缶バッジ
放課後になり、私達はアニメショップに来ていた。
「…俺様キャラって言うのはね!」
商品を受け取る最中、後ろでペラペラ話が聞こえたが、その辺には興味が無かったので、聞かなかった。
「こちらの商品で宜しいでしょうか?」
「…あー、はい。大丈夫ですよ。」
もし仮に間違っていたとしても、良く分からない今の状態だから、取り敢えず大丈夫だろう。
「このアニメ、好きなんですか?」
そう聞く女性の店員さんに、私はうーん、と考えた。どう答えるべきか。
「…あの子が、好きらしくて。…女子で好きなのが恥ずかしいからって…俺が。」
にこり、微笑んで目線で比奈子の方を見た。こんなちょっとした所で、残念イケメンだとバレるのは御免だったから。咄嗟に嘘をついた。
「そうなんですか。お優しいんですね。お会計2916円になります。」
「あ、はい。3000円からでお願いします。」
「はい。…84円のお返しとなります。…ありがとうございました!」
商品を受け取り、ちらりとその缶バッジを覗くと見たことある顔が見えた。
「…え?」
表示されている名前を見ると、波白雪と名前が書いてあった。
これは…私が昔やっていた、雪ちゃんだ。だから題名もどこかで見た事のある感じだったんだと、納得できた。
「買い終わったよ。帰ろ。」
次に行くのは…比奈子の家だ。比奈子の家で、俺様キャラを習わなくちゃいけない




