残念イケメン?
「そうそう!お…私も手伝う!」
なんて、話をしながら、教室へ向かった。
「おはよ。」
「おはよう!!」
「おはよー。」
3人全てバラバラの挨拶をして教室に入ると、また更にバラバラの挨拶が帰ってくる。
「キャー!おはよー廉くんー!!」
「比奈子ちゃんおはよう!!今日も可愛いね!!」
「おー、凪もおはよう。」
とか、凪君だけ扱い酷くないか。凪もって…しかも殆ど似たような男子達だし…これじゃあちょっと難しいんじゃ…。廉や比奈子への対応と比べると、到底モテさせるなんて無理な気がした。
しかも特に上でも下でもないから余計に。
ここは廉の人気を下げるべきか。なんて思った私は、行動に出た。
「あっ、…そう言えば今日、予約受け取りあるんだった。凪、比奈子、付いてきてくれない?」
「あれっ、廉思い出したの?」
「ちょっと今は待って。」
オタクアピールすれば人気は下がるはず。
…と、思ったのに。
「キャー!!私が行くよ!廉くん!!」
「いや私!」
「私だよ!」
とか、何とか。争いが入ってしまった。…残念イケメン…本当に残念として見られてるのか?取り敢えず争いを止めるべくなんとか宥める。
「ごめん、もう行く相手は決まってるから、ごめんね。」
そう言うと、余計にキャー、が増えた気がした。…いや、考えたくないから辞めよう。少々ベタな台詞になってしまうのは、元ギャルゲー出身(元とは言いたくないが)なので許して欲しい。
はぁ、とバレないように小さく溜息をこぼすと、比奈子が軽くふふ、と笑った気がした。
今すぐ怒鳴りたい気持ちを抑え、比奈子を見ると、可愛くて怒る気も失せた。
「…ねぇ、廉?思い出したの?」
「思い出してない。予約の紙があるはずだから探す。」
そう言った私に、凪君は首を傾げた。