26話 side ヨルムンガンド
ん、ここ・・・は。
目を開けるとあのサキュバスがいた。
「おっ。気づいたか。」
何が起きた。
煉獄を放った後の記憶がない。
「おい、動くな。まだ治っていないんだ。」
なに?
体が動かない。
目を動かす。これは、膝枕をされているのか。
下に目をやると腹から下がない。右腕もか。
そうか、俺は敗れたのだな。
「・・・俺は死ぬのか?」
「あん?死にたいの?アンタ?」
「・・・よくわかんねえ。でもよお、こんなに本気でヤりあった事、1度も無くてよう・・・。本当に楽しかったんだ。こんな気持のまま行くのも・・・いいかもしれねえな。」
「・・・そうか。」
「けどよおサキュバスの嬢ちゃん。アンタの顔見てたら死ぬ気失せたわ。」
「はあ?」
「名前名乗っていなかったな。俺はヨルムンガンドだ。嬢ちゃんアンタの名は?」
「・・・・・・アル・・・ル。」
「アルル・・・良い名だ。アンタに惚れた。俺はアンタ、いやアルルに尽くす為に残りの人生使いたい。」
「そりゃ勘違いだ。この角と尻尾の効果は魅了、それを惚れたと勘違いしてんのさ。」
勘違いな訳ねえだろ。
目をつぶる。
体に流れ込む柔らかな魔力。
「暖かいな。」
頬を伝う涙。俺にも涙があったのか。
「いいから眠ってろ。死にたくないのならな。」
「ああ。」そう言って俺は意識を手放した。
またワルプルギスで・・・
どこからかそんな声がした。




