凪君。
「廉。おはよう。」
「おはよ。」
外に出てみれば、にこにこ微笑む同い年位の子がいた。きっとこの子が、凪君だろう。
「…凪?」
「…うん?どうしたの廉。」
やっぱり、合っているらしい。凪という子は、何とも普通の子で、アニメやゲームに出てくる様なイケメンでも、馬鹿にされて虐められるような顔つきでも無かった。それも優しそうだ。この子になら色々と聞けるかも。
「…ねぇわた…いや、俺って、どんなやつだった?」
「急に!?何で?」
つい、私なんて言ってしまった。不自然だよな。廉君は男なのに、私なんて。…気を付けよ。どう言い訳しよっかな…。
「ちょっと記憶飛んじゃってさ。」
我ながら、キツい言い訳だと思った。
「そっか…うーん…残念なイケメンって感じだったよ。オタクだから。記憶飛んだにしては、話し方は大体そのままだよ。大体の事は覚えてるの?」
「なるほど…ま、まぁそれなりに。」
まさか信じてくれるとは。でも、お陰で色々情報は掴んだ。話し方はこのままで良くて、オタクキャラ。なるほど、大体はわかった。
オタク丸出し残念イケメンキャラね。…頑張ろ。慣れるまで昔の癖が出ちゃうかもしれないけど、耐えなきゃ。まずは一人称から、か…。