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絶望の果て  作者: 馨
93/103

93話 ティガー vs オラフ


─── side レティシア ───


アルの奴、

「生徒たちのカバーよろしくね。生徒が死んだらアタシがあんたたちブッコロすから、よろー。」

なんて軽く言いやがって、転移阻害の障壁なんて聞いてないわ!

おかげで到着するのが遅れてしまった。急いで生徒に魔装張ったが、死んでないよね?

回復させてやりたいけど、


ドオオオオオン!

あの大男の嵐の様な攻撃!虎が吹き飛ばされる。くそ!

こっちに向かって来る!


「くっ、ウォーター・フォール!」

得意の水流系魔法でガードを張るが、


ドパアアアアン!

「きゃああああ!」

ガードを抜いて拳がっ!がはっ、なんて魔力だ。壁に叩きつけられた!

ち、くしょう、前線崩れたら、終わりだ。私はエンチャンター(付与師)なんだぞ!


「虎ァ!起きろー!いつまで寝てんだゴルァ!」


ドガアアアアン

瓦礫が吹き飛び虎が姿を見せる。さっきとは段違いの高密度の魔装。私のエンチャントが効いて来たわね。

大男の意識が虎に向かう。


「アルファ・リベレイション!」

虎に攻撃力限界突破の最上級術式の重ねがけを行う。

うっ・・・魔力がごっそり持って行かれる。即座にバッグからエリクサーを取り出し飲み干すと魔力が全回復!このエリクサーには毎回驚かされる。どれだけ減っても満タンまで回復するのだ。アルが言ってたっけ・・・。


─── 回想 ───


戦闘で魔力切れを起こした際、

「レティ、あんた魔力量カスだからこれあげる。」

バッグを渡される。

・・・魔力少ないのは認めるけど、言い方ってもんがあるでしょ。やっぱりコイツ嫌いだわ。

何が入ってるのかしら?って何これ!?インフィニティ・バッグ!?


「アタシのお古だけど良かったら使ってね。アタシは新しい可愛いのをモンドに作ってもらったから。あっ、ちなみに中の空間繋がってるからHな物とか入れないでね!」

入れるわけないだろ!って何て言った?インフィニティ・バッグを作った・・・だと!?

中に手を入れる。

!?


「あはっ!最初驚くよねー。今必要な物が勝手に出てくるんだから。」

手に握られているのはエリクサー・・・?


「その中に沢山入ってるから魔力切れたら飲んでね。ガンガン使っていいから。魔力って欠乏スレスレまで使うと上限上がるって知ってた?あはっ、知らないって顔してる。ウケるー!」

知るわけないだろ!ビッチが!

てか、これって


「ひ、姫様、これエリクサーですよね?」


「そだよー。」


「この瓶に宿った魔力量・・・神話級では?」


「知らなーい。アタシ飲んだけどあんまり回復しなかったからなあ。あ、でもレティと違って魔力が多すぎるからなぁ。レティだったら余裕で全回復するんじゃない?参考にならなくてごめんね。」

こんのガキ!ナチュラルにディスってきやがった!クソクソクソ!

はぁはぁ、まずは回復だ。


ゴクゴク・・・

「!!? な、なにこれ、嘘、魔力が・・・」

回復しただけじゃなくて、大幅に増えてる!?魔力が体の奥からドンドン湧き上がってフットーしそうだよ!


「ひ、姫様、このエリクサー神話級に間違いありません!こんな物一体どこで!?」


「んー?宝箱。隠し部屋とかに割とあるかな、あっ、後ボスが溜め込んでたりするからヤる前に脅してみると良いよ。」

とんでもないなコイツ・・・。


「あんたたちはアタシの命令を命懸けで遂行するわけだから、アタシはそれに見合った対価を提供しなきゃでしょ?レティにはソレが良いと思ったんだけど、気に入ってくれた?」

・・・気に入るも何も。これ1本で城が・・・いや、街が買えるわよ!売ったら一生引き籠り生活が・・・はうっ!奴がジト目でこっちを見ている!


「あ、有り難き幸せ!この国宝級のアイテムに見合った働きをする事をお約束いたしましょう!」

悔しいがこれは本物だ。それを使いたい放題なんて魔術師延髄の夢、これを使えばあの術式もいや、あの大魔法だって・・・ブツブツ


ブォ

「ひゃん!?なにっ!?」

耳に息を吹き掛けられた。


「あはは、ごめん、めっちゃ無防備だったからイタズラしちゃった。てへ」

くっ、確かに考え事してたけど、私の間合いにこんな簡単に入るとかありえないわ!やはり化け物・・・


「顔真っ赤だよー、あはは!」

このガキィィ!ムカつく!ムカつく!



─── 現在 ───


嫌な事を思い出しちゃった。


ドォン!ズバアン!

虎と大男の殴り合いが続いている。


「パーフェクト・ヒール・ウォーター!」

虎と自分に回復を施しつつ


「パーフェクト・ヴィジランス!」

虎に攻撃力upの最上級魔法を付与。

ああ!もう、またぁ!?自分の魔力量の少なさにイライラする。エリクサーを飲み干す。


ふう、虎にバフは掛けまくった。敵にもデバフを掛けたい所だが無理っぽい。精神攻撃無効で弾かれてしまうからだ。

後は虎に託すしか無い。


ドガガガガガガガ!

殴り合う2人から魔力の暴風が吹き荒れる。しかしあの虎互角、いやヤツを上回る攻防をしているぞ。アルと行動を共にして死線を潜りまくっていりと言う話は聞いている。聞いてはいたがここまでとは。あ、でも私の補助の力が凄いのかな。


ザッ

「待たせたな!」

ガイウスだ!気絶した少年を背をっている。この獣コンビなら何とかなりそうだ。


「あいつ、相当やるわよ。今あんたにもバフを」


「待て、まだだ。」

えっ?何を言ってる?


「ティガーは1人でやりたいようだ。」

虎を見る。あ、今こっち睨んだ。何なのよアイツ。とんだ戦闘狂ね。


「君は引き続きティガーのアシストを頼む。私はこの少年を安全な所へ運ぶ。」

そう言うと後方へ。

虎だけでホントに大丈夫なの!?


!!?

何!?大男の魔力が跳ねあがる。ビリビリと肌で感じる禍々しい闘気。

不味い!障壁を!


!!?こっちに殺気を飛ばす虎。手を出すなって事?あんたが殺られたら私もヤバいんだけど分かってんの!?


私の疑問に答えるように、大男の闘気に呼応するように、虎の闘気も膨れ上がる。

す、すごい!障壁を張って居なければこの場にいることすらままならない。


バキッ!ドガ!ゴッ!

殴り合いが続く。一撃一撃が即死級の殴り合い。衝撃波が響く・・・。

そろそろバフの効果が切れるぞ。あの虎分かってるのか。


あっ、ほら、効果切れた途端打ち負けてるし!

ガイウス何してんのよ!逃げたんじゃないでしょうね!

落ち着いて私!COOLになるのよ。Be cool!


このままだと虎は間違いなく負ける、ガイウスの犬コロは逃げたと仮定すると、私たちは全滅。私一人逃げたら?生徒が殺され、私は主に殺される。

BAD END不可避なんですけどwww

ふーっ、ふーっ、落ち着いて私!COOL、COOL、COOL。


よし!虎にバフを掛けまくろう。奴は拒否するだろうがもう関係ないわ!生き残るにはこれしかない!

バッグからエリクサーを引っ掴み地面に転がす。


いくぞ!

「パーフェクト・グラスキャノン!」

ゴクゴク

「パーフェクト・ヴィジランス!」

ゴクゴク

「パーフェクト・ラッキー!」

ゴクゴク

「パーフェクト・ヒール・ウォーター!」

ゴクゴク

「パーフェクト・アンブレイカブル!」

ゴクゴク・・・けぷっ


バフ魔法が虎に向かって次々飛んでいく。

1発で魔力が空になるような強力な魔法を重ね掛けしていく。途中虎に睨まれたが知った事か!


「リバティ・オア・デス!」

ゴクゴク

「アルファ・リベレイション!」

ゴクゴク

「パーフェクト・アドレナリン・ラッシュ!」

ゴクゴク

「パーフェクト・コンバインド・アームズ!」

ゴクゴク

「パーフェクト・スパーク!」


くっ、魔力は補充出来ても精神が削られる。

虎はどうだ!


すごく・・・光ってます・・・。

大丈夫なのあれ!?

いや、でも大男の攻撃がまるで効いていない?防御力upの魔法が効いてるんだ。

やり過ぎたか?白目剥いちゃってるけど・・・。

一流の戦士でも1つ掛けただけで発狂するレベルのバフを10も重ね掛けしてるからな。死んでもおかしくないわけだが。虎ならイける・・・と信じるしかない!


ズガアアアアアアアン!

虎の拳が大男の顔にヒットし仮面が割れる。

あの魔力密度、八柱クラスじゃないの!?凄いわ私!大男は反撃を試みるが・・・


「がああああああああ!!」

狂戦士と化した虎のラッシュを食らい完全に沈黙。しかし爆音と衝撃は止まらない。

相手を肉塊にした後、私を見て口角を釣り上げる。鋭い牙。完全に我を忘れてる!


ズシン、ズシン。

こっちに向かって歩いてくる。


「虎ぁ!目を覚ましなさいよ!何、仲間襲おうとしてんのよ!馬鹿あ!」

白目の虎は歩くのを止めない。


あー、終わったわ。目を瞑りその時を待つ。


・・・・・・・・・・・・・・・。


・・・・・・・・・。


ん?目を開けてみる。

虎の額に光の玉が入ってく・・・この暖かい魔力。これって、


「仲間を虎呼ばわりするのってどうなのよ。ねぇ、ティガー?」

アルの声。念話が響く。


「ん、あ、ああ、そうだな。あれ、奴は?」

虎の意識が戻った!


「と・・・、ティガー、あなた意識が?」

記憶が無いのか。


「ああ、戦いの途中から記憶が無い。姫様の声で気がついたが・・・。」


「レティダメだよ。あんなにバフ掛けたらこの猫ちゃんすぐラリっちゃうから。ははは」

猫ちゃん!?


「ひ、姫様、見てたなら助けて下さい!」

酷いわ。


「えー、あんな雑魚にアタシの力は貸せないなあ。」

雑魚!?あれが雑魚!?頭おかしい。


「ちなみに、ガイウスには奥で待機してもらったから。猫1匹じゃまだダメだったかー。また死線潜らせなきゃだね。」

ティガー、心から同情するよ。


「あっ、それと、襲って来た彼、仮面取ったら割とイケメンだったからアタシの配下にするね。」

へ?あいつ死んだよね。


「な、何が起きた。」

大男が起き上がる・・・えー!何で生きてるの!?ピンピンしてるし!


「あんたは敗北したのよ。そこの虎にね。んで、死にかけのトコをアタシが助けてやったってわけ。だからあんたはアタシのモノよ。オーケー?」

そんな理由で従うわけないでしょ!?


「なぜ、助けた。俺は戦士として死にたかった・・・。」


「はあ?あんたバカァ?弱者には死に方なんて選べないのよ。」

弱者・・・。


「お前はは俺より強いと言うのか?出てきて勝負し・・・」


スパンッ ボトリ


「あ、アル、ひ、姫様。何を?」


「えっ、勝負しろとか言うから・・・。」

そ、それはそうなんだけど。


「おい、姫、流石にもう死んじまうぞ。」


「はいはい。」

体が光となり消えた。そして再生される。

再構成か。


「今、俺は・・・」


「死んでたよ?やっぱ雑魚じゃん。」

言葉が出ない。


「負けたのか、俺はこれからどうすれば・・・」


「アタシの配下に付いて貰うわ。あなたには否定する権利は無いわ。」


「そうかよ。」


「・・・納得出来ない?」


「出来なくても飲むしかねえんだろ?・・・・・・いっそ殺してくれ。(小声)」


「・・・・・・。」

何か嫌な雰囲気。


「ぐあっ!なんだ!?」

両手を両足を広げた大の字状態で固定され宙に浮く男。


「くそっ!動かねえ!うおおおおお!」

魔力を両腕に集束させているぞ。ちょっ、ヤバくない!?


「あー、いくら力んでも無駄だよ。本気で固めたアタシの魔装は破れない。」

ゾクリ、鳥肌が立った。


「姫様よお、公開処刑でもするつもりかい?」

完全にヤる気よね、これは。


「まあね。」


スパパパパン!

ちょっと!アル!何してんの!?

ズボンとパンツ切り裂いて裸に(靴は履いているが)した!?

もぉやだあ、見ちゃったよ!


「おい!何の真似だ!?離せ!」

もがいているがビクともしない。


「だから無駄だって。てゆうか・・・ちっさ。」


「クソガキがああああああ!離せええええ!」

わっ!魔力が荒れ狂ってる。


「まあまあ、落ち着いて。静かにしないとアンタが少女趣味のロリコンだってバラすわよ?」

どうゆうこと!?


「な、何デタラメ言ってんだ!」


「えっ、好きなんでしょ?シトリーちゃんの事?」

シトリー?


「お、おま、何で!?」


「体を再生した時に覗かせて貰ったよ。・・・き・お・く。あんたとんでもない変態じゃん。あんな可愛らしい子に・・・」


「ち、違う!」

ち、ちょっと!大きくなってない?


「想像したの?・・・大きくしちゃって・・・いやらしい。」


「違う!これは!違うんだ!」

えっ、待って!また大きくなった。最低。


「アタシになじられて感じてる変態が!何が違うの?言ってごらんなさい。」

何だろ、アルの奴ノリノリなんだけど。


「ぐっ、そ、それは・・・」

ビンビンじゃん。てか見てる私も私だけど。


「はい、言い訳出来ない。認めた方が楽になるわよ?私は変態です!って言いなさい。ほら、早く!」

何なのこれ!?


「姫様のこの悪癖だけは好きになれないぜ。」

虎も頭を抱えてる。


「わ、私は、へ、変態・・・です・・・。」

言っちゃったよ。


「声ちっさ!あんたの下のモノじゃないんだからさあ。もっと大きな声出しなよ。ほら!」

上手い事言ったつもり?


「わ、私は!変態です!」


「上司の少女に興奮する変態です!はい!」

上司の少女?


「じ、上司の・・・上司の少女に興奮する変態です!」

・・・・・・。


「いいね。ヤれば出来んじゃん。」

頭おかしくなるわ。

ん?いつの間に用意されたのか、男の真下に三角形の木の木馬が。

その上に落とされる男。手は後ろで固定されている。酷い、酷すぎる。


「じゃあ、今から生徒たちに見てもらうから。」

残酷過ぎない?悪魔かな?いや魔王か。


「!!やめてくれええええ!何でも言う事聞くからそれだけは勘弁してくれええええ!」

完落ちじゃん。


「そっか、そっか。ようやくアタシの下僕になるって認めてくれたんだ。嬉しいよ。」

配下から下僕になってますけど!?


「な、なるから!下僕にも何でもなってやるから!下ろしてくれえ!」


「なってやる?はぁ、全然分かってないのね。アタシ察しの悪い子嫌いなんだ。」

あっ、生徒たちが次々と転移されて来た・・・。


「やめろおおおおおおおおお!」


そこからは泣き叫ぶ者、罵倒する者、嘲り笑う者、興奮する者等々、阿鼻叫喚の地獄絵図。トラウマになったのは言うまでもないでしょう。

そんな中、キャッキャと楽しそうにする主人の声が頭から離れません。


馬鹿みたいな魔力を持ったイタズラ好きの子供。恐ろしい、私は震える体を両手で抱きしめる事しか出来ないのでした。


「この罰良いね、気にいったよ。あんたたちも、おイタしたらこうだからね?ふふふふふ、あはははは!」


やっぱりコイツ大っ嫌い!


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