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第一次世界大戦





 一九十四年 六月二十八日



 オーストリアの皇太子夫妻がサラエボを視察中、セルビア人の青年によって暗殺される事件が起こった。



 これがきっかけとなり

ドイツ、オーストリア、トルコなどの

中央同盟国と

イギリス、フランス、ロシアなどの

連合国に分かれて起こったのが



第一次世界大戦



である!



 大戦が勃発した際、イギリスが日英同盟を理由に日本の参戦を要請してきた。



 内閣総理大臣の大隈重信は即刻、御前会議を開き帝国の進退をどうするか話し合った。



 軍部としては、日英同盟があるからして参戦した方がいいが大規模な参戦はせっかく回復してきた国内経済を疲弊させる事に繋がるとし、太平洋方面のドイツ軍を駆逐した後にヨーロッパ方面に特務艦隊を派遣して船団護衛に従事し、陸戦にはこれからの近代戦争に対処できるよう若い観戦武官を多く派遣して新戦法、新兵器、新技術の研究にあてる方針を提案した。



 このような考え方が出来るのも、日露戦争によって得た数々の戦訓のおかげだ。


 政府としても軍部の意見と一致しスムーズに会議や作戦立案がまとまった。



 この戦いに大日本帝国は連合国側として参戦する事を決定した!



 一九十四年 八月十五日



 日本はドイツに宣戦を布告し、正式に連合国の一員となった。


 十一月一日

日本軍はイギリスと共同でドイツ東洋艦隊の根拠地の中国 山東省の租借地である青島を攻撃した。



 しかし、東洋艦隊は日露戦争時の旅順艦隊のように港内封鎖を恐れて開戦後すぐに本国に向かった。


 だが、アルゼンチン近くのフォークランド沖海戦で壊滅した……


 さて、青島では陸軍が攻撃を開始し約一週間でドイツ軍は降伏した。


 その後、日本海軍ではドイツの植民地だった南洋諸島を攻略し、太平洋地域におけるドイツ軍を駆逐した。



 太平洋地域での戦闘が終息し始めた頃、欧州では歩兵はライフル銃が標準装備になり、弾幕の威力や精度が増えて突撃を仕掛けると大きな損害を被る事が多くなった。



 このような事が増えてきた結果、塹壕戦が生起した。



 これは、この戦争が長期化する事を暗示しており、各国は総力戦を強いられる事になったのだ。



 日本は当初の行動方針に基づき、特務艦隊を編成するために戦時急造艦として


桃型駆逐艦

全長 八十八.四メートル

最大速力 三十一.五ノット

兵装

十二センチ単装砲三基

六.五ミリ単装機銃二基

四十五センチ三連装発射管二基 六門


合計十八隻の建造を開始した。

(史実では樺型駆逐艦であるが、この世界の海軍は既にこれから建造する艦艇には蒸気タービン搭載が決定されており、樺型がレシプロ機関を搭載する設計だったため)




 話は変わるが、史実では日本軍が青島を占領した後中国に二十一ヵ条の要求を提出したが、ここではそんな中国国民の反日感情をあおるような事はしていない。



 日露戦争での戦訓から、大陸での戦争は長期化する事が必至であり、国内経済が疲弊するのが目に見えているので大陸進出論は急速に失速していたからだ。



 そのおかげで、大戦中の二大浪費と呼ばれた『西原借款』(日本が中国での勢力拡大を目論み、当時の北京政府に中国統一を援助する形で一億四千五百万円を借款したこと)は行われず、無駄遣いをせずにすんだのだ。



 民生面では戦争特需が起こり、日本は急速に発展した。



 特に、世界的な船舶不足から海運業や造船業が驚異的な発展を遂げ、日本各地だけでなく関東州のある旅順や韓国の釜山、南浦に大規模な造船所などが建設されていった。



 政府はこの特需を利用して、経済の重工業化を推進していった(日露戦争の戦訓で武器弾薬の生産数の底上げを狙った)


 そして



 一九十五年 六月十五日



 明治天皇が命じて政府が了承した韓国がようやく完全な独立を果した。


 すぐさま日本は大韓帝国政府と日韓友好条約を結んだ。



概要

・大韓帝国を承認

・どちらかが攻撃を受けた場合もう一方は味方となり互いに助け合う

・有事の際は二国間の軍港や基地を簡単な手続きだけで使用を許可する

・税収が安定するまで日本政府が極力援助する


 最初、韓国国民はまた日本は不平等な条約を結ぶのではないか?と思っていたが、日本政府は韓国政府と対等な条約を結び(むしろ韓国を援助する事を約束している)韓国国民は反日どころか親日家が増えていった。


 更に、韓国にも戦争特需が訪れ国家が成立したばかりなのだが、日本企業の誘致を中心に行っていた為と、独立するまでに時間があり国内企業が増えていたので急速に経済発展を遂げた。



 これで、日本政府は海外領土の植民地化より、独立させて経済的な協力を結んだ方が民族独立などによる治安悪化や維持費の節約になると分かり、帝国主義的な考え方を改め始めたのだ。



韓国の政府や軍備の詳細は後に語るとしよう……




  大戦の経過では陸の戦いが悲惨な物となっていた…


 初めての戦車(タンク)、毒ガス、機関銃による射撃、飛行機や潜水艦の活躍…



 まさに『新兵器の宝石箱や〜』並のオンパレードだった。



 同地に派遣されていた観戦武官達はこの新兵器群を見て驚き、これからの近代戦を戦うにはこれらのような新兵器などが重要な意味をもつ事を痛感した。




 日本の特務艦隊は規模が拡大し、特需によって発展した工業によって桃型駆逐艦が更に建造された。



 そこで

第一特務艦隊…インド洋

第二特務艦隊…地中海

第三特務艦隊…大西洋

第四特務艦隊…オーストラリア

に分けて、世界中に派遣したのだ。

陣容は第一と第四が旧式化した駆逐艦で構成されており、ドイツによる攻撃が懸念される第二と第三艦隊は桃型駆逐艦が主体となった。



 この特務艦隊はドイツの『無制限潜水艦作戦』による連合国の輸送船撃沈を最小限に抑える活躍を見せて、連合国の勝利に大きく貢献したために、島国である日本は海上護衛の大切さを改めて痛感したのである。



 日本は青島で捕虜となったドイツ兵に対して日露戦争時と同様に国際法を厳しく守り丁重に扱った。


 日露戦争以来の陸海軍兵の教育のおかげである。


 後にドイツに帰還した兵士達のおかげである恩恵?が与えられる事になる。



 さて、大戦の方も大きな転換期を迎えた。


 ドイツは西部戦線での膠着をどうにかするため、史実より半年早く『無制限潜水艦作戦』を宣言したがその際アメリカの商船を撃沈し、世論が打倒ドイツに傾いた為アメリカは重い腰を上げ対独宣戦布告を行ったのだ。


 これにより、誰もが総力戦で疲弊しきったドイツの負けだと思った。


 しかし、ロシアに社会主義革命の嵐が吹き荒れた!



 一九十七年 三月


 『三月革命』の勃発である。


 それは日露戦争での大敗北が相次ぎ、国力がまだ疲弊しきっている中、第一次大戦が勃発してさらに国内は疲弊したが国民はよく耐えた。


 が、国民の堪忍袋のおが切れた!国民は遂に反帝政を掲げ、規模が非常に拡大し史実より一年も早くロシアの帝政は崩壊し、新政府はドイツと単独講和を行って連合国から脱退した。


 ここにドイツ東部戦線は消滅し、ドイツは息を吹き返した。


 そこで連合国はドイツの目を再び東部に向ける為に

「チェコ軍捕囚の救出」

を名目にウラジオストクに出兵させる事にしたが、同時に新社会主義国家に対して楔を打ち込む意味もあったのだ…


 イギリスとフランスは西部戦線で手一杯だったのでアメリカと日本に出兵を依頼した。


 しかし、日本政府は大陸不介入論が主流であり、出兵を渋っていた。


 だが、アメリカが一九十七年の夏に出兵を決定すると日本も同調するように出兵を決定した。



 世に言う『シベリア出兵』である!


 連合軍はウラジオストクを占領し散発的に攻撃をしていた。


 アメリカ軍はシベリアだけでなく西部戦線に大部隊を送り込み、戦線維持を続けた。


 これにより一度ドイツ軍は持てる全ての力を結集して最後の攻勢に出たが、アメリカの参戦により兵力を盛り返した連合軍が跳ね返し、結果一九二十年一月にドイツで革命が起こり(ロシア革命の影響で史実より一年長引いた)新政府が停戦すると、連合国がシベリアに介入する理由がなくなり、各国干渉軍は撤兵し始め当初から大陸不介入論が多かった日本も即刻撤兵した。


 これで、大戦二大浪費と呼ばれたシベリア出兵も史実のように莫大な軍事費を使う事もなく、その費用を民生面、新技術研究費、新造艦建造に回す事が出来た。



 第一次世界大戦はヨーロッパの君主制を崩壊させて終結した。



 その後のヴェルサイユ条約で戦勝国達は敗戦国に対して過酷な条件を突き付けた。



 しかし、この事が後にナチス・ドイツの台頭に繋がっていく事になった……





作者『次回は新造艦の話にしようと思います!

金剛型すら作られていませんからね(汗)

ただ

無理な建艦でスケジュールなどが

一杯一杯になり矛盾などが生じそうですが(焦)

ご意見ご感想をよろしくお願いします

m(_ _)m』

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