72話 Dispair Revengers 2
あれからしばらくラビィに質問攻めに合う。
強さに対する憧れと言うか熱量が凄まじいのだ。鍛えれば相当な使い手になりそうだな・・・。
3人、3匹?を連れて魔女の集落へ。
ガイウスは気絶している虎を背負い銭湯へ行ったようだ。大丈夫なのか?
ロッジに着くとメイド姿のノエルが出迎えてくれた。姿を見せるとは珍しいな。
「ただいま、ノエル。無理を言って悪かったね。」
「・・・ん・・・別に。」
「客人は私の部屋かな。」
「・・・ん・・・」
私の部屋らしい。
ノックして中へ入る。
亀甲縛りで宙吊りにされたローズマリーが出迎えてくれた。薄いネグリジェからは下着が見えM字開脚。目隠しをされ、また口にボールを入れられている。
「ンーッ!ンーッ!」
何だこれ。
ホールの時より酷くなっているじゃないか。
ん?その奥にいるのはバフォメットか?三角木馬に座らされ、こちらも亀甲縛りで目隠しと、ボールを噛まされている。服は白いブリーフ1枚しか付けていない。威厳もクソも無いな。まだ気絶しているようだが起きたら発狂間違い無しだ。ふふ。
「何これ?師匠、変態だったの?そんな、でも私師匠に付いて行くって決めたから!受け入れるからあ!」
ラビィが盛大な勘違いをしているぞ?
「ノエル、私は見ていてくれと頼んだつもりなのだがこれは一体何のつもりだ?」
「・・・ん・・・暴れたら・・・困る。」
ロープで縛ればいいのでは?服を脱がせる意味は何だ?
考えるだけ無駄か。
「ローズすまない。うちのメイドが勘違いをしたようだ。今下ろす。」
ヨダレまみれのボールを外し目隠しをとる。
「えっ!?待って!アル様!何で!?嫌ああああああ!!」
やれやれ。
「ノエル、解放して服を用意してくれ。」
「・・・ん・・・。」
私はいない方がいいな。ん?ラビィは?あっ。
バフォメットを興味深かそうに見ている。
これは情操教育上宜しく無いな。
「ラビィ行くぞ。付いて来なさい。」
「は、はい!師匠!」
リビングに行き紅茶を入れる。
少しして、ローズマリーが入って来た。魔女のローブを羽織っている。
「ウチの者がすまなかったね。とんでもない勘違いをしていたようだ。本当にすまない。」
頭を下げる。
「あ、頭をお上げください。アル様!私は助けていただいて本当に感謝しているのです。」
ローズこそ人が変わったようだぞ。
「でも驚きました。まさかアイツも同じ部屋にいるなんて・・・。」
確かに自分を甚振ってた相手と同じ部屋であんな格好で縛られてたなんてゾッとする話しだ。
ノエルに詳しい事情を説明せずに丸投げした私も反省する必要があるな。でもまさかあんな事になっているなんてな。
駄目だ絵を想像するだけで笑いが・・・。
「・・・縛りには・・・自信がある。(念話)」
「ぶふぉ!」
ノエルの奴、何を言ってるんだ。紅茶を吹いてしまったではないか。
「アル様、大丈夫ですか?」
ローズに心配されてしまった。すまない。
「師匠、私ローズ・・・さんに謝らないと。利用されていたとは言え酷いことしてしまった。ごめんなさい。」
頭をさげる。
「もう、いいのよ。今後はアル様に協力してくれるんでしょう?宜しく頼むわね。」
「うん、師匠の事は私が守るから!」
お前が守ってくれるのか?頼もしいな。
「・・・チッ・・・また・・・メスが・・・。(念話)」
その言葉使い何とかならんのか。
ガチャ
「姫様!ガイウスから聞いたぜ!八柱の1人を倒したんだって!?」
彼はダニーだったかな?茶色い髪をした青年だ。魔術師か。
「ああ、彼女が・・・」
「くっそー、俺がぶっ倒したかったぜ!クソ雑魚だったんだろ?八柱って意外と大した事ないって噂あるよなあ!実際どうだったんだ?ハナシ聞かせてくれよ!」
「おい!小僧!お前大層な口を聞いているが、八柱を倒せる程の実力があるのか?」
ローズがイラつきながらダニーに話し掛ける。
あまり彼女を怒らせるなよ、ダニーくん。
「ん?お前だれだよ?可愛い顔してんじゃん?ヤバ、胸でけえ(小声)。なあ、ちょっと外行こうよ。色々案内してやるからよ!」
下心丸出しだな。若いから仕方ないか。
「アル様。」
ん?ローズ?私に許可を求めているのか?
「ああ、いいぞ、程々にな?」
礼をしてダニーと出ていった。
しばらくしてドオオオンと言う爆発音が響く。
さて、人も増えたし拠点を変える必要があるな。候補地は無数にあるがやはり、あそこだろうな。
ガチャ!バーン
「アルル!帰って来たのね!」
勢い良く扉を開けて入って来たのは、
この娘はリリムと言ったかな?
「ああ、そう悪くない旅だったぞ?」
「えっ、あなた誰?」
ほう、一瞬で見抜くか。やはりこの子が。
「ふふ。君も新しい拠点に招待しよう。私たちの事はそこで話すよ。」
「アルルは無事なの?」
不安そうにたずねてくる。
「ああ、心配いらないよ。少し眠っているだけだだからね。」
「そっか・・・うん、その時教えて下さい。」
良い子だ。
「・・・何人の・・・女の子・・・誑かしたの?(念話)」
人聞きの悪い事言うんじゃないよ。
ラビィとリリムが談笑している。歳が近い様だし良い友人になるだろう。
「すまないが、ノエル彼女にもお茶を入れてくれないか?私は少し出てくる。」
「・・・ん・・・。」
良い子だ。
一旦外へ出て、大浴場へ転移。
カポーン
「はあー、生き返るねえ!たまらんなあ!」
ここも大分変わっている。拡張され、部屋数が増えた。ちょっとした施設だな。
虎がプカプカ湯船に浮いている。
ガイウスの奴が放り投げて行ったのか。全く仕様の無い奴め。
軽く殺気を当てる。
「がはっ!」
湯船から飛び上がり3回転して床へ着地、あっ滑ってコケた。
「ここは!?」
辺りをキョロキョロ身回している。
「癒しの湯だよ。ティガー、お前は負けたのだ。もう一度ここからやり直すが良い。」
かつての私の様にな。ふふ。
「・・・姫様では無い、のか?あなたは・・・」
やはり獣人は鋭いね。
「アル・ディライトと言う冒険者だ。こっちへ来なさい。1杯やろうじゃないか。」
ここで呑む酒が格別なんだ。
ティガーと少し話した後着替えてアビスの街へ。
装備を変更したぞ。
フード付きコート黒、長袖のカットソー黒、パンツ黒、ブーツ黒、腰にエクスを帯刀
一つだけ言える心理がある。男は黒に染まれ。
この階層は朝の様だな。おお、かなりの復興度合いだ。皆慌ただしく動いている。
気配を探る。家にいるのか。転移。
巨大な龍の眠る巣へ。
直接目の前に行っても良いのだが些か礼に欠くのではと思い山脈の入り口へやって来た。
そうだな、せっかくだしアイツを呼ぶか。
「よお、久しぶりだな。起きているなら返事をしてくれ。」
「・・・アルル様ですか?」
「んー、まあ、そうだな、元気だったか?」
「は、はあ。」
「色々無茶な事ばかり言って済まなかったな。」
「い、いえ、そんな事は。」
歯切れが悪いな。まだ、気にしているのか。
「少し、散歩しないか?」
「・・・承知しました。」
転移で呼び寄せる。
一体の大きな獣が姿を表す。茶色の毛並みに覆われ頭には角。背には翼。
アスモデウスだ。
「ここは・・・。」
「龍の巣だよ。アスモデウス、お前と最後に旅したところだ。どうだい、もう一度行って見ないか?」
「良いでしょう。あなたが行きたいと言うなら・・・。」
そう来なくてはな。
アスに飛び乗る。少々硬いな。
この背中も私たちの関係も。ふふ。
「うむ、やはり良い長めだ。」
アスが迷宮内を飛翔する。
竜共がやって来るも、気を当てると逃げ帰っていく。
「アス、元気でやっていたか?」
「・・・はい、アルル様もお元気そうで何よりです。・・・少し変わられましたか?」
「ああ、少し、な。本質は変わってはおらんよ。」
「そうですか。」
「なあ、アス。また一緒に旅をしないか。やはりお前がいないと寂しいよ。もう酷いことはしないと約束しよう。」
「・・・本当に変わられた。その言葉嬉しく存じます。ですが・・・」
絡まった糸はそう簡単には解けないか。
「そうか。すまなかったな。このハナシは仕舞いだ。飛ばしてくれ。」
その後も戦う事無く最下層へ。途中から全く竜の姿を見なくなった。気付いたようだ。
巨大な神殿へ到着する。
アスから降り中へと入っていく。
そこには片膝を付き臣下の礼をするフェリドとその配下の者たち。
「アルル様、わざわざお越し下さいましてありがとうございます。」
「此方こそ急で済まなかったな。皆も楽にしてくれて構わない。」
「・・・雰囲気が変わられましたね?以前とは別人だ。」
龍神なら当然気付くか。いや、ここまで、かなりの者に気づかれた気が。そんなに違うのか?
「ああ、少しな。それより、まずは街の復興に尽力してくれた事に感謝を。ありがとう。」
頭を下げる。
「お止め下さい!アルル様!元はと言えば私の招いた事によるもの。」
気を使ってもらってすまんね。
「さっき少し見て来たが区画が整理されて、以前より良くなっていたぞ。」
「勿体なきお言葉。しかしそれ等は私では無く、ドワーフや街の職人たちの手腕にございます。」
「そう謙遜しなくても良いのだが・・・そうだ、配下の者たちは復活したのかい?」
「ハッ!全員甦っております!」
そうか、良かった。
「お前たち!この方が新しい長となるアルル様だ!魂に刻み込め!」
「ハッ!」
フェリドの後ろの竜たちが服従のポーズをキメる。
待て待て待て、長ってなんだ?
「すまないが、長になるつもりは無いぞ?復興への協力で街とのパイプも出来たと思う、街で暮らすも良し、ここで生きるも良し、好きにしてもらって構わない。フェリド、お前も自由に生きなさい。」
「アルル様、あなたと言うお方は・・・。」
「長よ!我らは長と共に有り!」
後ろにいる竜が声をあげた。
「長のいる所、我ら有り!」
次々と声を上げる竜たち。
「アルル様、こやつらの気持ち、汲んであげて頂けないでしょうか?あなた様に仕えるのが至上の喜びなのです。先程の言葉を聞き私もそう確信致しました。何卒我らをあなた様の配下に。」
狂信的なものを感じるが大丈夫だろうか。
しかし、ここまで懇願されると断り辛いな。
あっ、
「そうだな。一考の価値有りか。」
竜たちの歓喜の気配を感じる。
「ところで、私は1度お前に敗北している。負けっぱなしと言うのはどうにも性に合わなくてね。再戦をしてくれたら、お前たちを配下にという話、考えてやらなくもないが、どうする?」
「私は勝ったつもりは全く無いのですが、アルル様がそう仰るなら・・・全力でお相手致しましょう。」
ハッハー!やはりコイツ最高だ。
ようし、いっちょ、Revengeと洒落込むかあ!ふふふ。




