35話 キプロス学院
また1人惚れさせてしまった。罪作りなアタシ。
「アルル様が邪悪な笑顔を浮かべているのですぅ。怖いのですぅ。」
オフィーリアが失礼な事を言う。
ミコとニケはまだ眠っているようだ。
大会は来月と言っていたな。まだ時間はありそうだ。次は学院にでも行ってみるか。ミコ、ニケは遊ぶ時間が減って悲しむだろうがオフィーリアがいれば大丈夫だろう。
さあて学院生活か、楽しみだな。
ニヤリと笑う。
「禍々しすぎですぅ!」
そうかな?
キプロス学院は魔術、武術、学問を学ぶところだ。院生のほとんどは貴族で構成されている。そいつらの親が多額の寄付をする。結果、金さえ払えば誰でも卒業出来るようになり、無能が街の重要な機関にばら撒かれるわけだ。
もちろん優れた奴だっているけどさ。
今アタシは学院に進入もとい進学した。
マジで金さえ払えば入れるのな。
通常の3倍払ったらあっさりですよ。
ちなみに魔石を売って金に変えている為金ならいくらでも作れのだ。
この学院には3つの学部がある剣術、魔術、学術だ。アタシはもちろん魔術を選んだ。いやだって剣術だとバレそうだし、学術とか1ミリも興味無いからね!
魔法は使えないけど魔力使えば誤魔化せるっしょ!イケるイケる。
そんなわけでこの魔術塔にやってきたのである。
今回のコーデを紹介するよ、
装備 小悪魔の角、チョーカー、紺のブレザー、リボン、ブラウス、チェックスカート、黒スト、ローファー、悪魔の尻尾
スカートは折ってギリギリまで短くしたよ!
先生に紹介され。教室に入ると生徒たちがザワつきだした。
値踏みをしているのだろう。
貴族ではないが金持ちなのはバレてるだろうよ。
ヒソヒソ話しているがアタシには筒抜けだから。
派閥に入れようって算段が5割、キレイ、かわいい、ヤりたい、嫁にしたい4割、なじられたい1割って感じ。
派閥かあ・・・全く興味無し!
休み時間になると質問攻めに合う。
こちらからも質問して情報収集を行なおう。
学園最大派閥は剣術クラスでここに例の奴がいるらしい。
名前はヨハンと言い学院始まって以来の天才だとか。
彼は武術大会に参加して八柱への足掛かりにしたいようだ。家柄は普通(貴族には違いないが)だが武力はあるから派閥に欲しいってやつは大勢いるって感じ。
魔術クラスからも何人か武術大会に出る奴がいて成績上位者は必ず参加させられる。
学院の宣伝要員てとこか。
授業が始まる。はえー結構ヤバいの教えてるのね。
普通に死人出ちゃうよ?
大会が近いせいかも知れないが対人用の魔法が多いな。
もちろん詠唱なんてかったるい事はしない。思い描くだけで放てる。ここでは常識だ。
午後からは実践を行う。
体操服に着替えたよ。
「本日は魔力を自分の周囲に張って防壁、攻撃に使う授業を行う。」
ほう、魔装か。基礎中の基礎ね。
先生がお手本を見せる。
こんなもん誰でも出来る。
常に張れて3流、自分と切り離し操れて2流、
1流はそれを極めて高い密度で行う。
本気で固めたアタシの魔装に傷をつけられる奴はこのクラスにはいないだろうよ。ククク。
「アルルさん、何か怖い・・・。」
隣に座っている子が呟く。
この娘はサーシャ。
学院を案内してくれた子だ。髪はショートボブでアホ毛が生えている。
2人1組で行い魔装を張った相手に攻撃呪文を放つ。
安全を考え急所を狙わないのが唯一のルール。
サーシャちゃんに魔法を放つのか。変な気分だな。
「アルルさん、いいよー!」
手を振るサーシャちゃん。
「いくよ!」
ぷちファイアボール!魔装を変化させ炎みたいな感じにして打ち出す。なので熱くはない。サーシャ(の魔装)に当たりバシュっと音を立てて消えてしまった。
「アルルさん、もっと本気でお願い!」
サーシャちゃん・・・アタシが本気で撃ったら細胞ひとつ残らないけどいいの?
「ごめーん。本気でいくよー。」
ぷちファイアボール!さっきと見た目は同じだが密度を上げて見た。
サーシャの魔装を破ってファイアボールは消えた。当たったら熱くないのバレるからね。
「あー。引き分けかー。」
なんて言ってる。かわいい。
ドガガガガガ!
ん?なんだ?音の方を見ると男子生徒がうずくまっている。服がボロボロだ。
「早く立てよ!次撃てないだろ!」
体の大きい金髪をオールバックにした奴が文句言ってるぞ。
「もう、無理ぃ。」
なんだイジメか?
「新技試したいから早くしろよ!」
イジメではないのか。
「やめなよ!無理って言ってんじゃん!」
サーシャちゃん、いつのまに。
「じゃあ学級委員のお前が相手してくれよ?」
なぜそうなる?
「い、いいわよ!撃ってみなさいよ。効くわけ無いんだから!」
煽ってどうすんの・・・。
んー、2人の実力だとアイツの攻撃が通るな。
「いくぜ!ライトニングアロー!」
魔法の弓を引き、矢を放つ。荒れ狂う雷を纏っ矢はかなりの威力だ。
両の手のひらを前に出して魔装を張るサーシャちゃんに一瞬で着弾。
ドガアアアアア!
「やったか!?」叫ぶ少年
いや、やっちゃダメだろ・・・。
「あれ、なんともない。よし!私の勝ちね!」
アホ毛を揺らして喜ぶサーシャ。
「嘘・・・だろ。必殺の矢が。」ショックを受ける少年。
授業で必殺したらダメだろ。
「アルルさん!今の見てくれた!?」
サーシャが駆け寄ってくる。
「うん、見てたよ。ちゃんと注意出来るなんて偉いね。」
「違う、そうじゃなくて私の勝ったとこ!」
舞い上がってるなあ。
「うん。見てた。あれ防いじゃうなんて凄いね。でも危ないから無茶しちゃダメだよ?」
「あぁ、そだね。うん反省する。」
いい子だ。自分の実力と勘違いされたら困るからね。防いだのアタシだし。着弾する刹那、サーシャの魔装の表面にアタシの魔装を張ったのだ。
でもあの威力、俺が防がなかったら怪我だけですんだかどうか。
教師は見て見ぬふりだし。
「なあ、君さっきあの子助けたやろ?」
後ろから声をかけられる。
青髪で縁なしメガネをかけたイケメンだ。
「ほえ?助けるってなあに?ぷゆ?」
小首を傾げ人差し指でホッペに触れる。
「・・・・・まあ、言いたくないんならそれでええわ。」
去っていく。
あららバレちゃた。
魔力上手く隠してるから気づかなかったよ。
てかアイツこんなとこで何してんだ?
名前は確か。
ベルゼビュート。
フロアボスだ。




