32話 カウントダウン ⭐︎挿絵あり
パーティーメンバーが増えた。
氷の女王オフィーリアとペットのミコとニケだ。
あの後オフィーリアお姉ちゃんに是非一緒に旅がしたいと泣いて懇願されてしまったのだ。
勝負にも勝ったし小狼も喜ぶので了承してしまった。
そうなると困るのは移動手段だ。
流石にユニ子に全員は乗れないのでアスに獣モードに戻ってもらいアタシとミコニケはアスの背中に乗っている。
ユニ子の背にはオフィーリアお姉ちゃんが乗っている。
力を込めて跨っているわけではない。
なんと普通に乗れてしまったのだ。
あの日の衝撃は忘れられない。
「アルルお嬢様ぁ、あの幻獣はぁ?」
お姉ちゃんがたずねてくる。
「ユニコーンのユニ子だよ。アタシみたいな心の清らかな女性にしか乗れないんだよ!」
えっへん!と胸を張って答える。
「ぷぷっw・・・ブベラッ!」
彼方に吹き飛ぶアス。
「あ、あの跨ってもよろしいでしょうかぁ?」
「いいけどお姉ちゃんに乗れるかなあ?落とされない様に気をつけてね!ふふ。」
「ありがとうございますぅ。では。」
ユニ子の羽を階段代わりにして足を揃えて背中に乗る。
普通に乗れてしまった。
ユニ子がなんとも言えない幸せそうな顔をしている。
「お嬢様ぁ!乗れましたぁ!」
・・・・・・・・・・・・。
「じゃあアタシも乗ろっかな。」
羽を足場にして乗ろうとするも、座った瞬間。
ズルッ、ドテッ。
「お、お嬢様すみません!」
お姉ちゃんもすぐ降りてしまう。
変な空気が流れる。
「3、2、いーち、」
「アスモデウスただいま帰還いたし・・・ブベラッ」
再び彼方に消えるアス。
「ユニ子も気に入ってるみたいだしお姉ちゃんが乗っていいよ。」
「あ、ありがとうございますぅ!」
そして今に至る。
「お嬢様ぁ。風が気持ちいいですねぇ。」
ユニ子に乗ったお姉ちゃん、絵になるなあ。
絵本から飛び出したお姫様みたいだ。
アスの背中に乗ったアタシの両膝にはミコとニケがスヤスヤと眠っている。
「ホントきもちーね。アタシも寝ちゃいそう。」
低速で飛行しているが風の音はする。
なのにお姉ちゃんと普通に話せるのはパスを繋いでいるからだ。
パスを繋いでいる者同士は念話を使えるようになる。
パスと言えばヨルムとの死闘の後、魔王に呼びかけてみたが返事はなかった。
側近がやられて怒っているのか?それとも恥をかいて引きこもっているのか?理由は不明だが連絡がつかないのだ。
なのでワルプルギスの開催は今の所白紙状態。
ボスエリアが近づいて来た。遠くに街の灯りが見えた。
階層によって文明のレベルは異なる。
この層は結構発展してそうだ。
ボスの居城の周辺に城下町が形成されている。
湯治がてらしばらく滞在するのも面白いかもね。怪我してないし疲れてもないけど。
街から離れた所に降りる。
魔力を調整しこの辺の住民レベルまで落とす。今パーティーメンバー全員が魔力をコントロールする事が可能だ。
アスは必要ないと渋っていたが殴・・・必要性を説いて習得してもらった。
アスと子狼には人型になってもらった。
銀髪の頭に耳がぴょこんと出ていてかわいらしい。
人間だと8歳くらいかな?
「ユニ子は変身出来ないんだっけ?」
「ハッ!人型にはなれませんが、サイズ感を調整する事は可能です。」
サイズ感てなんだ?
「小さくなれんの?」
「ハッ!可能です。」
「よし!ちいさくなあれ!」
「はっ!」
グングン小さくなりぬいぐるみみたいになった。かわいい!
「もっと早く言って欲しかったな!」
持ってみようとするが。
ポロッ。ん?もう一度拾う。
ポロッ。・・・・・・。
「お姉ちゃんちょっと持ってみて。」
「はっはいぃ。」
普通に拾われ胸の前で抱きかかえられている。幸せそうな顔・・・。
「お姉ちゃん。ちょっと貸して?」
お姉ちゃんからユニ子を渡される。
落とさない様にしっかりと足を持つ。バキバキっと骨が折れる音がする。
「えっ!ちょっ!主様!?なっ、何を!!?」
バチチチチチッ
スキルが発動しているが関係ない。
刹那の瞬間、力を込め放り投げる。
「主さま!あああああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・」
一瞬で視界から消える。
「3、2、いーち、」
アスが震えている。
「ゼロ!」
「ただ今あ・・・・・・ブベラッ!」
また消えてしまった。
「おそーい!後でアスにテレポ教わりなね?」
アスは顔を真っ青にして震えていた。
「のどかわいたー!」「あちしもー!」
まだ街まで距離があるなあ。ここで一旦休憩ね。
子狼にミルクとクッキーを渡す。
「そう言えば、アスとお姉ちゃんて顔見知りなの?」
丁度いい。気になっていた事を聞いて見よう。
「ハッ!この女とはワルプルギスで何度か会った事がございます!ですが話した事はございません!」
「なんで?」
仲悪いん?
「ハッ!話す必要性を感じなかったからであります!」
へえ、そうなんだ。そんな感じかあ。
「お嬢様ぁ、よろしいでしょうかぁ?。」
「うん。好きに話していいよ。」
「アスの話には事実と異なる部分があったので訂正しますぅ。こちらからは挨拶をしたりぃ、話しかけたりぃしておりますぅ。ですが、その者は孤高を気取っておりましてみんなから避けられておりましたぁ。」
・・・状況が目に浮かぶよ。
「ばっ、馬鹿野郎!余計な事を!」
ちょっと赤くなってるし。
「アスー?」
「ッッッ!ハッ!」
「馴れ合うのは嫌い?」
聞いてみる。
「ハッ!他の柱はライバルだと思っていますので」
ほう、いいね、いいね。
「アスの考え方アタシ好きよ。ふふ」
「・・・ハッ!ありがとうございます!」
顔がニヤけてるぞ。照れてるのか?
「ぶー!アルル様とアスの関係が羨ましいですぅ!アルル様ぁ私の事もお姉ちゃんではなくオフィーリアと呼び捨てしてください。物みたいに扱われたいですぅ!」
変な事言いだしたぞ?大丈夫か。
「まあ、お姉ちゃん・・・オフィーリアがそれでいいなら別にいいけど。」
「ありがとうございますぅ!」
「お姉ちゃん!まちが見えてきたよ!」
「おなかへったあ!」
もう!?育ち盛りかな?
先行している子供たちがキャッキャ言っている。かわいいなあ。
あれユニ子がいない?
団体行動乱すのはダメだぞ!
「3、2、いーち、」
「ゼロ!」




