作戦
「それより、ありがとね。」
教えてくれたみんなにお礼を言って、ノートに纏めてみても、なんだかイマイチピンとこなかった。
「…んー。」
どうしようかと頭を悩ませていると、凪君が来た。
「…やっぱり、いいよ。ごめん。無理言って」
「凪君…」
やっぱり無理だ。と言うように溜息を付いた凪君に、私は言った。
「いや、必ず、モテさせてみせるよ。」
「ありがとう。後さっき凪君って…」
「気のせいだって。」
何度も言うようだけど、モテさせないとゲーム界に戻れないのだ。絶対諦める訳には行かない。
「じゃあ、みんなに優しい子になろう。」
この段階は、既に凪君はクリアしている様な気がするけど…。取り敢えず優しいのが一番だ。
「あっ、消しゴム忘れた…」
ナイスタイミングだ。行け!凪君!と言うように軽く押すと、うん。凪君はその女子に向かっていった。
「これ、消しゴム…貸すよ。」
「えっ、本当?凪君は大丈夫なの?」
「俺は消しゴム2つあるから。」
ね。とにこり、優しく笑った。女子は消しゴムを受け取り、ありがとう!凪君!と言って笑っていた。これは…行けるんじゃ?
自信を持った私の方へ、凪君が戻って来た。
「いけるよ。やっぱり凪は優しいから、この線を目指そう。」
「?うん。」
「後はキャラ設定だよね…」
「「キャラ設定?」」
私がぼそり、小声でそう言うと、今度は凪君まででなく比奈子まで食い付いてきた。
「何それ?」
「キャラ設定?どういうこと?」
「知りたい?」
私が聞くと、2人は、うん。と頷いた。
「何事も個性が大事。だから個性を決めなきゃ!」
私は言った。すると、片方は成程!と納得気に、もう片方は頭にはてなマークを浮かべた。




