91話 ダンジョン攻略、始めます!
「ふあぁ。」
眠い。
「・・・おはよ・・・。」
「にゃっ!?」
ノエルが目の前に!?近い近い!
「おはよー。って、勝手に部屋入らないでって言ったよね!?」
「・・・ノックしたから。」
アタシの許可は!?
「はぁ。まあ、いいわ。顔洗ってこよ。」
「・・・約束の物を・・・。」
ん?約束?
「何だっけ?」
「下着!!」
わっ!?大っきい声!下着?
服あげるって言った件かな。
「・・・今履いてるやつ。」
ん?何て?聞き間違えだろう。
「今バッグから取り出すから好きなの選んで・・・」
「今!!履いてるの!ちょうだい・・・。」
「よ、汚れてるから。ダメだよ。」
「・・・・・・。」
ちょっ!?下着掴んで何してるの!?
引っ張ったらダメだって!
「約束!はぁはぁ。」
アカン、転移で逃げよ。
シュン
癒しの湯へ転移。
「逃がさない!」
ちょっ!嘘!付いて来たの!?
下着を握る手に物凄い圧力を感じる。執着凄いな、怖いくらいだよ。
これはお仕置が必要ですなあ。
シュン
ノエルを伴い転移。
「早く!抜い・・・で?」
キョロキョロしている。
「はわわわわわ。きゃあああああああ!!」
何叫んでるの?
自分の部屋じゃん。
転移阻害と人避けの多重障壁張ってたみたいだけどアタシには無意味だから。
って初めてノエルの部屋入ったけど凄いな。アタシのリアルな人形がガラス棚の中にびっしり並んでいる。壁にはアタシの絵が・・・何で裸?人形もそうだけど、見て書いたかのような正確さだ。
「見るなあああああああ!!」
ノエルの絶叫と同時に魔力が跳ね上がる。
「・・・殺す。アルしゃま殺して、ノエルも死ぬ!」
涙目で殺気を飛ばしてくる。
「こんな事だろうとは思ってたよ。」
癒しMAXリラックス~。魔力を送る。
「ひゃあああ!?あっ、あっ、やああああああ!」
絶頂を迎えようとするノエルに近付き、
「もうこんな事しちゃダメだからね?」
チュッ。Kiss。
あ、気絶した。しょうがないにゃあ。
抱き抱えベッドに寝かせる。
「もう、今回だけだからね・・・。」
下着を脱ぎノエルの手に握らせた。
「あるしゃまぁ・・・フヒヒ。」
幸せそうな寝顔を見て自室へ転移。朝から殺され掛けるとかどんだけー。
支度をして食堂へ。ノエル居ないから髪とかすのに時間かかっちゃったよ。
ギィ
扉を開くと。
888888888888888888888
拍手と歓声!?
「おめでとうございます!魔王様!」
「アルル魔王陛下万歳!」
「姫魔王様あああ!」
「ディスペアを統べる新王の誕生じゃああああ!」
あー、みんな知ってるんだ。情報早いね。
「皆の者静粛に!・・・アル様、魔王就任おめでとうございます。メフィストより詳細は聞いております。心よりお祝い申し上げます。」
ローズが代表して挨拶した後に花束を渡された。何これ?魔物たちからしたら、めでたいのか?
「あ、うん、ありがと。」
「アル魔王陛下のお言葉を頂戴する!全員傾注!」
へ?アタシに何を話せと?
「みんな、ありがと。魔王になってもよろしくね!・・・おわり。」
うおおおおおおおおおおおお!!
大歓声!?嘘でしょ?アルル連合と似た嫌な空気を感じる。
それにしても朝ご飯はまだかな?
その後質問責めにあって遅刻しそうになったところで、
「ふああ。あん?こりゃ一体何の騒ぎだ?アルル早くガッコー行かねえと遅刻すっぞ?」
キースだ。
「う、うん。そうだね。行こ!」
「キース!アル魔王陛下に何て口を!」
「あ?知らねえよ。ああ、言ってなかったっけ?おい!お前らァ!アルは俺の女だ!手ぇ出したらコロすぞ。」
まーた言ってるよ。歓声と怒号。
「アル様ぁ、キースと付き合ってるって本当ですかぁ?(念話)」
オフィーリアさん威圧しないで。
「つ、付き合ってないよ。キースが勝手に言ってるだけ!」
「ですよねぇ。浮気したらぁ・・・許しませんよ?・・・許さないから。」
怖い。てかオフィーリアとも付き合って無いし!
「アル様、奴の戯言はさて置き、魔王様いえ、システィーナ様の事よろしお願いします。私も後程合流いたしますが、くれぐれもお気を付けて。」
ローズから頼まれる。あの少女、システィーナと言うのか。ふうん。
「アルル行くぞ。」
手を掴まれる。ドキドキ
学院へ転移。
えっ、教室じゃん。まだ誰もいなくて良かったー。
「アルル外見てみろよ。」
ん?あ!
正門にとっぷくを着た生徒たちがズラっと並んでいる。50人はいるかな。あれ?先頭にいるのヨハン君じゃん。頭はリーゼントだし気合い入りまくりだよ。
「ヨハン君、ごめん。もう教室入ってるから。ヨハン君もみんなと教室へ戻ってね。(念話)」
「総長!おざああああす!今みんな連れて挨拶行くんで!」
「ちょっと!ヨハン君ダメだよ!教室へ戻って!」
「いえ、兵隊に気合い入れて貰わないと連合の士気が落ちるんで!」
くっ、
「分かったよ、今気合い入れてやんよ。威圧」
半数以上が泡を吹いて崩れ落ちる。
「おい、ヨハン、これが今の連合の姿だよ。どうだ?士気もクソもねえだろ?ダンジョンイベ終わったら一から出直しだな。」
「!!総長!気合い受け取りましたあ!不甲斐ないトコ見せてすませんしたあ!」
頭に響くから大声やめて。
「ククク、アルルやるじゃん。」
笑えないっての。それよりほらみんな来たよ。
生徒たちが教室に入ってくる。
オードリーと一緒に来たのは例の欠席していた彼氏か。ぽっちゃりしてて気が弱そう。
「アルルおはよう!ほら!彼女が連合総長のアルルよ。お礼言って!」
「アルル総長!こ、この度は、た、助けていただき!あじゃじゃしたあ!」
「う、うん。会えて嬉しいよ。今日はダンジョン攻略頑張ろうね。」
「ひ、ひゃい!」
何で緊張してるの?
「パーティ組むんだろ?アルルと俺なら秒で最下層までいけるんじゃね?」
キャッキャ笑っているが・・・危機感足りてないんじゃない?
「私は委員長と彼の3人パーティ組んでるから。あっ、ごめん名前聞いてもいいかな?」
「ひゃい!ろ、ロバート!ロバート・ポールセンであります!補助と回復を担当させて頂きます!」
へー、ヒーラーか。
「宜しくね。ロバート。アタシはアルル・ディライト。アタッカーね。ヒールも出来るよ。」
「俺はキースだ。何でも出来るがとにかく最前線で暴れてえ。邪魔だけはすんなよ?」
シレッと挨拶してる。うちのパーティ入るつもり?
「ひゃい!気をつけます!」
「キースを入れるかどうかはリーダー(委員長)に聞かないとダメだよ。」
「パーティリーダーのクライン(委員長)だ。話は聞かせてもらった。」
委員長いつの間に。存在感薄っ。
「私は後衛だからな、アタッカーが増えるのは歓迎だ。だが私の指示には従ってもらうぞ?」
「何こいつ、ザコの癖に偉そうだな。シメていいか?(念話)」
「あのさあ、ダメに決まってるでしょ!仲良くやってよ。」
「ちっ、分かったよ。よろしくな。」
絶対納得してないよ。大丈夫かな。
「アルルのパーティ何か面白そうw私も入りたかったよ。」
オードリー・・・変わろうか?
ガラガラ
先生が入って来る。
挨拶をした後ダンジョン攻略の説明を受ける。
「はい、ではこれから配る誓約書にサインをお願いします。」
ダンジョン内の事故には学院は一切関知しないから自己責任でよろ。って事が書かれてる。
「攻略は三層のボスまでです。決してその先には進まないように。それに他の冒険者も来ているので注意して下さい。では移動しましょう。」
校庭に設置されたゲートからダンジョン内に移動。班に別れてブリーフィングを行った後スタートとなる。
「で、どうすんだ?こいつらのペースに合わせてたら日が暮れちまうぜ。(念話)」
どころか、数日は掛かるでしょうね。
「三層の中間地点まで飛ぶわ。二人の記憶は適当に弄っとく。」
これはサキュバスの能力で本来は眠った状態でしか使えないのだがアタシが使うと覚醒状態でも書き換え可能となる。
「マジかよ。俺の頭ん中は弄らないでくれよ。」
大人しくしてればね。
パァン
光球が洞窟内に打ち上げられる。
スタートの合図だ。駆け出すチームもいれば、歩いているチームもいる。
アタシたちはまだ打ち合わせ中。
「もういいだろう。早くスタートしよう。」
委員長が焦ってるぞ。周りに他の生徒はいない。そろそろいいかな。
周りにある光源を潰し薄暗くしてと、
ディメンション・モード・ステルス
アタシたち4人の気配が完全に消える。
先生たちに見られると面倒だからね。
「ヒュー、すげえな・・・俺らだけ完全に別次元にいる感じだ。無敵だろこれ。」
キースは気付いたようだ。この技の異常性に。
転移。
三層の中間地点より少し先、ゴブリンの巣穴へと転移。ステルスを解除すると直ぐに取り囲まれる。しかし
「グギ、イダイ、ナ、マオウ、ザマ二、チュウゼイ、ヲ。」
群れのリーダーらしき魔道士を筆頭に両手両膝を地面に付き頭を下げるゴブリンたち。
「おいおい、何だよこれ、戦う必要も無しかよ。」
まあ、身内みたいなもんだしね。
「どうなってる!?なぜいきなり敵に囲まれているんだ!?」
「何て数だ・・・完全にオワタ。」
「ありがとう。アタシはアルルって言うんだ。よろしくね。これから学院の子供たちが来るけどコロしちゃダメだよ?」
2人が困惑するのを他所に魔道士に話しかける。
「・・・マオウザマ、イガイ、ゴロス、マス。」
そう来たか。どれ
ふぉわん ふぉわん
ゴブリンたちの頭に念と魔力を送る。
「!!?・・・承知いたしました。魔王アルル様。ゲストの皆様を丁重にもてなす事をお約束いたしましょう。」
ありゃ、やり過ぎたかな?改変どころか進化しちゃったよ。
キースが爆笑してる。
そんな感じで途中で配下の物を洗脳進化させながら進んで行く。
「悪夢を見ているようだ。アルルさん、君は何者なんだ。」
委員長には教えてあげるか。
「あ、魔王だよ。昨日なったばかりだけどね。だから道中の心配は無用だよ。みんなアタシの配下だから。」
別にバレてもいいや。
「冗談・・・では無いのか。もう私の理解の範疇を超えている。もう好きにしてくれ・・・。」
跪くモンスターを見て呟く。
おや?ゴブリンが4匹の鳥?を連れてやって来た。
「魔王様、これをお使い下さい。」
二足歩行の鳥には綱、鞍、鐙が装備されている。速そうだ。
「ありがとう。じゃあ、せっかくだし使わせて貰おうかな。」
これなら直ぐにゴール出来そうだ。
オードリーたちは大丈夫かな?
─── 龍の巣 1層 ───
side オードリー
ドオオオオオン!
壁面に叩き付けられる化け物。
白コートの集団に付いて来て正解だった。ゴブリンがまるで路上の石ころだ。先頭にいるヨハンという子がとにかく強い。桁違いだ。アルルは彼より強いらしいけどホントかな。
大半のチームが彼らの後追いだ。楽だけどこれでいいのか?
アルルたちはまだ後方にいるんだろう。スタートした時まだミーティングしてたのは知ってる。差程広くないダンジョン内だ。追いつかれれば嫌でも気付く。悪いけど先にゴールするのは私たちみたいね。
─── 龍の巣 2層 ───
side シトリー
「転移とかズルくなーい?」
まぁ私だって使えるけどさー、こんな障壁だらけの場所で使ったら直ぐにバレて目立っちゃうじゃん。
「魔王と同等のスキルが使えた場合、ディスペア全域への転移が可能です。」
側近のオラフが答える。仮面を被ったムキムキのオッサンだ。可愛くないが、それを補う強さを買って傍に置いている。
「端的に言って化け物ね。」
「そんな化け物を倒せる奴などいるのでしょうか?」
「ベリアルなら可能性はあるんじゃなあい?」
私にはわからないけどねー。でも新魔王の方が見てて飽きないし、面白そうな事してるからなあ。
「シトリー様は覇権争いには参加しないのですか?」
「ハァ?するわけないでしょ!べー」
こっち来た時はそれも考えたけどねー。異界の魔王やってイキってたし。
でも上には上がいるんだよ。
「このまま高みの見物してたいけど、そうも行かないかあ。」
ベリアルのオーダーくらいは聞いたげるわ。彼が勝った場合の時に備えて。
遠くで剣戟の音が聞こえる。そろそろか。
ぬるま湯で育った学生さんたちに教えてあげないとね。
ダンジョンの恐ろしさを。




