80話 DATE A LIVE ☆挿絵あり
Dispair 魔王城 VIP ROOM
ソファに座った長髪の男がため息をつく。
八柱二人が倒された。ローズマリーの報告によると魔王は監禁されているようだ。
となると現状ディスペアを統べるのは私か。
何の感情も湧かないな。
「メフィスト様、キース様がお見えになりました。お通ししても宜しいでしょうか?」
執事からの念話。
「ああ。」
あのガキ何しに来たんだ。
ギィ
扉が開き目つきの鋭い少年が入ってくる。
「おお、久しぶりだな。メフィスト卿よお。浮かない顔してどした?あのガキの事でも考えてたか?」
あのガキか、魔王の事を言っているようだ。その通りだが腹が立つ。
「・・・・・・。」
煙草に火をつける。すー。はぁ。
煙をキースに向けて吐く。
「聞いたぜ。あのガキを倒すとかマジでヤバいな。」
対面に座ったキースがニヤニヤしながら話し掛けてくる。
「・・・まともに彼女とヤり合える奴などこの世にはいない。搦手を使ったのだろう。お前みたいな馬鹿瞬殺だ。」
「馬鹿って酷くね?心配して来てやったのに。」
「自分の守護するエリアから離れて何しに来たんだ?」
八柱が結界越えてまで来る用なんて無いだろ。
「連れねえ事言うなよ。外から来た連中と戦争するってハナシ聞いて飛んできたんじゃねえか。燃えるぜ・・・ワルプルギス開くんだろ?早く他の連中呼べよ。」
「開く予定は無い。斥候からの報告だとベイルとオッティクスはヤられたようだ。」
「あー、あいつらか。なんだザコから狩ってんのか?」
私からみたらお前もザコなんだが。
「八柱狩りか・・・。おい!オフィーリアは無事か!?」
「念話すればいいだろ。」
「してっけど、出ねぇんだよ。」
「なら無事だろ。お前が嫌われてるだけだ。」
「えっ、俺嫌われてるの?」
知るか。
「・・・・・・。」
「オーケーオーケー、様子見てくるわ。ところでヨル兄ぃは?連絡しても反応無いんだよなー。何か知ってる?」
「さあな。魔王様とアイツがここにいた事なんてなかったからな。」
正直普段と変わらん。
「そか、まあ兄貴がやられるこたぁ無えだろ。メフィスト卿、あんたはどうすんだ?動くのか?」
私か・・・。
「別に何もせんよ。攻めて来るなら潰す。それだけだ。」
「いいね。シンプルで。じゃあ、俺はオフィーリアの様子見てから自分とこ戻るわ。何かあったら連絡くれよ。」
「ああ。」
「・・・おい、キース。随分前の情報だがオフィーリアはアル・ディライトと言う男と行動を共にしているようだ。彼は冒険者の様だが自分のエリア外で手を出すなよ?」
「・・・アル?今アル・ディライトって言ったか?」
闘気が迸る。
「ああ。」
「クハッ!ヨル兄ぃが言ってた奴か!前に会った時ソイツに負けたって嬉しそうに話してたぜ。そうか一緒にいるのか。」
コイツ。
「おい、くれぐれも・・・」
「分かってるって、オフィーリアの様子を見てくるだけだ。手は出さねえよ。」
「でもよ、、こんなワクワクすんの初めてかも・・・じゃあな。」
手をひらひら振って出て行く。
紅茶を飲んでいると、
「オフィーリアの城誰もいないんだけど!?」
キースから念話。
ああ、そう言えばローズマリーが自分の城にアスとオフィーリアを呼んだと言っていたな。うっかりうっかり。
ワンフロアに八柱4人か。ワルプルギスでも開くつもりか?
ーーーー 【シャンテル】ローズマリー居城 ーーーー
「ノエル、お願い。」
「・・・ん。」
朝、ノエルにエクステを付けてもらう。
「ふんふん♪うさぎ鍋ーじっくりコトコト煮込んでいくよー♪」
feel so good !
「・・・アル・・・上機嫌・・・。」
「うん、今日はアスとデート(ダンジョン攻略)だから。テレテレ」
「・・・・・・。」
ギュッ
「ひゃん!?」
尻尾を握られた。
「ノエル、尻尾掴むのやめて!」
ギュッギュッギュッ
「あっ、やあ、や、それだめぇ!ふーっ、ふーっ、あっ、あ、あ、あっ、やああ。」
やだ、このままだと・・・そうだ!
くらえ!【癒しの魔力】
アタシの魔力は全てのモノを癒し安寧へと導く。
「・・・えっ、何、ふあああぁぁ・・・。」
ノエルが恍惚の表情を浮かべ、ベッドに倒れる。あ、やり過ぎちゃったかな。
「・・・アルしゃまぁ・・・ふふふ。」
目がイっちゃってるけど、
うん!大丈夫そう!
着替えて部屋を出ると、あっ
「おっす、早いな。」
アスとばったり。
「おはよ。今日はよろしくね。」
「ああ。」
何だか昔に戻ったみたい。
・・・違うか、今は対等だけど前は従者みたいな扱いしてた。自己嫌悪。
【癒しの魔力】ふあぁ。これしゅき。
自分で落ちて自分で上げる。self-control。
朝食を食べ、ドワーフに2、3言付けた後、アスと共に8503階層へ。
夜だ。
獣化したアスに乗り闇を駆ける。
地上には大森林が広がっていて無数の魔物の気配がする。時折、炎や閃光、雷光が向かって来るが障壁で弾かれる。
火花となって散る様はとてもromanticで・・・。空には満天の星が広がり雰囲気を盛り上げる。
アスに抱きつく。あ、いい匂い。ナデナデ
「アス、相変わらず無口なんだね。」
「無駄口を利くと誰かさんに殴られるからな。」
むー、意地悪だ。
「ごめん。」
「ふ、冗談だ。お前は変わったよ。」
そうかな。そうだよね。
「・・・初めてあった時の事覚えてるか?」
そんな事を聞いてくる。
「うーん、どんな感じだったかなあ。あまりいい出会いじゃ無かった気がするけど。」
「はははっ!最悪だったぞ。俺の家を家族ごと消し去ったんだからな。」
あっ。
「ごめん。」
「別に責めてはいない。それが冒険者と言う者だろう。それより、なぜあの時俺を殺さなかった?それがずっと気になっててな。」
「うーん、良く覚えていないんだけど、別に死ぬ必要は無いかな、って思ったんじゃないかな。あっ、お城だって壊すつもりは無かったんだよ。結界破った時勢い余ってと言うか、力の調節が良く分かってなかったと言うか」
早口で捲し立てる。
「ああ、分かった分かった。まあ、そんな事だろうと思ったよ。お、出迎えのようだぞ。」
前を見ると鎧を来た魔族が数人こちらに向けて魔法を放っている。
「アス、相手しなくてもいいよ。突っ切って。」
「・・・ああ。」
魔法は障壁に弾かれる。剣を持った兵士が向かって来るが、ドンッ!
障壁に当たり吹っ飛んだ。
加速し兵士たちを置き去りにする。既に音速は超えている。障壁が熱で赤くなる。
ボスエリアが近づき兵士の数が増えてきたが構わず突っ切る。
「戦わないのか?」
アスには疑問の様だ。
「うん、無闇にヤるのは止めたんだ。もうリポップしないみたいだから。」
「・・・そうか。」
納得してくれたかな。
兵士たちが多重障壁を張っている。
手をかざし、魔力を流す。対象の魔力の流れを少し崩すだけで障壁は消え去る。
驚愕する兵士たちの横を通り過ぎる。
フロアボスの気配。上か。
巨大な影が神速で迫ってきた。奴の攻撃で障壁が破壊された。
ガキィイイイイイン!!
エクスを召喚し受け流す。衝撃でアスがグラつく。流しきれなかったか。
ドラゴンがこちらを睨みつけている。
「お前、アスモデウスか!?」
ん?知り合い?
「ああ、トーナメント以来だな。」
トーナメント?八柱を決める為に開かれたアレか。
「お前に敗れたあの日の事は忘れられないぜ。爪を研ぎ続けた甲斐があったな。ようやく再戦の機会が巡って来たわけだ。」
因縁の相手って感じか。
「アス、アタシは離れてた方がいいかな?」
そう聞くと
「そうだな、ここは俺が・・・」
「おいおいおい!お前何でそんな下等なメスガキに乗られてるんだ?下僕になったのか?ハーッッハハハ!こりゃ傑作だぜ!そのガキ共々始末してやるよ!ハハハッ!」
笑いが止まらないようだ。
「はぁー。ごめんアス、アタシにヤらせてもらえないかな?コイツ、ただのザコだわ。」
「ふ、そうだな。だが命だけは助けてやってくれないか?」
「だからアタシは破壊神じゃないから。ちょっと教育してあげるだけだよ。」
そう言うとエクスをバッグに入れ
「おうおう!ちいと待てや!まだ何もしとら」
エクスをバッグにしまう。
アスから降りボスと対峙する。
「ん?何だ、後で始末してやるから、ガキは引っ込んでな。」
はぁー、相手の力量も見抜けないのか。先ほどの攻撃は中々のものだったが生じっか力があるのも問題ね。
「初めましてトカゲさん、アタシはアルル、冒険者よ。このダンジョン攻略の為、悪いけど倒させてもらうね。」
自己紹介は大事だ。
「ガキいいい!トカゲだと!?殺す!」
爪が伸びてきた。
交わして腹に拳を叩き込む。魔力は込めていない。単純な物理で削り切ってやろう。
「ガフッ!・・・こ、このガキぃ!」
相手も必死に攻撃を仕掛けて来るが、遅い。意識を集中する程スローに見える。まるで止まっているようだ。まだ届かない。暇なので相手を観察する。デカい爪だなあ。当たったらどうなるかな?ちょとやってみようかな。
よし、受けてみよう。
バキン!
アタシに当たった爪は折れて砕け散る。見掛け倒しで脆いじゃん。がっかり。
「グッ!コイツ、お前何者だ。」
ああん?さっき名乗ったじゃん。
鼻を思いっきり殴る。鮮血が舞い竜は地上へ落ちる。
ズウウウウウウン
アタシも地上へ降りる。
「クソがああああ!」
口を開く。ああ、竜系必殺の魔弾かあ。割と見てきたからなあ。手をかざす。
「フレアザッパー!!」
ズァッ!!
一瞬昼間の様な明るさになるが攻撃は来ない。静寂が辺りを包む。
「な、何をした!?なぜ砲撃が消えた!?」
「ああ、ちょと魔力の流れを、ね!」
バキッ!ドガガガガガ!
竜の頬にキツめの一撃。大木をなぎ倒し彼方へと吹き飛んだ。
吹き飛んだ先へ移動、迫って来る竜を蹴り上げる。
バキッ!
凄まじい勢いで打ち上げられた竜に既に意識は無い。
成層圏に届くかと言うとこで止めの腹パン。
ドゴォッ!
再び地上へ。
ズドオオオオオン!!
地上に巨大なクレーターが出来た。
爆心地の竜は・・・焼け焦げ白目を剥いて舌をダランと垂らしてダウンしている。
何だろう香ばしい匂いが。
ん?息してるよね?手を鼻先に持っていく。
・・・んー、息してないわこれ・・・ん?。
えっ!?まって!ヤバいヤバいヤバいヤバい!
アスとの約束が!いや、こいつの命が!
どうする!?そうだ!医学書で見たぞ。心臓だ!心臓に衝撃を与えるんだ!
ドゴォッ!心臓に拳を叩き込む!
どうだ!?
死ーん・・・
「ああああああ!何で!?駄目じゃん!」
落ちつけ!まずはヒールと癒しの魔力を全力で展開。
傷はみるみる治って行くが心臓は動かない。
ディメンション!心臓の位置捕捉。魔力を送りつつ、ぶん殴る!殴る殴る殴る!
「ガハッ!」
おお!息を吹き返した!セーーーフ!久しぶりの緊迫感味わったよ。
竜系って耐久力ある方なんだけどな、コイツが弱いのか、アタシが強くなったのか。
「大丈夫?一瞬死んじゃってたよ?」
顔を覗き込む。
「ぎゃあああああ!!」
アタシから距離を取り全力で逃げる竜。何だアイツ。
ぽわん
転移の石碑が現れた。
「ははは、逃げて行ったぞ。情けない奴め。スカッとしたぜ。」
人間の姿になったアス楽しそう。それにお礼言われちゃった。
あっ、・・・抱きしめられる。
「今日は楽しかったよ。ありがとうアル。・・・肌白くてキレイだな。睫毛も長いし、本当に女の子みたいだ。」
顔に触れられる、あっ、耳だめぇ。
顔が近付いて来て、しちゃうんだ・・・ここで。
ズァッ
魔力反応。
アスから離れ魔力の砲撃を蹴り返す。
ズガアアン!
持ち主に帰って行く。
遠くでヒェッ!と言う声が聞こえた。
「こめん、アスちょっとアイツ捕まえてくるね。」
転移。
フルボッコにした後傷を癒やしてからアスの元へ。
「お待たせ。」
放り投げる。
ズウウウン
「馬鹿な奴だな。名前は確かサブナックと言ったかな。」
ふうん、そんな名前だったんだ。
寝ている竜に殺気を当てる。
「はうっ!」
目を覚まして辺りをキョロキョロ。アタシと目が合うとまた逃げ出した。
強めの殺気を当てると泡を吹いて墜落した。
話し合いにすらならないな。
魔力の糸で縛る。亀甲縛りと言ったかな。ノエルがバフォメットを拘束していた縛り方だ。
「はうっ!」
目を覚まして辺りをキョロキョロ。アタシと目が合うとまた逃げ出そうとするが。
「ぐっ!何だこりゃ!?」
縛られていて逃げる事が出来ない。転移を阻害する結界も張らせてもらったよ。
「ま、待ってくれ!命だけは!命だけは助けて!」
必死の命乞い。
「アス、どうする?このまま放置しても良いけど。」
正直興味が無い。
「そうだな。放っておこう。はぁ、帰るか。」
「あ、あのこれ解いて頂けないでしょうか?」
サブが何か言っている。アンタのせいでデートが台無しだよ。
ギンッ
殺気を当て気絶させた後縛りを解く。
振り返える、と
「アス、帰ろ!?・・・ん、ん。」
ーーーー 【シャンテル】ローズマリーの居城 ーーー
knock knock
「師匠!攻略直後に申し訳無いのですが稽古をつけて頂けないでしょうか?」
ラビィの声。
ガチャ
「ごめん、明日でもいーい?少し疲れてて。」
「は、はい。それは良いのですが・・・大丈夫ですか?顔が真っ赤ですけど。それに何か凄くHな感じが・・・ボソボソ」
「あはは・・・大丈夫だから。またね。」
ガチャ
ふーっ・・・
「はああああああ。もう!まったくもう!」
ベッドに飛び込み顔を枕に埋め足をバタつかせる。
んんんんんんんんんんん!
はああああ!
続く!




