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絶望の果て  作者: 馨
73/103

73話 Dispair Revengers 3



またあの舞台を使うか。

「舞台のある階層に転移するがお前たちはどうする?」

フェリドの配下の竜たちに聞いてみる。


「もちろん我らも付いて行きます!」

左目に傷のある竜が代表して答える。


「アスお前はどうする?ここまで送って貰っただけで私は十分感謝している。もう城に戻っても構わないが。」


「・・・俺は。・・・・・・行きます。今度は最後まで見届けます。」

そう言うと人型に戻る。

なんだ、胸の奥が熱い。これは・・・。


「そうか、では一緒に行こう。」

皆を連れ4120層へ。


ビュオオオオオ!

強風の吹き荒れる舞台に戻ってきた。

テーブルマウンテンにはまだ結界が残っている。もう一度張り直す。


「エクス、相棒よ、また頼むぞ。」


「今回のやつはまた半端ないのう。それなんにヌシのそん余裕はどこから来るのじゃろ。げに不思議な男じゃ。」

なあに負けても死ぬだけだ。覚悟さえあれば恐れるものは何も無い。


「人型のままだが、それで良いのか?」

前は龍の姿だったが。


「姿、形には影響を受けないので、このままで。」


「そうか。では、おっと・・・その前に名乗らせてくれ。」

フェリドが頷く。


「アル・ディライト、人間で、このダンジョンを攻略している冒険者だ。」

アスの気配が変わる。

フェリドが目を見開く。


「・・・フェリド・ハウンド。転生者だ。」


「では、いざ尋常に・・・」


「勝負。」


ギィン!

フェリドの不可視の攻撃を剣で捌く。

ギィン!ギィン!

見えないだけで揺らぎを感じる事は可能。ならば用意に対処出来る。

数瞬で数千の斬撃の応酬。

斬撃を掻い潜りフェリドの懐へ。

まずは軽く挨拶。


シューティングスター・・・インフィニティ。


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

終わる事の無い神速の斬撃郡。

流石に交わしきれていない。押し切れるか?

ハッ!そう簡単には行かんか!


ズアアアアアアアアアアア!

天空へと伸びる光の柱。前回はあれを受けて消し飛ばされたんだったな。納得の破壊力だ。


「おう、主様よ、あん技は使わんのかい?」

あの技?スーパーノヴァか。


「ああ、奥義にばかり頼るのもどうかと思ってな。攻略と言うのをやってみたいんだ。」


「勝てる技があるんならよ、はよう使えばええんじゃ、主様の言う事はよう分からんなあ。」

そうだ、それが正しい。


スパアン!

DDでフェリドの腕が切断される。

私の斬撃も不可視に近い。

魔力の精密なコントロールを極めるとこんな芸当が可能となる。フェリドの不可視の攻撃と違いディメンションを使用しても僅かな揺らぎすら捉える事は出来ないだろう。エクスの力も借り、込められた魔力密度も想像を絶する。それほどの攻撃だ。体表面をガードしても無意味だと知れ。


シューティングスター


込めた魔力とディメンションの密度を上げるだけで別物の技に進化する。


スパパパパン!

向こうもディメンションを使用してガードしているようだが、私のものとは完成度が違い過ぎる。

フェリドにダメージが蓄積されて行く。回復も、もはや間に合っていない。


こちらに向かい例の魔力の砲撃を行うも、ディメンションの壁でいなす。正面から受け止める必要は無い。少し角度を付けて逸らすだけで良い。これも壁の密度が低ければ壁は破壊され普通に直撃するからな。リリム辺りは不可能な芸当だ。

フェリドの魔力は大幅に減り傷だらけになっている。

詰みか?いやまだ目が死んでいないな。

右腕に最後の魔力を集めている。

!そこまでするか!?生命力まで注いでいるぞ!

ハハハハハハッ!全く期待を裏切らん奴だ。

ギャラリーの周辺にディメンション・マルチ・ウォールを重ね掛けする。

さあ、準備は出来た。


「あんガキなんちゅう魔力量じゃ!主様よ正面からは危険じゃ。躱すだけで奴は自滅するけえ!さっきの壁でいなすんじゃ!」


剣を握る手に力を込める。

「何を言っているエクス?今のは私を気遣っての言葉として見逃してやる。」


「・・・主様、・・・・・・好きにせえ。」


「すまんな、白黒付けないと気が済まない性分なんだ。」


エクスに魔力を集める。


「!!? こ、これは!? 嘘じゃろ!この魔力の奔流!世界が消し飛ぶぞ!」


「任せろ。」

アスをチラリと見る。

技の名を借りるぞ。


フェリドが正面から突っ込んで来る。



「イクリプス・ストーム!」


「カタストロフ・カノン!」



最後の技が激突する。

光に包まれる世界。



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



ーーーー side アスモデウス ーーーー



光に包まれた真っ白な世界。


あの日の事を思い出す。

フェリドとの一戦、あのメスガキから解放された俺は城に戻り仲間と楽しくやっていた。女を抱き酒を呑む。以前と同じだ。

だが、虚しい。空虚だ。

最後の別れ際アイツは何を言おうとしてた?

俺は、あの言葉の続きが聞きたいのか?

馬鹿野郎!思い出せ!あの血と暴力に塗れた日々を!

気にいらない事があれば殴られ、容赦なく奴隷の様に扱われた日々。


今日だって急に呼び出したと思ったら足替わりに使われ・・・前とうって変わった態度で接してきて・・・やさしく・・・

!? 違う!ここに来たのだってあのガキの最後を見たかっただけだ!死んだのを確認して、笑ってやるつもりで・・・・・・

くそ!何なんだ!

あの戦いの前の口上。・・・初めて会った時言っていた・・・

それに最後の技・・・


「ああああああああぁぁぁ!ちくしょ認めるよ!認めてやるよ!お前がいない日々は退屈で退屈で仕方なかった!初めて会って敗北したあの日、お前の強さに憧れた!お前に惚れちまってたんだよ!もう男でも女でも関係無え!アルル!俺は、お前の事がどうしようも無く好きだあああああ!だから絶てぇしぬんじゃねえええ!!」



アス、ありがと。アタシもアスのことが・・・


光が収まり音が戻ってきた。

アルル・・・


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



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