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絶望の果て  作者: 馨
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46話 魔法少女リリム vs 近衛兵エレナ


寝ているオフィーリアを起こさないように銭湯へ行き、体を洗った後着替えて朝食を取る。

昨日の件をマーキスに相談。


「こちらで片付けますので、ご安心を。」

だって。片付ける・・・怖っ。やり過ぎなければいいけど。

ボスでもないのに頼み事しちゃったよ。これ借りになるのかな。


「朝だよー。ほら、起っきして!」眠たい目を擦る子狼とオフィーリアを起こし、いつもの朝市で朝食を買い会場へ。

確か第3試合は魔法少女(アタシじゃない方)と王国の兵士が対戦するんだったかな。



「これよりアビス武術大会。トーナメント3回戦を行います!」


選手が入場して来たよ。三角帽子を被った魔女だ。


「まだ実力を見せていないこの少女。果たしてここに立っているのは偶然か必然か!魔法少女リリム!」

歓声が上がるも無反応、全く愛想がないな。クールキャラとも言える。


反対側からは魔法を付与した鎧と剣を装備した兵士が登場。ブロンドの髪をポニーテールにしている。


「16歳で騎士に憧れ田舎から上京し早13年。田舎の両親に孫の顔が見たいと言われても剣を降り続けました。」

へえ、29歳なんだ。若く見える。


「大会の後、田舎に帰りお見合いをする段取りが組まれています。しかし彼女には騎士団に想いを寄せる彼が・・・。」

よく調べたな。


「ちょ!?シャロン!もう止めて!全部嘘よ!」

係員に止められてるぞ。


「この1戦がターニングポイントになるのは間違いない!未来をその手で掴み取れ!王国 近衛師団 エレナ!」


アガレスの奴大爆笑してるよ。


「うぅ。」

戦う前から憔悴してるけど大丈夫かな。


2人が舞台に立ち剣と杖を構える。


ドーン!

ドラが鳴り第3試合が開始された。


即座にエレナが距離を詰める。飛び道具でも無い限り剣士は近接戦闘がメインになるのだ。魔法で膂力を強化しているんだろうな。

速い!

しかし、


ドン!

障壁に阻まれる。剣を振るうも弾き返された。あの剣士の攻撃じゃ厳しい、いや無理だな。全く壊れる気配がない。戦法考えないと終わっちゃうぞ。


「クリスタルレイン。」

ズガガガガガ!

リリムを中心に現れた数百の鋭い水晶がエレナを襲う。

剣で逸らしたり弾いたりするも全てはかわせない。

決してエレナが弱い訳ではないんだ。あの剣さばき、騎士団でもかなりの手練だと思う。


でも、相手が悪すぎる。


「くっ!」

腕や足に痛々しい無数の切り傷。


「悪いわね。あたなが大変なのは分かるけど私も手は抜けないの。田舎に帰っていい人でも探しなさい。」


「ハァハァ、ど、どいつもこいつも・・・。勝手に人の将来、決めないでくれる!?私には私の目指す場所が、ある!」

気迫のこもった斬撃。しかし届かない。

絶対に負けられない戦いがそこにある!って感じか。


「大怪我する前に降参した方がいいと思いますよ?実際あなた予選で死にかけてましたよね?」

よく見てんね。確かにアタシが治療しなきゃ死んでたかも。


「ああ、なんで、腕が元に戻ったのか・・・不思議だ。神がまだ戦えると言ってくれているのかもな。」

神ねえ・・・。


「ならば、ここでコロしてあげましょう。」

遠距離から水晶の弾丸が降り注ぐ。

エレナは魔装の密度を上げて防御に専念しているがリリムの魔法の前では紙装甲だ。


「くっ!まだだ、まだ終わりじゃない!」

血しぶきが舞う。片膝をついてしまった。

ちょっと不味いな。エレナを取り囲む無数の刃。


その時、舞台に駆け寄る騎士の姿が。

「もういい!降参してくれ!エレナ隊長!」

あの女騎士の知り合いか?


「ジャン!?・・・何しに来たの・・・。試合中よ、舞台から離れなさい。」


「試合を止めて下さい!僕が悪かったんだ・・・。5年も付き合ったのに・・・一方的に振ってしまって・・・。」

あー。それは、かわいそうだ。


「ちょ!あ、あなた、ここがどこか分かっているの!?話は後で聞くから帰って!」


「いえ!あなたが戦いを止めるまで帰りません!自暴自棄になるのは分かります!でもこれじゃ自殺行為だ!冷静になってください!隊長!」


「は?私は冷静よ。それより自暴自棄って何?私はあなたと別れられて清々してるわ。」


「なら、ユミルに嫌がらせするの止めろよ!」

ん?誰だろ?


「嫌がらせなんてしてません。」


「稽古と称して虐めてるだろ?彼女、体中アザだらけだったぞ!」

それはダメだよ。


「へえ、裸見たんだ。いやらしい。」


「べっ、別に見たっていいだろ!か、彼女なんだから。」


「え、もう寝たの?相変わらず手が早いのね。」


「好きだから抱いたんだ!文句あるか!?」

男らしいな。開き直りとも言えるが。


「信じられない。あんな汚らわしい売女のどこが良いの?誰彼構わず誘惑する雌犬だよ!?」

口悪いなあ。


「お姉ちゃん!ばいたってなあに?」「めす犬!」

!!いかん、これは子供の教育上よろしくないぞ!

オフィーリアとアイコンタクト。

2人の耳を塞ぐ。


「おい!彼女の事悪く言うの止めろよ!お前よりよっぽど素直で可愛いわ!〇〇〇も上手いし〇〇〇だってOKしてくれる女神だぞ!」

ジョン!止めろ!


「〇〇〇なら私だってやってあげたでしょ。気持ちいいって言ってたじゃん!」

周りが見えてないな。


「気を使って言ってただけだぞ!お前の〇〇〇俺の〇〇〇に〇が当たって全然気持ち良くなかったわ。」

誰か止めたげて。


「えっ、なんで?なんで、そんな酷い事言うの?」


「お前が彼女の事雌犬って言ったからだろ。」


「・・・もう、いい!話したくない!帰って!早く帰って!」


「ほら、直ぐふてくされるだろ。そう言うとこがムカつくんだよ。」


「だからもう何も言わなくていいから!もうどうでもいい!」


「どうでもよくないだろ?謝れよ!」


「もうやだあ!何年も尽くしたのに入隊2週間の新人に寝取られるとか・・・私馬鹿みたいじゃん。うっ。うわあああん。」

泣いちゃったよ。


「けっ!嘘泣きしてんじゃねえぞBBA!泣けば済むと思ってるだろ?なあ!バレバレだぞ?」

ジョン君!それ以上はいけない!


「・・・コロす!あんたなんか・・・ぶっコロしてやる!」

ジョンに向かって走り出したぞ。


「おい、止めろってバカ!わ!あっぶねえだろ。」

エレナが剣を振った!あれマジっぽいな。ジョン逃げて!


「うわあああああああ!!」

「あああああああああ!!」

追っかけっこして消えちゃった。

ポカーン。


「エレナ!ちょと、待って!あっ!?し、失礼しました!」

実況のシャロンさんも動揺してる。


「すまない!戦士長として深く謝罪する。団員には厳しい処罰を課す事をここに約束する!」

田舎に帰るの決定したな。


「あのー、私の勝ちでいいんですよね?」

リリムまだいたんだ。


「さ、3試合目、勝者、魔法少女リリム!」

まばらな拍手。


何これ?

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