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【SS】魔法使いのようですね

「ご馳走様です」


丁寧に手を合わせて、ナフュールさんがあたしに笑いかけてくれる。


「アカリ、今日の食事もとても美味しかったです。本当に、アカリが作ってくれる朝食はどれもこれも美味しくて、世の中にこんなに美味しいものがあったのかと毎回新鮮な驚きがありますね」


麗しい微笑みで、ナフュールさんは毎回あたしの料理を褒めてくれる。


「これは何という料理だったのですか? パンを使った料理だというのに、サンドイッチやハンバーガーともまた趣が違いましたが」


「エッグベネディクトっていうんです。ちょっとおしゃれでしょう?」


マフィンの上にベーコンとポーチドエッグ、レタスとオランデーズソースを乗せただけ。作り方は意外と簡単だけど、見た目もよくてとろりと溶ける卵がまた美味しいんだよね。


「アカリが作ってくれるものはいつも彩りが豊かで食欲がそそられます。パンと卵と野菜とお肉、あとは少々の乳製品。素材が大きく変わるわけでもないのに、調理によって味も見た目も千差万別で……アカリはまるで魔法使いのようですね」


大真面目な顔でそんな事言うから、思わず笑ってしまった。


「どうしました?」


「だって、ナフュールさんこそあんなにすごい神聖魔法や奇跡をおこしてるのに」


「神聖魔法は本当に魔法ですし、奇跡は女神エリュンヒルダ様のお力ですから。私が驚くのは、それと同等とも思えるほどのことを不思議とも思わずにやってのけるているという点です。本当に感動します」


サンドイッチとスープと野菜サラダ、コーヒーっていうごく普通の朝食でも、パスタやうどんでも、和食でも洋食でも、ナフュールさんは丁寧に味わって、心の底から褒めてくれる。


美しいお顔がキラキラと輝いて、幸せそうな笑顔を浮かべるこの瞬間は、いつだって最高に麗しい。


「ナフュールさん、大好きです!」


思わずいつものセリフが口から飛び出す。湧き上がってくるこの気持ちは、いつだって吐き出さずにはいられないんだ。


「はい。私も心からアカリを愛していますよ。今日も美味しい食事をありがとう」


昔は空振りだった愛の叫びも、今や愛と感謝の言葉になって返ってくる。しかもちょっと照れ顔のおまけ付き! サービス良すぎて何度聞いても心臓がバクバクする。


「えへへ」


「こうやって微笑み合えるのは素晴らしいことですね。貴女と共に歩める幸せは、何ものにも代え難いものです」


「あたしも毎日幸せです! あ、そういえばナフュールさん、今日どこかに行くって言ってませんでしたっけ?」

ちょっと思いついてしまったので、3話だけSS更新しますね!

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『出戻り聖女の忘れられない恋』
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