47話 朧 vs Mayhem
トーナメント4回戦
ロキ君を破ったオボロと謎の男メイヘムが登場する。
歓声が上がる。女性の声が多いなあ。
メイヘムさんイケメンだからね。
オボロも狐の仮面付けてるが、オーラが凄いぞ。
「予選を圧倒的な強さで制した2人の登場だ!未だ実力は未知数。どちらが準決勝進出を決めるのでしょうか!」
「メイヘム様美しいわあ。」
「さぞ名のある貴族なのでしょう。」
「オボロ様の所作ふつくしい。」
「2人が舞台に立つだけで尊みが凄い!」
「舞台になりたい・・・。」
「絶対仮面取ったらメス顔してるよねえ。」
「メイ×オボ誘い受け(迫真)」
よく分からないけど盛り上がってるみたいだ。
「・・・何者だ。貴様・・・。」
「これから死ぬやつに名乗る名などない。」
「・・・そうか。」
ドーン!
ドラが鳴る。
メイヘムの剛腕がオボロのこめかみに迫る。
ズバッ!
血飛沫が舞う。
メイヘムの拳が裂けた。抜刀術で迎撃されたのだ。
しかし裂けた拳を気にもせずラッシュを放つ。
あれま、もう裂けたとこがくっついてるよ。回復系のスキルか。
切られても切られても直ぐ回復してる。
これはメイヘム有利か?
スピードがどんどん早くなってるぞ。
オボロはスレスレで避けたが仮面に当たって割れてしまった。
あら?まあ!
三白眼の鋭い目付き。悪そうな顔してるな。左目の周りにデカい傷があるな。あれを隠してたのか。
犯罪組織のボスの雰囲気十分だ。
会場の一部から悲鳴にも似た声が。どうかしたのか。
「かっけえええ!何だよブサイクだから隠してたんじゃないのかよ!」
「はぁ、オボロ様・・・尊い・・・。」
「腰に差してる刀の鞘になりたい・・・。」
「メスとか言ってた奴出てこいや!俺様系のドSじゃねえか!」
「メイ×オボ襲い受けなんだよなあ。」
「ご飯3杯イケますわあ!」
いやだから何なんだ。
おや、オボロの様子が。
今までは本気じゃなかったのか。
額から角が生えたぞ。
ヨハン君と同じ鬼人だったんか。
空気が変わった。
「それが、お前の本当の姿か。」
「・・・ああ、もう遊びは終わりだ。」
「ふっ、いいだろう。」
メイヘムは余裕あるな。
手を宙に伸ばすと、何だ?
大剣を召喚したのか?赤黒い禍々しいオーラを放っている。魔剣の類か。
んー、持ち手が刃になっていて血が流れている。血を吸って魔力に還元してるっぽいな。
オボロは腰を低く落とし居合の構え。
バウッ!
「メイヘム選手から凄まじい闘気が吹き出ている!この一撃に掛ける!そんな気迫がうかがえます!」
「ラストテンペスト」
「業・羅刹」
剣と刀が交差する。
オボロの方が速い。
ズバッ!
腕を切り落とした!
衝撃波が結界の障壁に当たり振動する。
決着か!?
は?腕から出た血がゴムみたいに伸びて、
バチーン!
腕くっついちゃった!
ズアッ!
袈裟斬りに斬られるオボロ。
出血がヤバイぞ。
メイヘムの斬撃は終わらない。
オボロも対処しているが最初に受けたダメージが大き過ぎた。
いくら鬼人と言ってもすぐ回復するのは無理っぽいな。
血飛沫が舞い上がる。
数瞬の斬り合いの後、
あっ。
「メイヘム選手の攻撃を止めて背を向けました!これは一体?・・・あーっと!オボロ選手気絶しています!仁王立ちで気絶!メイヘム選手の勝利です!」
歓声が起こる。
「メイヘム様あ!素敵!」
「膝を折らないオボロ様もカッコイイ!」
「っぱメイヘム様最強はっきりわかんだね。」
「オボロ様の上の雲になりたい・・・。」
「血濡れのオボロ様・・・いいゾ〜これ。」
「メイ×オボの薄い本あくしろよ!」
「ごちそうさまでしたあ!」
人気あるんだよな、これ?
メイヘムの腕が斬られたのを視認したのは何人もいないだろう。それ程瞬時に回復したからね。
これは崩すの難しそうだぞ。
「メイヘムって何者なのでしょうかぁ?あの回復力は魔神級ですぅ。」
ふむ、久しぶりにあれ、やってみっか!!
【鑑定】
名前 メイヘム
年齢 32歳(時間停止中)
種族 人間
加護 捲土重来
「嘘だっ!!」
あっ思わず叫んじゃった。
「お姉ちゃん?」「?」
「アルル様ぁ、どうかされましたぁ?」
「ううん、ごめん。ただのフラッシュバックだから。」
3人ともキョトンとしてる。
しかし、人間とはね。アタシと同じとこから来たのかな。えーと、なんて国だったかな。
何も思い出せない。年取り過ぎましたわ。取ってないけど。
後で話でもしてみようかな。
午後から準決勝、相手はヨハン君か。ヤりずらいなあ。
露店で昼食を食べていると見知った顔に声を掛けられた。
ロキ君だ。
「お久しぶりです!アルル様!」
ん?様?
「アルル様の剣を真似ていたらディスペア流ってスキルを覚えてて、俺嬉しくて、嬉しくて!」
涙目で興奮している。
「ちょっと待ってロキ君。アタシの事はアルルって呼んで!様付け禁止!」
「それは出来ません!アルル様は俺の師匠なんですから!」
「あぁ、この子が先日言ってた、お弟子さんですかぁ。」
ちょ!オフィーリアさん!?
「師匠が俺の事を弟子と?・・・うおおおおお!!」
ほら!こうなるから!
「アルル様がぁ、君の試合見て目をうるませて、感動したぁ!って言ってたよぉ。」
オフィーリア貴様!
「し、師匠が俺の試合を・・・うおおおおおおおお!」
もうやだぁ。どうしよう、面倒だなあ。
ん、ふと横を見ると肉にかぶりついてる子狼。使えるな。ニヤリ。
「あー、ゴホン。弟子になりたいならそこのニケ君に勝つのが条件ね。」
「もきゅ?」
かわいい。
「子供と戦うのですか?」
「違う違う、腕相撲だよ。」
「はあ、師匠がそれでいいなら。」
「全力でやってね?」
「えっ、は、はあ。」
肉を頬張りながら腕を付くニケ。念話で軽くねと言っておく。
この食いしん坊が八柱の側近とは誰も思うまいよ。
テーブルに腕を付け手を組む。
はぁ、ロキ君、魔力だけじゃ測れない者たちがいるって事知った方がいいよ。
「アス、結界。」
「御意。」
「Lady Go!!」
ズガァン!
テーブルぶち壊してロキ君が床に叩き付けられた!
周りの皆に注目されたじゃないか。
あのマヌケどこに障壁張ったんだ?後でお仕置だな。
「ぐあ!!」
あら、腕が折れて骨が。
やり過ぎだよ。
治してあげる。
「すいませんでしたあ!もう1回お願いします!」
涙目で懇願するロキきゅん。
「ロキィ、アタシ言ったよなあ、本気でやれと。お前、試合なら死んでたぞ?」
「す、すいません。見た目で判断を誤りましたあ!」
「その誤りが生死を分ける舞台に立ってるって気付いてる?ディスペア流会得したからってあんま調子くれてると死ぬぞ?」
軽く釘を刺す。
「まあいいや、で、もう一度だっけ?ニケ、どうする?」
「いいよー!ぼくも本気でやっていいの?」
「コロしちゃうからダメ!」
青ざめるロキ君。
「すんませんした!イチから出直してきます!」
まだまだだねえ。仕方ない少しサービスしてあげるか。
「ロキ、次の試合でディスペア流を見せてやる。お前の剣の先にあるアビス(深淵)、見逃すなよ?」
なんてね。
「はっはい!師匠!学ばせていただきます!」
涙目で歓喜に震えてる。はぁ、どうして皆こうなっちゃうんだろ?やっぱり魔性の女なのかなアタシ。
「まぁた悪い顔してますぅ。」「メス犬!」
メス犬は関係ないだろ。ないよな?




