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絶望の果て  作者: 馨
50/103

50話 Nightmare アルルvsリリム


─── side コニー ───


ハァハァ。

久しぶりに心臓を掴まれるような恐怖を感じた。

私の選択は正しかったのだろうか?


「コニー、汗凄いよ。顔色悪いしどうしたの?」

ご主人が心配して話し掛けてくれる。

この魔法使いの少女リリム様に会ったのは1ヶ月程前。



あの悪夢のカウントダウンに間に合わなかった私は殴られ街から遥か離れたこの森へと飛ばされたのだ。

伸びている私を介抱してくれたのがリリム様だった。

「凄いダメージね。体中の骨が折れているわよ。」

暖かい魔力が私を包む。遠くで例のカウントダウンが聞こえた気がしたが私は意識を手放した。


彼女に介抱されるうち体の傷だけでなく心の傷も治っていった。

破壊神は私に飽きたのかカウントダウンはピタリと止み安息の日々が訪れた。

以来この森で魔法少女と暮らしている。

彼女は転生者で魔王を倒すためこの王国に召喚されたようだ。

先程舞台にいたメイヘムと言う男も仲間で魔王を倒すため試合に参加している。

私は直ぐにピンと来た。

この2人のターゲットはあのメスガキだと。

間違いなく殺される。そう思っていたが2人の能力を知り、これならあの破壊神を倒せるのでは?と希望がわいた。

とにかく異常な能力と言うか魔法なのだ。

数回魔物狩りに同行したのだが強力な個体を一方的に屠って行く様はまさに勇者。

この方たちならばと望みを託したのである。

それに彼女に乗って貰った時の幸福感と来たらどうだ?あの地獄の日々を忘れさせてくれる。もう一生この方にお仕えしよう、と決めるのにそう時間は掛からなかった。


「また例のカウントダウンが聞こえたの?私がコニーの事守ってあげるから大丈夫だよ。」

天使。魔物の私が言うのもなんだがまさに天使と言う言葉が相応しい。

リリム様が付けてくれたコニーという名も気に入っている。どこかの破壊神とは違いセンスがある。


「ご心配お掛けして申し訳ございません。もう落ちつきまし・・・た。」

ファアアアアアアアアア!!

ハァハァ、あぁ!ついにこの時が来てしまった。


破壊神アルル来襲!!


「来ちゃった!てへっ」

ホウキに乗った魔女がそこに居た。

一見するととても可愛らしい魅力的な少女だ。だが私は知っているその仮面の下に隠されたおぞましい本当の顔を。


「!!?まさか、あなたの方から来てくれるなんてね。魔王さん。」

リリム様の魔力の高まりを感じる。


「もう皆アタシの事、魔王って呼ぶけどちがうからね!」

破壊神だよな!


「メイヘム、魔王と接敵しているわ。今直ぐ来てちょうだい。」

リリム様から念話が。1人でもイけると思うが2人の方が確実だと踏んだのだろう。


「メイヘム?聞いてるの!?」


「あー、ごめんね。結界張らせてもらったよ。誰も呼べないし誰も来ないから。ニヤ」

ゾッとした。なんて顔をするんだ。私は選択肢を誤ったのか?


「へえ、別にいいわよ。あんたヤルくらい造作もないんだから。」

余裕のリリム様。確かにそれだけの力がリリム様にはある。


「そっか。それは楽しみだね。」

ホウキから降りてバッグからステッキを取り出した?魔法勝負をする気か?でも魔法使えないんじゃ???


「コニーから聞いてるのわよ。あなた魔法使えないのよね?なんのマネ。」


「コニーじゃなくてユニ子ね。魔法は使えないけど魔力は使えるよ。」

そう言ってステッキから魔力弾を打ち出す。

私の横の大木が消し飛んだ。

汗が止まらない。


「中々の威力だけど、魔力を変換出来ないと話にならないわよ。こんな風にね!」

リリム様から風の刃が放たれた。


ギャン!ゴオオオオオ!!

メスガキに当たって左右に別れる。

後ろの木々が暴風によって凄まじい勢いで吹き飛ばされていく。


「・・・硬いのねあなた。」

メスガキには魔力を感じないのにどうやって今のリリム様の攻撃をふせいだ?不気味過ぎる。恐ろしい。


「本気で固めた私の魔装は壊れない。来なよ。少し遊んであげる。」


「その余裕ムカつくわね。」

リリム様のロンドに魔力の集束。


「ザナディウムレイザー!」

シュン!

光の束がメスガキの頭に直撃する。

あれは皮膚の硬いメタルドラゴンを消し炭にした魔法だ!

やったか!?

・・・なんだ、あれは。

メスガキの顔に当たったレイザーが跳ね返されて空に一筋の線を描いている。


「目を狙ったみたいだけど関係ないから。アタシの魔装は砕けない。」

化け物だ。傷一つ付けられないなんて。


「あなたカチカチね。今のがダメならもうアレしかないか。」

ロンドを構えた。

やるのか!アレを。

私がこの方の勝利を確信したあの魔法を。


「ディメンション•ディスコネクト!」

これなら魔装の密度など関係ない!何故なら。

ズパアアアン!!

空間を斬る能力だからだ!

メスガキは真っ二つになったか!?


ファアアアアアアアアアアアアアア!!?

何で切れてないの!?嘘だろ!


「な、何で。そんな事ありえない!空間ごと切り裂いたのよ!何で、そこにいるのよ!」

メスガキは傷一つなくそこに立っている。


「今のは良かったよ。魔装じゃやられてた。だから張らせてもらったよ。ディメンションの盾を。」

盾だと?ヤツも使えるのか?空間魔法が!?


「あ、あなた魔法は使えないんじゃ・・・。」


「魔法じゃないよ?魔力で空間に干渉しただけだよ。こうやって。」


ドパパパパパッ!

「!!?あっあああああああああああゆびぃ、わたしの指がああああああああ。」

リリム様のロンドを持つ右手五指が切断されロンドを離してしまう。

まさか今の空間を切ったのか!?


「あなた雑なの。空間の歪みでバレバレ。あれじゃ防いでくださいって言ってるようなものだよ?これは、もっと緻密に瞬時に行うのがキモなの。」


スバッ!

指を失った右手、今度は手首が切られた。

血がドッと吹き出す。あの量は不味い!失血死してしまうぞ!

「ああああああああ!止めてえ!もう止めてえええ!!、痛い痛いよおおお!!」

失禁し涙を流すリリム様。


悪夢だ・・・

もう見ていられない。


「アルル様、お願いします!彼女を助けてください!私の命と引き換えに!」

もうこれしかない!


「なんで?アタシがユニ子ヤルわけないでしょ?この子は調子に乗ってたから、ちょっと注意しておいた方がいいかなって。それだけだよ?」

注意するのに手と指を切断する必要あるか?やはりコイツは異常だ!


「じゃあユニ子、一緒に帰ろっか?」

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ


「そ、それは・・・。」


「嫌なの?」

絶対に嫌だ!


「ああああ!いやあああ!あああああ」

!!絶叫するリリム様を見る。

左手の親指が無い!?


「どうする?指、無くなっちゃうよ?」

悪魔めえええええええ!


「・・・ねがいします。彼女を助けてください。アルル様と帰ります。だから、お願いします!彼女を!」


「うん、ユニ子ならそう言ってくれると思った。彼女ならもうすでに治したから、大丈夫だよ。」

え?見ると失われた手と指が再生されている。リリム様はあまりの激痛に気絶してしまったようだ。



「あ、ありがとうございます!」

もう私にはどうする事も出来ない。なあに、さっき1度死を覚悟したんだ。どうって事ないさ。ははは。


「あっ、でも勝手に主人変えちゃダメだよ。ユニ子はアタシのモノなんだから。」

なんだ、この安心感は・・・。この破壊神の所有物と見なされて安堵したのか。

ある意味この方と一緒にいるのが一番安心とも言えるが。


「じゃあ罰ね。」

えっ?ブベラッ!、

過去最大級の衝撃と共に吹き飛ばされる私。

どこが安心だ、秒で死にかけてるじゃないか!

くっ!意識が、飛びそうだ。だが手放しては・・・ダメだ。転移の準備をしなくては。

ほら、アルル様の声が聞こえる・・・。


3、2、いーち、


ゼロ!

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