49話 Mayhem vs 魔法少女リリム
夕方頃舞台の修復が終わる。2回目だと直すのも早いな。
舞台を2度も粉々にしたアタシは破壊神とか言われてるみたい。結界が弱過ぎるだけなのにね。
準決勝第2試合は魔法使いリリム対メイヘムだ。
2人とも午前中にトーナメントで試合をしているがほぼノーダメージと言う事でこれから準決勝が行われる。
ちなみに辺りは薄暗くなって来てはいるが、魔法の照明があるため会場は明るい。
「それではこれより準決勝、第2試合を行いたいと思います!まず入場してきたのはメイヘム選手です!オボロ選手の抜刀術を破り準決勝へと進んで来た実力者であります!」
歓声が凄い。特に女性ファンからの。
「コイツは剣技も凄いが回復系のスキルがやっかいだな。多少の切り傷なら瞬時に回復しちまう。どこまで切り刻めばぶっコロす事が出来るのか興味深いな。」
まあそうなんだけど、言い方!
「続いて入場して来たのは魔法少女リリム選手です!」
三角帽子に腰まである銀髪がフワフワの少女。
野太い歓声が上がる。男性ファンが多いようだ。
声を拾おうかと思ったが、止めた。
「このお嬢さんは実力が未知数だ。まともにヤリ合った試合が無いからな。」
そうなんだよなあ。ほぼ不戦勝だったし。
2人が舞台に立つ。
ん?何か引っ掛かる。
アタシのディメンションは全てを看破する。
あの二人念話してるな。聞いてみようか。
最近は対象に触れなくても魔力の周波数?的な物を合わせるとパスを通せるようになったのだ!
どれどれ。
「だーかーら、私が爆発起こした後倒れるから近くに立ってればいいのよ。」
ん?
「俺が決勝行っていいのか?」
「別にあんたでも私でもどっちでもいいのよ。あの程度のガキ余裕でしょ?」
それアタシの事言ってる?イラッ。
「あの馬鹿げた力だ、手こずると思うぞ?」
ほう、分かってるじゃないか。それでも上から目線はイラつくが。
「攻撃力にステ極振りしてるだけでしょ?余裕よ。」
・・・。
「魔王が武術大会に参加とかどんな冗談かと思ったけど、本当に参加してたとはね。」
魔王が参加してるの?
「決勝であなたが倒してミッションコンプリートよ。」
あれ?アタシが魔王みたいな言い方してない?
まあ、舞台破壊したり魔王っぽい演出はあったけどさ。
こんな、か弱い少女を魔王呼ばわりは酷くない?
てか、あの二人、魔王討伐しに来たなら冒険者なのかなあ。
「じゃあ、そう言う事でよろしく。」
「ああ。」
話がまとまったようだ。
ドーン!
ドラが鳴り試合という名の茶番がはじまる。
リリムはド派手な魔法をバカスカ放ちメイヘムが剣で薙ぎ払って行く。
一見すると凄まじい試合に見える。実際ヨハン君レベルでも対応するのは至難の技だろうが、
「あらぁ、あの二人組手でもしてるみたいねぇ。知り合いかしらぁ。」
八柱クラスの目は欺けないんだよなあ。
「メイヘムが勝つよ。賭けてもいい。」
何を賭けようか?
「アルル様ぁ、何か知ってますよねぇ?ズルいですぅ!それじゃあ賭けになりません!」
ふふ、そうね。
ズガアアアアアアン!
舞台中を飲み込む大爆発が起きる。
巨大な炎の渦が天まで伸びている。ド派手な演出だ。
炎が収まり煙が晴れると粉々になった舞台の中央に、横たわる少女と傍に立つ男の姿が。
「おーっと!リリム選手がダウンしています!今確認しております。・・・!リリム選手気絶により勝者!メイヘム!」
大歓声!まあ盛り上がる試合内容ではあったけどさ。
リリム綺麗過ぎだろ。ホコリのひとつも付いてないって演出雑過ぎないか?
「コニー来て。」
ん、リリムから念話が飛んだぞ。
上空から何か来る。
あっ!
「おーっと!空から何か降りてきたぞ!あれは・・・ユニコーンでしょうか!?伝説の生物、天空の覇者と呼ばれるユニコーンです!」
・・・・・・。
「リリム選手の元に着地しました!おや、リリム選手の傍に座り顔を擦り寄せているぞ。心配している様子です!」
・・・・・・。
「メイヘム乗せて。」
念話。
「ああ。」
「おっとメイヘム選手がリリム選手を抱き抱えユニコーンに乗せたあ!清らかな乙女しか乗れないと言われるユニコーンにのっています!まるで絵画の様な光景です!」
ユニコーンに乗った後今目が覚めましたぁ、えっなんでユニコーンが!?的な演出をして天空へと帰っていったとさ。
会場中から大歓声が起きたのは言うまでもない。
はぁ、突っ込み所満載だが、まずは
「ユニ子だよね?」「あのお姉ちゃんにあげたの?」
「最近見ないと思ってましたがぁ、主人変えたんですねぇ。」
そうあれはユニ子だ。カウントダウンもとい呼び出しても来ないからしばき・・・心配して居たのだが最近色々ありすぎて失念していたわ。
随分と幸せそうな顔をしていたな・・・。
どれ、呼んでみるか。
「アルル様ぁ、怖い顔で笑ってますぅ。」
ふふ。
「ユニ子?聞こえるかな?長い間連絡しなくてごめんね。もう怒ってないから帰っておいで。皆すごく心配してるんだよ?」
優しく言ってみたがどうだ?
返事がない。
あのさあ!お前の誰の所有物か分かってるわけ?ちょっとかわいい娘いたら靡くとか最低なんだが?久しぶりにやるかあアレ!
「3、2、いーち、」
「ハァハァ。」
何か小さな息づかいが聞こえたような。
「ゼロ!」
来ないな。ふーん。そっかー。
「オフィーリアちょっと出てくるよ。子供たちとご飯食べといて。」
「了解ですぅ!」
まあオフィーリアの事だから察しているだろうな。
さて、彼女は演出家のようだからアタシも少し乗ってあげようか。
テレポで宿屋の自室へ。
衣装チェンジだよ!
装備 魔法使いの三角帽子、魔法使いのローブ、ミニスカ、ニーソ、ブーツ、ホウキ
魔法使いにジョブチェンジしたよ!
ククク、ユニ子。今会いに行くよ。
邪悪な笑みを浮かべるアタシ・・・。
これ半分魔王だろ。




