41話 アビス武術大会 予選2組目 ロキvs裏社会の男たち
予選2組目。
無双してる奴いねぇが〜。
良い動きをしてる子発見。
ロキ君だ。
あっ囲まれた。強いと狙われるよねえ。
って早っ!瞬殺なんですけど。前に道場で会った時とは別人だ。ちょっと乱れてた魔力の流れを整えただけなんだけどなあ。
握手した時にちょこっと。
てか、あの動き・・・。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
ん?上から何か降ってきた。流星!?
ズガガガガガガガ!
参加者は次々と被弾。8割くらいは退場かな。
中々の使い手がいるようだ。
あっ!うちの連合の子たち全滅じゃん!不甲斐ないぞ!
って、また、降って来た!
さっきのが小雨なら今度のはゲリラ豪雨って感じ。
動いてるやつに向かって正確に落ちている。
もう落ちて来ないのかな?もう一回みたいなあ。と会場中の誰もが上を見上げた時、選手の足元から突き上げるように伸びた氷柱。
ロキ君大丈夫かな!?おっ、剣で防いでる。
ダメージ負った奴にダメ押しの流星で止めか。容赦ねえな。死者でてないよね?
選手は4人まで減っている。
アタシの手ほどきで覚醒したロキ君。
狐の面を付けた着流しの男。
眼鏡掛けたおっさん。
刺青のおっさん。
「あの眼鏡をかけた白髪のおっさん、あいつ王国を拠点にしたマフィア、インフェルノの掃除人マーキスやで。」
えっ、殺し屋なのに顔バレしていいの?
スーツを着た褐色のおじさんだ。
やだ、カッコいい・・・。駄目!またフェロモンを嗅ぎつかれる!鎮まれー鎮まれー。
「着流しの男は裏社会を牛耳る犯罪組織 華宮の長、オボロや。」
いやだから表舞台に出て来ちゃ駄目だろ。
黒髪で狐の面を被って刀を2本下げている。
胸元がセクシー・・・誘ってるよね?あれ。
はぁはぁ、あっ、隣から視線が、鎮まれー、静まれー。
「刺青の奴は裏武闘会の覇者、コーディな。あの顔のキズ、マーキスとヤりあった時のらしいで。」
裏ばっかりじゃん!暗躍しなさいよ!
短髪を後ろに撫で付けた髭面のおっさんで、顔の傷と刺青。ワイルドで素敵ね。ぽっ。
正直抱かれ・・・何でこっち見るの!発情してないからね!鎮まれー、鎮まれー。
「縄張り争いで最近ドンパチやっとるからな。ここで決着付ける気やろ。」
詳し過ぎるだろこいつ。どうせ、焚き付けたのお前だろ。奴ら殺気漲らせてヤル気満々じゃねえか。
ロキ君、怖いおじさんたちに囲まれちゃったよ。
「さて、皆さん、どう致しましょう?4人で殺し合うか、別れて殺し合うか。」
マーキスがメガネを上げながら話す。
「俺はこのキズの借りを返しに来ただけだ。」
コーディがマーキスに殺気を込めて言う。
「・・・・・・。」
オボロは無言。
ロキ君も何も言わず剣を向けている。
「分かりました。では私の相手はあなた(コーディを指差す。)、オボロさんの相手はそこの少年でどうでしょう?同じ剣士ですし、かなりの使い手とお見受けします。」
「・・・お前に仕切られるのは癪に触るがいいだろう・・・。」
オボロがロキ君に相対する。確かにあの攻撃をかわし今立っているだけで相当な実力者と言える。
「ロキだ。」
「華宮筆頭オボロ・・・。」
瞬間姿が消え刀と剣を打ち合う音が鳴り響く。
ヨハン君やアガレスさんクラスの打ち合いしてるぞ。ロキ君この1ヶ月で相当修練したな。
感動だよ。
「ロキ君がんばれ!勝てるよ!」
あっ思わず叫んじゃった!
「アルル様ぁお知り合いですかぁ?」
「知り合いって訳でもないけど・・・弟子?」
「イミフですぅ。」
「弟子かいな、ほな師匠はもっと強いんやろなあ。ニヤニヤ」
そのニヤニヤやめろ。一変シメて・・・
ドォン!ズガガガガガガガ!
大気の震え。もう1組も始めたようだ。
あっちは空手の肉弾戦か。
コーディの猛攻をいなし続けるマーキス。
鋭い必殺のラッシュが続く。
あっ、マーキスさんの蹴りが側頭部にクリーンヒット!したけど効いてない?タフだなあ。
「やはり無手では貴方にダメージは与えられませんか。」
「出し惜しみしてんじゃねえぞジジイ。」
ダンディなおじ様にジジイ呼ばわりは失礼じゃないかな?
「そこまで老けてはいませんがね。クク」
余裕のおじ様素敵。
「それじゃあ手段を問わず行ってみましょうか。」
瞬間コーディがぐらつく。
精神系魔法か?
「アイシクルジャベリン。」
コーディに向け数十の氷柱の槍が射出される。
やはり魔術師はおじ様だったのか。
「むああああああああああ!」
素早いパンチで槍を落とすも何発か被弾してしまう。
今の攻撃の間に距離を詰めたおじ様が再び肉弾戦を挑む。今度は攻撃が通りまくる。精神系魔法で魔力の流れを阻害してるのだろう。
「て、てめえ、何しやがった汚ねえぞ!」
「クク、最高の褒め言葉をありがとう。そしてさようなら。」
おじ様が離れるとゴーディの直上に無数の光が。
「メテオフォール。」
ドガガガガガガガガガガッ!!
煙が晴れるとゴーディが死体となって倒れていた。いや死んでないか、辛うじて息はあるようだ。
歓声に包まれる場内。
「ブラボー!おじ様ブラボー!」
アタシも興奮して叫んじゃった。
「アルル様ぁ、おじ様って、あの方もお知り合いですかぁ?」
「ううん、違うけどダンディで素敵な方だなあって。テレテレ。」
「アルル様ぁワタクシ以外に色目使っちゃダメですぅ!」
抱きしめて胸を押しつけてくる。デカい!
別に色目は・・・、使ってる?
「アルルちゃんは少年からジジイまでイケるんか?やるやん。」
えっ、ダメかな?
長く生きてきたせいか、色々な部分が変質してる気がする。まあ、それも個性って事でいいじゃない。
あっ、ロキ君は!?
ボロボロじゃないか!
肩で息をしている。身体中に切り傷が・・・。
「向こうは片付いたか・・・。此方も終わらせよう・・・。」
刀を鞘に仕舞い居合の構えを取るオボロ。
「はぁ、はぁ、絶対に勝つ。あの子の剣に少しでも近付く為に!」
ロキきゅん!!お姉さん胸がときめいて来ちゃったよ。はぁはぁ。マズイマズイ。
「あはは!お姉ちゃん、また発じょ・・・むぐぐ。」
ニケの口を塞ぐ。
ロキきゅんがんばれ!
会場内を静寂が包む。
目を瞑り集中するロキ君。
あれ、これまさか。
「いくぞ!シューティングスター!」
キタキタキター!!
マジかよ!そこまでか!胸が熱くなる!やっぱり修得してたんだ、ディスペア流!
神速の移動からの神速の斬撃群!
迎え撃つオボロは
刀に尋常じゃない魔力の集束。
「抜刀術 羅刹。」
ズバババ!
交差する2人。
ドッ・・・。
倒れるロキ君。
オボロの勝ちだ。
あれ、オボロの右腕にキズが・・・。
「・・・俺も、まだまだだな・・・。」
凄いぞロキきゅん!あの手練れに一撃入れるなんて!師匠は感動したぞ!
「アルル様ぁ、目がウルウルしてますけどぉ・・・。」
「ごめん、弟子の奮闘に感動しちゃって。ちょっと様子見てくるね!」
そう言って運ばれて行くロキ君の元に向かう。
「なあ、お姉ちゃん、あのサキュバスはホンマ何者んや?」
ベルゼビュートがオフィーリアに尋ねる。
「ワタクシのエチエチな彼女でぇ、いやらしいご主人様のぉ、次期魔王様ですが何かぁ?」
「アタマ痛なって来たわ。」
広場に設けられた救護所に向かう。
数多くの負傷者が手当てを受けている。
ロキ君はどこかな。あっちか。
回復術師が魔法を掛けている。
深いキズだ。このままだと死んじゃうよ!
魔力をロキ君に流し細胞レベルで修復を行う。
「なんだ、身体中に魔力が。あれだけのキズが塞がっていく!こんな事が・・・。」
回復術師がビビってる。これくらいにしておこう。
「アルル・・・ごめん・・・。」
ロキ君がうなされながら呟く。
「ロキ君、見違えたね。とってもカッコ良かったよ!ゆっくり休んでね。」
念話で囁くとロキ君の寝息が聞こえて来た。
もう大丈夫だろう。救護所を後にする。
ついでに他の負傷者も応急処置だけはしておいたよ。
「さあ、次はアタシの番だ!」




