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絶望の果て  作者: 馨
45/103

45話 ジゴロ夜飯&レストランへ行こう!


座席に戻るとベルはいない。

そりゃそうか。

「お姉ちゃんおかえり!すっごく強かった!」「てんかむそう!」

どこで覚えた?


「アルル様ぁ猫耳お似合いですぅ。はぁはぁ。」

息が荒い。猫耳の魅力の成せるワザか。


さて、次の試合は、

「それでは第2試合!亜流々連合 親衛隊隊長、兼、2番隊隊長 夜飯選手対ミーナ選手の試合を始めます。」

それやめて!

亜流々連合ってなんだ?どこの組織だ?なんて声が聞こえてくる。うぅ。


ヨハン君とミーナが舞台に上がると歓声が。

「ヨハン様ステキ!」

「隊長!この試合に勝ったら、私と・・・!」

「ヨハン様に無茶苦茶にされたいの!」

「色気凄っ、濡れてきちゃった・・・。」


チッ、ヨハン君のファンが増えてるな。

アタシのヨハンきゅんに色目使わないで!


「ヨハン選手凄い人気ですねえ。アガレス騎士長は彼と戦っていますが、どんな選手なのでしょうか?」

そういえば予選で戦っていたな。


「そうだな、あれほどの芯の通った熱い男はうちの騎士団にもおらん。技術はもちろんだが、心の強さも騎士には必要だ。ヨハンは全てを兼ね揃えている。ぜひうちの騎士団に欲しい人材だ。」


「騎士長がベタ惚れですねえ!ではミーナ選手はどうでしょうか?」


「知らん。」


「へ?」


「戦いを見ていないからな。でも見た感じ弱そうだぞ。あのお嬢ちゃん怪我しないうちに帰った方がいいんじゃないか?」

ヨハン君贔屓が過ぎるぞ戦士長。


ヨハン君の魔力の高まりを感じる。

ロキ君もそうだったけど伸び代が凄いな。

ミーナはただ立ってるだけだ。


ドーン!

ドラが鳴り戦いが始まる。

キンキンキンキンキン!

ヨハン君の剣がミーナを襲うが全て弾かれる。攻撃が弱いわけではない防壁の密度が凄いのだ。


「オラッ!」

キィン!

渾身の一撃も弾かれる。

ミーナは一歩も動いていない。

その後もありとあらゆる角度からの攻撃を仕掛けるもその全てが防壁に阻まれる。


「ミーナ選手!ヨハン選手の猛攻を涼しい顔で防いでいます!」


「ヨハン!貴様、気合いを入れんか!そんな障壁ぶち壊してやれ!負けたら許さんぞ!」

あんた解説者だよね?


「よお!テメェやる気あんのかよ?俺の攻撃防いでるけどよまるで気合いが入ってねえ、人形かテメェ?」

そうだ。

ミーナは外から魔力で操られてる人形みたいなものだ。

あの防壁も本人の意思じゃない。

そんなの、


「つまらねえぞ!」

ふっ。


ドドドドッ!

ミーナの手から魔力弾が放たれたるも、その全てを剣で逸らしていく。


「・・・そこだな。」

ヨハン君の目が光る。


「これは総長に捧げる技だったんだがよ、試し打ちだ。」


凄まじい魔力の集束。


「ドレッドノート・・・」

ヨハン君の剣に魔力の渦。


ヤバイ気配を感じたのかミーナの正面に瞬時に展開される多重結界。


ヨハン君の口元が・・・笑ってる?


「スマッシュ!!」

振られた剣は大気をも切り裂く切れ味。

スパパパパパパ!

紙の様に切り裂かれる結界。

ミーナの首筋を擦り一筋の傷をつけた。


ガクリ。ドッ。

倒れるミーナ。

ピンポイントで魔力の供給源の糸を断ち切った。


オオオオオオオオオオオオ!

大歓声が巻き起こる。


「第2試合!勝者 亜流々連合 親衛隊隊長 兼、2番隊隊長 夜飯!」

その肩書き・・・、もういいや。

次のアタシの対戦相手はヨハン君か、楽しみだけどやりづらい。


「ガッハハハハハ!やはり俺の予想通りだったな!次の試合もたのむぞ?ハッハハハハハ!」

早く降板させた方がいいぞ、そのおっさん。


倒れているミーナを抱き起こすヨハン君。

ミーナが目を覚ましたようだ。

「こ、ここは?」


「大会の舞台上だぜ。やっぱ操られてたんだな。大丈夫かよ?」


「えっ!うそ!ヨハンくん?えっ本当に!?」

ヨハン君に抱きかかえられてる事に気がつき狼狽えてるみたい。


「何これ夢みたい。」涙ぐむミーナ。

あれ、なんかイラッと。


「ふっ、お前も大変だったな。控室まで運んでやんよ。」

!お姫様だっこ・・・だと!?

真っ赤になった顔を両手で覆いつつ隙間からヨハン君を見つめるミーナ。


カッコいいやら羨ましいやら色々な声を背に退場する2人。


「ガッハハハハハ!やるじゃねえか!対戦相手をお持ち帰りとはな!次の試合に疲れが残らないように程々にな?ガッハハハ!」

アガレス黙れよ。実況のお姉さんも困ってるぞ。


「今の子ぉ、誰に乗っ取られていたのかしらぁ?」

オフィーリアも気づいてたか。


アタシも昔やった事あるかも。

魔物操るやつ。またやってみようかな。


ピンポンパンポン。

「本日はご来場いただき誠にありがとうございました。第3試合は明日10時からです。お気をつけてお帰りください。」


「お姉ちゃん!今日は何たべる?」

「ぼくお肉!」

毎日肉食べてるよ?


「シーフードでも食べようかな。」

この辺海から離れてるからめちゃくちゃ高いんだよ。そう言う店って貴族多くて敬遠してたんだけど気軽に入れそうな店を見つけたからそこ行こうかな。


- Restaurant seafood public -


カランカラン

「いらっしゃいませませー。」

とっぷくを着た女の子が出迎えてくれた。

とっぷく!?サーシャちゃんだ!

「へっ?そ、総長じゃないっすか!?総長がうちに!?あわわわわ!」

うち?


「あらあら、お友達?」

ん奥から女性が、あっサーシャちゃんのお母さんか。目元が似ているな。あとアホ毛も。


「アルルと申します。娘さんには学院で大変お世話になってます。」


「まあ!あなたがアルルちゃんかい!サーシャが毎日の様に話してるよ。私の憧れの人だってね!」

そうなんだ、テレテレ。


「ママ!私が注文取るからあっち行ってて!」


「あらあら。みなさん、サービスするからゆっくりしていって下さいね。ふふ。」


「総長すみません、見っともないとこ見せてしまって。」

テレてる。かわいい。


「いやいや、優しそうなお母様で羨ましいよ。」

本当にサーシャちゃんが真っ直ぐ育って良かった。今は迷走してるみたいだけど。


「お姉ちゃん、はやくご飯たべよー。「おなかすいたー。」

「こらぁ。お行儀悪いわよぉ。先に行ってますねぇ。」 


「うん。」

気を使わせてしまった。


「総長、あの方たちは?ご家族ですか?」


「ああ、親戚のお姉ちゃんとその子供。」

と言う設定だ。


「そうですか。よし、ちゃんと仕事してる所見てもらわなきゃ、第一印象が大事だって言うし。総長にふさわしいオンナだって認めてもらわないと・・・。」

なんかブツブツ言ってるぞ。


席に着き店内を眺める。雰囲気のいい綺麗な店だ。貴族はいないみたい。子供向けのメニューもあるぞ。


「お、お待たせいた、いたしました。こちら、ひゃう!」

コケた。

素早く料理の乗った皿を受け止めテーブルへ置く。


「ご、ごめんなさい総長、料理が、はれ?」


「どうかした?あっ、お客さん呼んでるよ?」


「はっはい!」

小走りで飛んで行った。またコケなければいいが。


「何かぁ、危なっかしい娘ですねぇ。・・・気になるんですかぁ?」


「まあね、学院で出来た始めての友達だから。」


「そうですかぁ、何か嫉妬しちゃいますぅ。」

ほっぺを膨らませてる。かわいい。ふふ。


カランカラン

「いらっしゃい、ませ。」

ん?


「おう、姉ちゃん!3人だ!席に案内しろよ!」

酒瓶を持った男たち3人が入ってきた。貴族っぽいけど。


「もう来ないでっていったよね?」

なんだ雰囲気悪いな。


「てめぇ、客に向かって何だその態度は!」


「客じゃないだろ。早く帰ってくんない?」


「だーかーらーよー。この書類にサインしてくれたら2度と来ねえよ!」

机にバン!と叩きつける。


あっ!これあれだ異世界の書物で読んだことあるぞ。

地上げ屋とかいったか?あの手この手で嫌がらせして売却や譲渡の書類にサインさせて土地奪うやつだ!多分。


お母さんが店の奥から出てきた。大丈夫か?

「娘がすみません!でもここは亡くなった主人が残してくれた思い出のつまった店なんです。ここが無くなったらあたしは、」

「ママ、大丈夫だから。」


「おいおい、被害者ぶってんじゃねえぞ!こっちは正規の方法でやってんだ!早くサインしろよ!」

店の中がザワつきだしたぞ。


やれやれだぜ。


「アス、子狼たちを頼む。」

アスに念話を送り海老にむしゃぶりついている子狼たちを回収して貰う。


「ちょと、そこのお兄さんたち、一緒に飲まない?」

テーブルに誘う。


「ん?おっ、いい女がいるじゃねえか。」

手招き。

3人を座らせる。


「ねえ、安くしとくから今夜どうかな?アタシみたいな子供っぽい子は嫌い?」

耳元で囁き太ももを指先でくすぐる。


「嫌いなもんかむしろ大好物だ!いやしかしこの店が・・・。」


「そか、ザンネン。お店戻らなきゃ。お客さん来てるかもだし・・・。ち・な・み・に、どんなプレイでもOKだよぉ。てか、無茶苦茶にされたい気分かも・・・。」

上目遣い。


「ああー!はぁはぁ、分かった!いいだろう望み通り無茶苦茶にしてやるよ!」


「おい、待て!俺たちは?」


「あん?そっちの姉さんと遊べばいいだろ!」

オフィーリアを指差す。


「何人でもぉ、相手してあげるわよぉ。」

乗ってくれてる。すまぬ。


「いや出来れば俺もそっちの子の方が・・・。」

マジかよ。キモ。


「みんなでヤレばよくない?早く行こうよう!」

早く外いこ。外。


「女神かよ・・・。」


「明日また来るからな!」

捨て台詞を残し店を出る。


「今日はついてるぜ!こんな上玉とヤレるなんてなあ。はぁはぁ!クッソ宿屋はどこだ!?足腰立たないくらいヤッてやるからな!宿屋はどこだあ!」

必死過ぎだろ。


バタバタッ

「お触りはぁ禁止ですよぉ?」

後ろを歩いていた男たちが倒れている。


「て、てめぇ、何しやが・・・」

バタッ


「アス、こいつら街の外れに捨てといて。」


「ハッ!」


「オフィーリア嫌な役をさせちゃったね。すまない。」


「アルル様の為ならぁ何でもいたしますぅ。でもこのお礼はぁ今夜きっちりしてくださいねぇ。」

妖艶な笑み。


「ああ、楽しみにしておけよ?足腰立たなくなる程、滅茶苦茶にしてやる。」


「はうぅ!」

アスと一緒に消える。


さて次は、


店に戻り

「皆さんお騒がせいたしました!お詫びにアタシからワインを1本づつサービスさせていただきます。ごゆっくりお楽しみください。」

サーシャちゃんとお母さんが心配そうな顔でこちらを見ている。


「もう大丈夫ですよ。料理の用意出来ますか?」


「え、ええ、もちろん。ありがとうアルルちゃん。」

涙を流しながら厨房へ。


「総長、アタイ何てお礼を言えばいいか・・・。」

サーシャちゃんも涙ぐんでいる。


「今はそれよりワインの準備して!アタシも手伝うから!」


トイレで着替えたよ!


装備 メイドブリム(フリルのカチューシャ)、クラシカルなメイド服、ブーツ


給仕服はこれしか持ってないよ!


「ワインお持ちしましたあ。」

ワインを抜栓しお客さまのグラスに注いでいく。


「可愛いらしい給仕さんね。」

ありがとう。テレテレ。


「あれ、君、今日武術大会出てなかった!?」


「・・・出てました。」


オオオオオオオオ!

ヒートアップする店内。


「握手してください!」

「サインいただいても良いかしら。」

「ファンです!付き合ってください!」

「生たま子かわええ・・・。」

「色気がスゴすぎる件について」


何かカオスだけど盛り上がったからよし!


お客さまが帰ったあと、

「総長、あざああっす!」「アルルちゃん私からもお礼を言わせてちょうだい。ありがとう本当にありがとう。」

感謝されるのも悪くないなあ。


「でもアイツらまた店に来るかも・・・。」

サーシャちゃん不安そう。


「インフェルノに知り合いいるから、この店に近づけるなって頼んどくよ。」

ポカーンて顔してる。


「え、アルルちゃん、あなたインフェルノの関係者なの?」


「今日の試合でインフェルノの掃除屋さんと知り合いになりまして。」


「よく分からないけどあれは恐ろしい組織なの!絶対に近づいちゃダメよ!」

そうなの?


「さっきの糞野郎共の所属してる組織の上にいる組織の遥か上にいるのがインフェルノなんすよ。そこに知り合いいるとか・・・マジパネェ!やっぱウチらの総長は最強だ!」

サーシャちゃん、お母さまの前でその言葉使いは・・・。


その後学院の話しながら軽く食事して、お金を払う払わないで揉めに揉めて帰って来たら日付変わってるよ。

はあ疲れた。みんなもう寝てるよね。

自室の扉を開ける。


!!? ゴクリ・・・しゅごい。

これは足腰立たなくなるかも。

アタシが。

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