不気味だわ・・・。私の勘は良く当たる。
「悪いけどここまでよ。」
「オラフ、撤退よ。(念話)」
返事がない。
「オラフ撤退よ。・・・オラフ!」
「は、はい。シトリー様・・・はっ?いやそれは・・・しかし・・・」
何ブツブツ言ってんの。
「お、俺に指図するんじゃねえ!メス犬が!」
!?
「は?今何て。」
ビキビキ
「・・・メス犬・・・っていったんだ。」
「ああん?」
「・・・メス犬って言ったんだよ! 偉そうに命令するんじゃねえ!ロリババア!てめえなんてただの淫乱サキュバスじゃねえか!毎晩毎晩イケメンの部下部屋に連れ込みやがってクソが!・・・はぁはぁ・・・えっ?ち、違う!興奮なんてしていない!いえ、していません!」
・・・チッ
「オラフ、お前負けたな。誰に言わされている?」
「・・・・・・。」
「もういいわ。転移。・・・・・・。」
・・・転移しない?障壁が張られているわけでもないのになぜ!?
「ここはディスペアの外だ。通常の転移は出来んぞ。」
じゃあ、てめえはどうやって転移したんだよ。
「あんた殺せばいいわけ?」
「あーダメダメ、フェリド倒しても意味無いよー。アタシの魔力使わなきゃだから。(念話)」
この声!?アルか。
「さっきオラフに言わせてたのはあなたね。」
「まあね。でも後半は彼の本心だよー。シトリーちゃんも好きだねえ。ふふっ」
あーイライラする。
「・・・ねえ、アルさん?私あなたと敵対する気は無いわ。本心よ。だから・・・」
「そうなの?じゃあ忠実な下僕って事でいいのね?」
「げぼ!?ち、ちょっとアルさん、それは、流石に。と、友達なんてどうかしら!」
「・・・あなた・・・アタシの事舐めてる?」
ゾクリ
悪寒。
「えっ、やだ!?何!?ひゃん!」
魔力が・・・途方もない規模の膨大な魔力が濁流の様に一気に流れ込む。私の魔力タンクは秒で溢れ気が狂う程の快楽が私を襲う。
「やあああああ、何なの、これえええ!しゅごい、こんなの、らめえええええええ!おかしくなる、おかしなるからあああああ!」
何度絶頂を迎えても終わらない魔力の流入。
「わ、分かった!分かりましゅたあ!アルしゃまの下僕になりゅましゅううう!だから、だから、これ止めてえええ!お願い!あ、やだ、また!イッくうううううう!」
ヨダレを垂らして無様に何度も○○を吹いてしまう。初めての経験。こんな事が現実に有り得るなんて。
「88888よく言えました。アタシ素直な子は好きよ。今忙しいから、フェリド後はよろしくー。」
「ハッ!」
念話が途絶えた後も魔力は流れ込んで来る。
イキ狂う・・・この私が。何度も・・・何度も。
やっぱり敵にしちゃダメだったんだ。全てが異常過ぎる。てか、この魔力気持ち良すぎて拒絶出来ない!
意識が無くなるまで乱れ続けた。
「もう、どうでもいい!こんなの知っちゃったら!戻れない!戻れないよう!あんっ!気持っちいいいいいいいいいいい!」




