表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/18

おじいさんと使命

【廉くん、比奈子さん。】



悩む私に、また、更に声が聞こえた。



【…誰だ。】

【誰!?】



今度は、おじいさんの様な、優しい声。



【どうやらようやく条件が揃ったな…良いぞ。使命と、自分が置かれた立場を教えてあげよう。】



条件?条件が何かは知らないが、きっと私達が揃ったとかだろう。私は使命を聞き逃さない為にと、意識を集中させた。



【お主達2人、つまり人気者の廉くんと比奈子さんには、何の特徴もないこの青年、凪君をモテモテの男子にして欲しいのだ。凪君はモテモテになりたがっているからな。】



【…えっ…】

【出来るかな…】



【廉くんと比奈子さんは、本当は存在しない存在。わしがこの時の為に作った。記憶などは適当に埋めておいたぞ。】



色々不安になったり、ツッコミたくなった私を、神らしき存在のその人は次の言葉で私を思い切り黙らせた。



【もし、この男子がモテることになったら、次はギャルゲーの攻略対象の生徒会会長キャラにしてやろう。】



【本当っスか!!パイセン!!!】

【おいお前性格変わり過ぎだろ。それは俺もですか。】



【お主は…そうだな、優しい先輩キャラにでもしてやろう。】



【えっ本当ですかやります。】

【…えっ、まじか…なんか嫌になるわ。】

【酷くねーか。】



【じゃあ、わし行くから。】



謎の漫才を繰り広げる私達を無視して、おじいさんは消えてしまった?



【おじいさーん。】

【おじいさーん!】



2人でただ呼んでも、声が聞こえない。という事は多分消えたのだろう。と言うだけなので、確信はないが。



「…ねぇ、廉、比奈子?」



「はっ!!」

「ああ!!」



後者が、私だ。どちらも何とも可愛げがない。しかもああ!!ってなんだよ。ああ!!って。



どうやら私達、校門のすぐ先でぼーっと突っ立ってたらしい。なんとも邪魔だ。



「ごめんごめん!邪魔だったよね…!」

「ごめんね?ちょっと昨日のアニメの事考えてて。」



ぺこぺこ必死に謝る比奈子さん。…いや、アイツと、てへぺろをして、軽く済ませる私、なんだか凄く面白くて、つい、ぷぷっ、と笑みがこぼれた。



「比奈子ちゃん可愛いから許す。」

「あーもう、廉くん好きー!残念なイケメンだけどもういいや。」



いいんかい!!なんて、突っ込んでみる。



それにしても、ずっと触れないででいたけど、普通逆では…。なんで元ギャルゲーの攻略対象が男で元乙女ゲームの攻略対象が女なんだ!!



まぁ、全てはこの凪君をモテモテにすれば、解決なんだ。その為には…何でもしなくちゃ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ