57話 フェリド
カポーン
へ?
ここは?癒しの湯か?
ああ、死んだらここに飛ばされるんだっけ?
もう長いこと死んで無いから忘れてたわ。
危っぶねえ!アスに告んなくて良かった!
メイヘムさん、ありがとう!
「おや、アルル様、今日は1人かい?」
「嫁と子供は留守番かえ?」
背の低い白髭の男が2人湯船に浸かっている。
ドワーフのモンドとガルムだ。
癒しの湯を増築する為週3日来てもらっている。
「いや、バトルで負けて飛ばされて来たんよ。」
何百年振りだ?いや何千年か?
「おいおい嘘じゃろ?サラマンドラを一撃で倒したアルル様が負けるとか。」
サラマンドラはデカいトカゲだ。今から考えると竜種だったのか?
ドワーフの村にちょっかい出してたトカゲから助けてやったのが、この2人と出会ったきっかけ。
礼など要らないと言ったのだがどうしてもと言うのでここの増築をお願いしたわけだ。
「トカゲは弱かったけど今回はデカいヘビが相手だったからね。強かった・・・あっ!」
ヤバい!こんなトコで爺さんたちと寛いでる場合じゃねえ!
「悪いもう行くわ!村の連中によろしくな!」
速攻転移しようとしたけどすっぽんぽんじゃん!
脱衣場へ。
「ああ!アルル様またエール頼むぞい!」
笑い声が聞こえる。ドワーフは酒好きだなあ。
コーデを紹介するね!
装備 ワンピ、ブーツ
急いで着替えたよ!
北の山脈 龍の住処へ転移。
23層の神殿に転移したはずなんだけどな灼熱の溶岩地帯になってるわ。
へビはどこ?
あっ、アレかな?
岩盤の上に龍の頭と胴体の1部が残ってる。
龍の前に降り立つと、
「・・・負けたのだな。私は。」
この状態で生きてるのか!
何だか、しおらしい。
「殺せ。」
「いいや、勝ったのはお前だよ。アタシの負けだ。」
手をヘビの頭に乗せ撫でてやる。魔力を注ぐ。
「何をしている?情けなど無用!早く殺せ!」
だーかーらーアタシは破壊神じゃないっての。
体の傷や欠損部分も治す。
「お前は一体何者だ。その力は・・・使徒、なのか?」
前にも言われたな。誰だっけ?
「何よ使徒って?女神に決まってンだろ。」
サラっと言ってみる。
「・・・女神・・・様。うぐっ、そうか。この暖かな光は・・・。」
何だこのヘビ、泣いてんのか?
魔力を注ぎ込む。大分回復したんじゃないか?
おや?ヘビの様子が・・・体から光が溢れて、みるみる縮んでいくぞ。
これって人化?
目の前には片膝をつく貴族服を来た男。
「女神様、お救頂き感謝いたします。」
顔を上げアタシを見る。
ええええええ、ふぁぁぁぁぁぁ
えっ、えっ!待って!すんごいイケメンなんですけど!?
年齢は人間で言うと40歳前後だろうか?
肩まで伸びたブロンドのウェービーな髪。
切れ長の青い瞳。顎髭。頭には龍の角が生えている。
貴族の服を来たダンディなおじ様。
うそ、やだカッコイイ・・・。
なんだろう、荒れ果てた荒野に光が差しこむような、この晴れやかな気持ちは。
【鑑定】
名前 フェリド・ハウンド
種族 龍神
加護 ドラゴンロード
異界からの転生者
はあああああ!フェリド様あああああああ!
はあはぁ、たまらない。
「女神様、私はフェリドと申します。」
挨拶されちゃった!
てか女神様って何よ!
嬉し過ぎるんですけど?テレテレ
「あ、アタシはアルル。ただの冒険者よ!か、勘違いしないでよね!」
やだ、リリムみたいになっちゃった。
「ふ、女神様がそう仰るなら、そうなのでしょう。アルル様改めて礼を。」
頭を垂れる。
えっ、何これ、最高なんだが?
ねえ、その髪ワシャワシャしていい?してもいいよね!
まてまて!落ちついてアタシ!また悪い癖でてるよ!
てか、ここヤバくない?
いつ噴火してもおかしくないぞ。ここら辺て火山帯だったのか。
「あんたの事は後で聞く。オフィーリア!」
近くに気配があったので呼んで見る。
オフィーリアがこっちに向かって飛んでくる。
「わっぷ!」
抱きしめられた!
「アルル様あ!ご無事だったのですねえ!気配が消えたから私てっきり!うわあああん!」
ああ、お風呂入りに行ってたからね。
オフィーリアをなだめる。ナデナデ
「悪いこれ何とか出来るかな。噴火しそうなんだ。」
「これくらい容易い事ですぅ。」
容易いんだ。
ん?オフィーリアが耳元で囁く。
「・・・こっちは収めますからぁ、今晩アルル様の煮えたぎったHなマグマを私の中へ・・・。」
えっなんて?
この非日常が彼女をおかしくしてしまったんだ。そうだ、そうに違いない。
オフィーリアが岩盤に手を乗せる。
「ブルー・フォレスト。」
パキパキパキパキ!
ズアアアアアアアアアアア!
すっげー。一瞬で辺り一面ガチガチに凍っちゃったよ!魔法の使えないアタシには出来ない芸当だ。
あっ。
フェリド様の足も凍ってるんですけど・・・。
「アルル様ぁ、この者は?」
めっちゃ怖い顔。
「ああ、今度アスの代わりにうちのパーティーに入る事になったフェリドだよ。よろしくね!」
「えっ」
「えっ」
2人が小さく声を上げた。
まあ、今はアスみたいに気軽に用は頼めないけどねー、いずれ長い時間をかけてアタシ好みに・・・フヒッ
アタシは邪悪な笑みを浮かべるのだった。




