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第十話 天使





 日本はドイツとの技術協定から先進技術を取り入れ、更に自分達でより良いものにしてきた。


 それにより、世界でも卓越した性能を誇る航空機を開発していった。


ここでは、第一線で活躍するであろう機体を紹介していこう。




海軍名称・零式艦上戦闘機


全長 九.六メートル

発動機 金星五一型(千五百馬力)

最高速度 五百七十キロ

最大航続距離 二千百キロ

武装

翼内二十ミリ機銃二挺

機首十二.七ミリ機銃二挺

六十キロ爆弾×三

または

二百五十キロ爆弾×一



史実のような軽戦闘機ではなく、防弾や自動消火装置などの防御面を考慮し、重くなった機体を大馬力エンジンで引っ張るといった考えのもと設計された。


もちろん、運動性も史実には劣るが良好である。


なお、降下制限速度は八百キロ、翼は折り畳み式である。


この機体は艦上戦闘機であり海軍でしか採用されていないが、銃弾や燃料といった規格は統一されているので互換性はバッチリである。


金星エンジン五一型は、史実より発達したエンジン技術のお陰で開発された大馬力エンジンで、栄エンジンと競争されていたが馬力や信頼性が勝っていたので金星エンジンの搭載が決定された。


また、栄エンジンは新型名エンジンである誉エンジンに姿を変えるのはもうしばらく先である。



陸海共通名称・飛燕


全長 八.九メートル

発動機 金星五一型

最高速度 五百八十キロ

最大航続距離 二千二百キロ

武装

翼内二十ミリ機銃二挺

機首十二.七ミリ機銃二挺

二百五十キロ爆弾×二



簡単な話しで、零式艦上戦闘機の陸上機版といっていいだろう。


全く同じという訳ではない(実用上昇限度など)がある程度は一緒だ。


なお、この機体以降、日本製航空機はメディアや国民に親しみやすい愛称を正式名称にするようになった。



陸海共通名称・彗星


全長 十.三メートル

一メートル

発動機 金星五一型

最高速度 五百二十六キロ

最大航続距離 二千三百キロ

武装

機首十二.七ミリ機銃二挺

後上方七.七ミリ機銃一挺

二百五十キロ爆弾×三

または

五百キロ爆弾×一,二百五十キロ爆弾×二

または

八百キロ爆弾×一,六十キロ爆弾×二



最新の艦上爆撃機として開発され、今までの日本製艦爆の爆弾搭載量を大きく上回った。


そのため、陸上機としても使用されている。


ついでに、翼は折り畳み式である。



陸海共通名称・天山


全長 十一メートル

発動機 火星二三型(千八百五十馬力)

最高速度 四百九十キロ

最大航続距離 二千百キロ

武装

機首十二.七ミリ機銃二挺

後上方十二.七ミリ機銃一挺

魚雷×一

または

八百キロ爆弾×一



九六式艦上攻撃機(史実の九七式艦攻)の後継機として開発された。


こちらは、防御力を重視した機体になっている。


もちろん、翼は折り畳み式である。


火星エンジンは大型機用のエンジンだったが、天山に要求される性能を引き出すにはこのエンジンを搭載せざるを得ず搭載された。



陸海共通名称・泰山


全長 二十メートル

発動機 火星三三型(二千馬力)二基

最高速度 四百八十キロ

最大航続距離 二千七百キロ

武装

二十ミリ機銃二挺

十二.七ミリ機銃三挺

魚雷×一

または

八百キロ爆弾×一

または

五百キロ爆弾×二



史実で言う一式陸攻である。


ただ、防弾設備はしっかりしており、そう簡単には撃墜はされないようになっている。


その気になれば、六十キロ爆弾といった小型爆弾を一tは搭載できる。


また、対潜哨戒型や偵察型(大型電探搭載のため重火器を降ろした)も開発された。


火星エンジン三三型は新型のエンジンで初めて二千馬力を超えるなど、これまでより強化されているが、小型の単発機に搭載するには無理な大きさになり、小型の二千馬力級のエンジンである誉エンジンの開発が急がされる事になった。



陸海共通名称・零式飛行艇


全長 二十八メートル

発動機 火星三三型 四基

最高速度 四百六十五キロ

航続距離 七千五百キロ

武装

二十ミリ機銃五挺

十二.七ミリ機銃四挺

爆弾搭載量最大二t

または

魚雷×二



史実で言う二式飛行艇である。


零式艦上戦闘機と同時期に正式採用された。


こちらは、輸送機型も開発されており活用の幅が広がっている、世界でも類を見ない傑作飛行艇である。




 これらの機体には機上無線や電探が標準搭載されており、情報伝達、情報収集に重きが置かれている。


 なお、重爆撃機や偵察機などは登場する際に紹介していく。


------------


「教官、これは?」


「あぁ、最近初飛行に成功した最新の艦上戦闘機だ。正式採用はまだ先だろうから名前は....零式なんてなりそうだな」


 今、結城達の前にはまだ塗装すらされていないピカピカの戦闘機が鎮座していた。


 なぜ、訓練所にそんな試作機があるかと言うと、多分気まぐれであろう。


 ヒヨッコ達の士気高揚の為が大きいのかも知れないが....


 ともかく、結城達はその試作機を目の前にしているのだ。


「それで、教官は何故私をここに?」


 試作機から目線を教官に移して問う。


 だが、教官は目線を試作機からは離さず何か考えているようだった。


「教官?」


 結城がもう一度問い掛けた瞬間、教官が口を開いた。


「乗ってみるか?」


「・・・・・・」


 結城は何も言えずにポカンとしていたが、なんとか意識を取り戻した。


「・・なっ、何言ってるんですか!駄目ですよ!!」


「大丈夫だって!誰もいないから、ほら早く乗れっ!!」


 そう言って教官は結城を無理矢理コックピットに押し込んだ。


「はぁ・・どうなっても俺はしらん・・ぞ・」


 最初は抵抗していた結城だったが、コックピットに入ると抵抗心が好奇心に変わっていくのが分かった。


 「ふふっ、俺も飛行機乗りの心が染み付いてきちまったな。よっしゃ、ここまできたんだ!飛ばしてみっか!!!」


 決心した結城は教官にチョーク外せの合図をしてエンジンを始動、回転数を徐々に上げていく。


 それと同時に機体を動かして滑走路まで連れていく。


「それは試作機だ!!どんな不具合が起こるか分からん!!!!慎重に飛ばせ!!今までの訓練を思い出せば出来るはずだ!!!!!!!」


「了解っと」


 結城は教官に敬礼をしてから前を見据えてスロットルを徐々に上げていく。


 滑走路には見慣れない機体が走っていると訓練生や整備兵が集まってきていた。


 そんな人達を横目に速度を上げていく結城は、機体の後ろが浮き上がったと感じ取った瞬間、操縦菅を手前に引いた。


 その刹那、体がふわっと浮いた感覚に襲われ結城は離陸に成功したと安堵した。


 脚を引き込み、高度を取って、機体を安定させるとようやく、回りを見渡す余裕が生まれた。


「すげぇ。まるで天使になったみたいだ・・・」


 快晴の空にピカピカの白く輝く機体を見て、結城は天使を連想した。


 そして、機体を右へ左へとゆっくり旋回させる。


「すげぇ。すぐに機体が反応してくれる。それに速度も速い・・・」


 そう一人で関心していると、機上無線からノイズが走った。


「ピッ・ガガーーピピッ・・・・ザザッ・・アー、聞こえるか?結城練習生?直ぐに降りてこい。さもないと厳罰が待ってるぞ?そこの冬木君と一緒にな」


 聞こえてきたのは見知らぬ声だったが冬木というのは教官の事で、地上ではややこしい事態になっているのは明白なようだ。


 結城はもうしばらく機体を遊ばせたかったが、仕方なく無線に応答した。


「あ、あー。聞こえますか?今から降りますので、道を開けさせといて下さい」


 そうして、ゆっくり高度を下げながら地上に降り立った。


 その後は、機体の開発担当者や正規搭乗員に絞られたが、質問攻めにも合わされ散々な目にあった結城はトボトボと宿舎に帰った。


 しかし、今度は同期の訓練生や整備兵なんかに機体についての質問攻めに合ってしまった。


 その質問の一つに感想を聞かれた結城はこう言った。


「天使…そうだな。天使とダンスをしてるみたいだったよ……」


 そこで回りは静まり返った。


「「「「「「て…天使とダンスだぁっっっ!!!!」」」」」」


 何が皆の心を掴んだのかは分からないが、この後この訓練所では飛行機の事を天使と言うようになり、それが後輩にも浸透してくると遂に新聞やラジオといったメディアにも取り上げられる始末にもなり、とうとう国民に親しまれるようになっていった。






「さぁ、結城、卒業試験である模擬戦だ!九六式だが我慢してくれ、新型機は流石にな…、そろそろダンスの時間だ!行ってこい!!!」


 卒業試験の直前、教官にそう激を飛ばしてもらった結城は操縦席で目を閉じて精神集中をしていた。


 そして、カッと目を見開きこう叫んだ。



「天使とダンスだっっ!!!」










作者『えぇ、疲れました

もうちょっと待ってください

後少しなんです

頑張りますんで

何か感想や評価よろしくお願いします

m(_ _)m』

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