75話 もぐもぐタイム
魔女の森に帰って来た。こっちは夕方か。
ってこの竜たちどうしよう。
村長さんに話すと数日なら客人用の部屋を用意出来るとの事。
短いな。それまでに拠点を探さなくては。
いやもう目処は立っている?のだが。
ふー。とりあえず。
「あなたたちって、お風呂とか入るの?」
カポーン
癒しの湯へ転移。
「アル様、ここは一体!?あのガラスの向こうにあるのは王都の大浴場ですか!?凄い!」
Yeeeeeeeah!
口々に感嘆の声を上げている。
竜たちも分かっているじゃないか。
「アタシは準備が有るから先に戻ってるよ。1時間くらいしたらまた来るから。」
ロッジに転移。
さて、着替えて祭りの準備を、
ガチャ
・・・・・・・・・。
えっ、待って?何で三角木馬に跨ったブリーフ一枚で亀甲縛りされて目隠しとボールくわえて気絶した山羊の獣人がアタシの部屋にいるの!?
情報量、多過ぎなんですけど!?
こいつの横で着替えるの無理、てか嫌なんですけど?
「ノエル!これ何なの!」
念話で話すと直ぐに現れた。
「・・・ん・・・山羊。」
それは知ってる。
「じゃなくてアタシの部屋に何で山羊がいるの?どっか持ってって!」
「・・・ん・・・。」
山羊と一緒に消えた。ふう。びっくりしたあ。
装備を変更したよ!
悪魔の角、チョーカー、ワンピ、ニーソ、ブーツ、悪魔の尻尾
安心安定のサキュバスコーデだよ!
外の広場へいく。料理の準備が進んでいる。
シーフード祭りがしたくて先に念話で準備して貰っていたのだ。
「総長!ちわああああす!」
「サーシャちゃん久しぶり。元気してた?」
シーフードと言えばこの子だろう。連絡したらお店を休みにして駆け付けてくれた。
有難い。後でお土産たくさん渡すからね!
「元気っすよ!店も大繁盛で学校なんて行ってる暇無ぇっすよ。」
そこは行かないとマズイんじゃない?
「アルルちゃん呼んでくれてありがとう。こんなに人がいるなんてねえ。おばさん張り切っちゃうわよ。うふふ。」
サーシャちゃんのお母さんにも来て貰ったよ。これで祭りの成功は確約された。
村の人たちも手伝ってくれてる。アタシも頑張らないと。
スパパバパパッ!
「アルルちゃん・・・それは魔法を使ってるのかい?便利ねえ。」
おばさんが不思議そうに覗いてくる。
「えっ、魔法って言うか、魔力?簡単だよ。イメージするけで・・・ほら。」
下ごしらえを手伝っているのだがDDを使ってやってたらめっちゃ驚かれた。
千切りも三枚おろしも秒で出来るからね。斬ることに関してアタシ以上の職人はいないんじゃない?
「何だかよく分からないけど、大したものだよ。それだけの腕があればきっと良いお嫁さんになれるよ。うふふ。」
ふあぁ、お、お嫁さん!?
「あ、ありがとうございます。テレテレ」
「アルル、あなた料理上手だったのね!?」
リリムいつの間に。そうだよ?料理上手の良いお嫁さんだよ!ドヤァ
切る事以外は全然だけど。てへぺろ
「ぐぬぬ・・・私も負けていられないわ!」
あら、どっか行っちゃった。
「きゃあああああああああ!」
女の人の悲鳴。どした!?
あっ!
中央のステージにさっきの山羊がさっきと同じ格好で三角木馬に跨っている。
ノエルのやつどこに移動させてんの・・・一番置いたら駄目なとこにピンポイントで置く?
「布が掛かっていたので不審に思って取ってみたら、この不審者が・・・」
お姉さん不快な思いをさせてごめんなさい。
村人がざわざわし始めた。マズイ。
ヒュン
とりあえずまたアタシの部屋に飛ばしておいた。
ふぅ、あぶない、あぶない。祭りが台無しになるところだったよ。
「アルル様ぁ遅くなりましたぁ。」
オフィーリア遅いよ!
「メシ!!」「にくー!」
ミコ、ニケ、どんな挨拶だ。
せっかくの祭りだ。彼女たちも呼んでおいたのだ。
抱きついてくる2人の頭を撫でる。心配かけたね。ナデナデ
「あらぁ、アルル様ぁ雰囲気が以前とは違うようなぁ?」
「多分アスと仲直りしたからじゃないかな。テレテレ」
かいつまんで事情を話す。
「アスと?へえ、そうなんですね。」
ん、冷気が。いや気のせいだろう。
ん?あれは、噂をすれば。アスに手を振る。
「アル、何だこれは。今夜は祭りだったのか。」
シーフード祭りだよ。
「アス!アス!」「モフモフ!」
「お前ら元気だったか?」
頭を撫でてあげてる。
子供たちも喜んでるよ。
「あら、あなたぁ、城に帰って楽しくやっていたのでは?」
そうなの?
「別に、コイツのいない日々は退屈で退屈で仕方なかったさ。」
!アスからそんな事言われるなんて!
「あー!お姉ちゃん、また発情してる!」「お兄ちゃんとつがいになるの?」
そうだよ?ふあぁ、恥ずかし。
「はぁ、馬鹿な事言ってないで屋台回るぞ。イカ焼き食べたいだろ?」
「イカ焼き!」「食べたい!」
3人は屋台の方へ。
「驚きました。アスがあんな事言うなんて。」
だよね。アタシもびっくりだよ。
「それにぃ、いつの間にかタメ口でしたけどぉ。」
ジト目で見てくる。ひぃん。
「アルル様ぁ、私の事も構って下さいねぇ。」
耳元で囁くの止めて。う、うん善処します。
「アル様、こちらにいらっしゃいましたか。ん?」
ローズマリーさんだ。
オフィーリアも気付いたみたい。
「あらあら、マリー、久しぶりねぇ。」
「雪女、あんた何でここにいるの?関係者以外は立ち入り禁止なんだけど?」
初耳だが?
「私は関係者よぉ。ただならぬ関係ってやつぅ?」
首に手を回され胸をさすさすされる。
ひゃん!
「止めなよ!アル様が嫌がっているじゃ・・・あれ、アル様その角は?」
「ああ、サキュバスコーデだよ。どうかな?似合ってる?」
「は、はい。とても良くお似合いで・・・何だかドキドキいたします。ハァハァ。」
それ魅了の効果なんだ。ごめん。
「こんな往来で発情するなんてぇ、相変わらず、どうしようもないビッチですねぇ。」
「はあ?アル様を誘惑する様な、ふしだらな女には言われたくないわ!」
大きな胸を突き合わせて睨みあっている。
何この2人バッチバチなんだけど。
「まあまあ、アタシは竜人迎えに行くから外すけど、楽しんで行ってね。美味しい料理たくさんあるから!」
イライラするのはお腹が空いているからだ。間違いない。
「アルル様は食べ過ぎちゃだめですよぉ、メインディッシュが控えているんですからぁ。」
腕を組んで胸を持ち上げる。ゴクリ・・・。
「くっ、このビッチが・・・。あ、アル様、私も・・・こ、心の準備は出来ておりますので!」
何の?
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癒しの湯へ竜たちを迎えにいく。
カポーン
ん、あいつらまだ入ってるの?
「アル様あ!そんなカッコして、どうしたのれすか?」
あー、酔っ払ってる。
「旦那あ、悪りぃな、先にやってるぞ。」
ドワーフのモンドと仲間たちが竜人たちと風呂で一杯やっている。
なんじゃこりゃあ!満員御礼じゃないか。
「アル様あ!エッロ!なんすか?ただのメスガキじゃないっすか!分からせてやっから、こっち来いよ!」
「おら売女あ!風呂場で服着てんじゃねえぞ!脱げや!」
「このサキュバス、アル様みたいでクッソ興奮するんだが?」
「アル様見てたら、ほらあ!おっきくなっちゃったあ!」ザパァ
何人かの竜人がベロベロになっている。
主に対して、その失礼な態度はどうなの?
指をパチンと鳴らす。
アタシに絡んで来た竜人が消える。例の湖に飛ばしたのだ。頭を冷やして来な。
「アル様すみません!若い竜は毒物耐性が弱くあのような失礼な態度を!」
酒は人を狂わすんじゃない、本性を暴くのだ!ってね。
魅了の効果もあるかもだから、このくらいの罰で許してあげる。
「いいよ、べつに。それより戻ってご飯にしよう!」
村に帰ると至る所から良い匂いがただよってきた。
「アルル様探しましたぞ。」
村長のアンお婆ちゃんだ。探してた?
「こちらへ。」
手を引っ張られ舞台へ連れて行かれる。
ちょ、何、何。椅子に座らされて、前にテーブル置かれ、布面積の少ないドレスを来た魔法使いのお姉さんたちが両隣に座りグラスに酒を注ぐ。何かのお店かな?
「皆の衆アルル様が来なすった!」
うおおおおおおおお!大歓声。何!?怖っ!
料理が次々と運ばれてくる。あっ、海老美味しそ。
「アルル様ささっ、どうぞ召し上がってくだされ。」
婆ちゃんが勧めてくる。
「じ、じゃあ、いただきます・・・。」
みんなめっちゃ見てくるんですけど!
先ずはサラダから。カニの身が山盛りなんですけど?前菜とは? もぐもぐ おいしー
「話はローズマリー様から聞きましたぞ。倒壊された街に新たな拠点を築くとの事。」
えっ!?そんな話したっけ?記憶が曖昧だけど多分してないよ?明日にでもローズさんに相談するつもりだったけどさ。城主?領主?の了解得て家でも建てようかと思ってたんだ。
「その拠点の領主にアルル様がなられると言うのじゃから、こんなめでたい事はない。」
は?領主?
「ローズさん、アン婆がアタシの事を領主とか言ってるんだけど・・・完全にボケちゃってるよ。ヒールで治るかな?(念話)」
「ふふ。アル様その者は、まだボケてはいませんよ?私が認めた方にあのエリアを是非治めていただきたいのです。」
「マ?」
面倒いからやだよ。
この海老は・・・もぐもぐ ニンニクが効いてておいしー。葡萄酒に合うわぁ。
サーシャちゃん家で食べたやつだ。無限に食べられるやつ!サーシャちゃんナイスー!
「そこで!アルル様にお願いがありましての!是非我々ランバー集落の住民もアルル様のお膝元で生きて行きたいのです!」
マ? もぐもぐ
「えっ、てか、この村、文明拒絶してるんだよね?その設定無視していいの?」
「ああ、それは一部の爺い婆あが言うとるだけでしての、我々若手はウンザリしとったんですわ。」
アン婆若手なの!?90軽く超えてるよね?
もぐもぐ あっ、このサーモンのクリームパスタもおいしー。
「そうなんだ。移住は反対しないけど、アタシが領主って言うのはダメだよ。政(まつりごと・政治)とか全然わかんないから。」
もぐもぐ
「アル様。何も心配はいりません。面倒事は全て私の配下やアル様の配下の者に丸投げすれば良いのです!(念話)」
自信満々なのは自分もそうして来たからなんだろうな。うーん、それなら・・・でも・・・。
「いいんじゃねえか?(念話)」
アス! もぐもぐ
「俺もお前は上で構えてる方が合ってると思うぞ。俺も、まあ・・・支えてやんよ。」
アス!!えー、めっちゃ嬉しいんですけど!
「今の話って、アルルが私たちの街の領主様になるって事!?凄いわ!もうポンプシュコシュコしなくても良くなるのね!(念話)」
リリム!シュコシュコらめええ!いや、生活に関する事とかアタシには決められないよ。
あっ!えっ待って!?アタシ凄いことに気づいちゃったかも!このバケットをお皿に残ったクリームパスタのソースにつけて・・・もぐもぐ やだ!おいC!パン幾らでも食べられるわ! もぐもぐ
「アルル様ぁ、私も配下の者連れてお引越ししますねぇ!楽しみですぅ!アルル様とぉ一つ屋根の下でぇ・・・やん!(念話)」
オフィーリア、一緒に住むの確定なの?
「まだ瓦礫が残ってるからね。復興したら呼ぶから良い子にして待っててね。」
「はーい、でもぉたまにぃ夜伺いますね!」
襲わないで!お願い! もぐもぐ
おいおいおいマジかよ!とんでもない物が運ばれてくる。テーブルマウンテンの様な馬鹿でかいステーキとロブスターの夢の共演だ!この二人、もう心の友だろ・・・。ゴールデンコンビなんてレベルじゃねえぞ! もぐもぐ はぁ、あのさあ・・・うまいに決まってンだろこんなの!いい加減にして!最高すぎるー! もぐもぐ
「アールルちゃーん!元気しとった?ワイやで!うちに全然けえへんから来てもうた!」
ベルじゃん。あれボスエリアから出られなかったんじゃ・・・ああ、アタシが結界破ったからか。 もぐもぐ 何しに来たんだろ?
「ちょっ!スルーやめてえ。ワイもな、折角自由になれたし拠点移そ思うてな。そしたらアルルちゃんが元八柱のフロアを治めるっちゅうやんか!こら、えらいこっちゃで!真偽確かめなアカン言うて、こうしてやって来たわけや。」
行動力すご。 もぐもぐ
「アルルちゃん、聞いとる?・・・・・・メスガキ!ゴルァ、何かいえや!ワイのジャンボシュリンプぶちこ・・・ふあ!?なんやここ?」
もぐもぐ
「ノエルまた部屋に不審者送ったから縛っといて。」
「・・・・・・。」
「ノエル?・・・ひゃう!?」
えっ、尻尾つかまれ・・・あっ!や!
「アルル!」
えっ?リリム?
「私も協力するから領主になって!お願い!」
リリム・・・はぁはぁ。
「ノエル止めて!お、願い。はぁはぁ、いまだけはやめてえ!(念話)」
やあああああ!
「やあ、だ、ダメえ・・・むり、もう無理だからぁ。」
「何で!?アルルなら絶対大丈夫だよ!」
両手を握りしめられる。リリムがアタシを真っ直ぐな目で見てくる。やめて、今は見ないで!
「ち、違うのリリム!ひゃん!何?」
尻尾舐められてる!?嘘、やだ、ノエルそんな事されたら・・・あっ、ざらざらしてるけと気持ちいい・・・はぁはぁ
ペロペロペロペロペロ
くっひいいいいいいいいん!
「アルル・・・凄く辛そう。不安なんだね?私が守るから大丈夫だよ。」
違うのリリム!あ、もうだめ!
「や、あっ!良い、良いよ!凄く、イっイイ!」
「いいの?領主になってくれるの?私と一緒に行ってくれる!?」
「良いの、イイ!あ、イクーッ!あっ、あ、リリムと一緒にイクからあ!」
ペロペロペロペロペロ
しゅ、しゅごいいい、いくいくいくいくううう!
「本当!?良いのね!行こう!アルル!私と一緒に新たな拠点に、新たな冒険に!」
「イッくうううううううううう!!」
バタッ はぁはぁ
「アルルありがとう!これ、お礼・・・私が作ったんだよ?」
もじもじしてるリリムかわいい。
何だろ・・・。包装を解く。チョコだ。
「ありがとう!リリム・・・嬉しいよ。いただきます。」
もぐもぐ
「どう・・・かな。不味かったら無理に食べなくても・・・」
「おいしー!凄く美味しいよ!甘さも丁度良いね。ありがと!」
リリムがガッツポーズしてる。かわいいなあ。
しかし、ノエルの奴ぜったいゆるさ・・・
あれ?あのロブスターにかぶりついてるのは・・・ノエル?
えっじゃあ!?テーブルに掛けられた布を捲ると、
「にゃあ。」
猫おおお!嘘だ、猫でアタシ・・・誰にも見られてないよね?
ああ、リリムちゃん、めっちゃ喜んでる。
集落の皆んなも。アタシが領主になるって言ったからか・・・。
まさか最後の一手を猫に決められるなんてね。はぁ・・・
「・・・すごっ・・・」
ノエル!?何?
「・・・まさかの・・・・・・猫イキ。」
にゃあああああああああああん!
こうしてアタシは新たな領主となったのである。
あっ、あのデカいクラーケンまだ食べてないや。あとでイカ焼きにしよう。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「アルルちゃん!ここどこや!この変態何やねん!なんで山羊がブリーフ一枚で三角木馬に乗ってんねん!めっちゃ怖いねんけど!?頭おかしなるでえ!」




